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(1)王宮への道で再会  



「あの人は、助けに来てくれるでしょうか」


 私の名前は、アップル、神殿で聖女を務めていました。

 今は、白色無垢の旅行用ドレスに、金髪を一つに結び、胸に金のロケットペンダントを着けています。


 政略結婚のため、手配された馬車に一人揺られ、聖都の神殿から、王都へと向かっています。

 しかし、扉には外からカギがかけられ、私の碧眼は涙で濡れています。




「2年で帰ると言っていたのに」


 私には、想いを寄せる男性がいました。

 でも、見聞を広げるための旅に出ることになり、私は神殿で聖女の修行に入りました。


「無事でいるのでしょうか、、、」


 手紙が1年前から途絶え、約束の2年は、少し過ぎてしまいました。




 曇天の下、山道で、馬車が止まります。


「前方から盗賊だ! 迎撃体制を取れ!」

 馬車の外で、護衛兵と、盗賊が争っている声が聞こえます。


 この王国は、貧富の差が広がり、盗賊が増えていると聞きます。


「キャ」

 盗賊が馬車の扉を壊して開けました。

 赤い衣装の護衛兵が盗賊を引き下ろします。


「扉が開いてる!」


 私は、馬車を降りて、道の両側は森、迷わず王宮とは逆の方向へ走ります。

 盗賊と護衛兵が追ってきます。


 なれないヒールで街道を懸命に走ります。

 しかし、盗賊から追いつかれ、引き倒されました。


「助けて」

 神に祈ります。


 胸のロケットペンダントが、爆発的に一瞬光りました。

 目の前にいた、盗賊と護衛兵は、目が眩み、うずくまっています。


 そして、私の横にヒザをつく黒い衣装の戦士!

「大丈夫か! アップル」


 黒い衣装? 漆黒の王子様ジャケット、金のボタン、長身の男性です。


「クロガネ様!」

 短く刈り上げた黒髪に、漆黒の瞳、あの人です。


「シリウス、頼んだ」

 クロガネ様が白い衣装の戦士に、追手を足止めするよう指示しました。


「一旦、逃げるぞ」

 クロガネ様が、私をお姫様ダッコして、走ります。


「落ちそうです」

「体を俺に密着させろ」

 私は、首にしがみつきます。


 クロガネ様が乗って来た馬の方に向かいます。


 しかし、目の前に、馬に乗った護衛兵が立ち塞がりました。

 後ろにも、馬に乗った護衛兵が退路を塞いでいます。


「俺は、盗賊に襲われていたお姫様を助けただけ、、、だぜ?」

 クロガネ様が対応します。


「まず、その聖女を降ろしてもらおう」

 護衛兵が、クロガネ様の暖かい体温から離れろと言います。


「一緒に王宮まで来てもらおう、謝礼を渡そう」

 護衛兵の目は笑っていません。


 あの白い騎士は、姿を消しています。

 白い騎士が立っていた場所には、倒れている盗賊と、倒れている護衛兵、、、


「シリウスなら、大丈夫だ、必ず助けに来る。それまで大人しく待つ、いいな」

 クロガネ様が小声で元気を分けてくれます。


「はい、貴方のそばにいれるだけで、私は幸せです」



お読みいただきありがとうございました。


全7話で完結します。

よろしければ、下にある☆☆☆☆☆から、作品を評価して頂ければ幸いです。


面白かったら星5つ、もう少し頑張れでしたら星1つなど、正直に感じた気持ちを聞かせて頂ければ、とても嬉しいです。


ありがとうございました、読者様のご多幸を祈願いたします。




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