月下、厄介のはじまり
先に言っておきます。
遅れてごめんなさい。
次も確実に遅いですm(_ _;)m
「武器は?」
「剣なら…」
武器屋にてショートソードとナイフを購入。
「さっさとサイズ測ってこい」
「え、あの…」
防具屋にてレザーアーマーを購入。
「おっちゃん、初心者セットある?」
「おお!在庫なら仕入れてあるぜ!」
「いや、ちょ、まっ…」
道具屋にて小さめの鞄と回復用のポーションなどがつまった初心者セットを購入。
「よし、行くぞ」
「だから!ちょっと待ちなさいってば!」
「はぁ…なんですか突然」
「あまりにもテンポが良すぎない!?」
「あのですねお嬢様。すでに誰かさんのせいで割と時間がヤバいんですよ。俺はさっさと終わらせて生活費稼いで帰って寝たいんですよ。わかります?」
「私だってはやく帰らないといけないのは同じですが!?」
「遅くなった原因が自分にあること理解してます?それなのに店で時間をさらに潰そうと?置いて行っていいですか?」
「……っ!ご、ごめんなさい………」
「じゃあはやく行くぞ。日が暮れてからの森は日中より厄介だからな」
こうして俺達新設パーティー(仮)はようやく街を出たのだった。
遅ぇよ!
⚔ ⚔ ⚔
日が暮れてから星が瞬き始めた、そんな時間。
森の中では月明かりをたよりに歩くリュークとフレーデル嬢の二人がいた。
まだ、いた。
「はやく帰りてぇ…」
「だ、だからさっきから謝っているではないですか!」
「まぁいいや、今回は許してやる。群生地を見つけれたから、こ ん か い だ け は許してやる」
「…それ、次やったら許さないって意味ではないですよね?」
「…ハァ?」
さも当然だろ?という顔をしてやったら、お嬢様はちょっと涙目で沈黙した。弱っ…
「なにはともあれ、なんとかチユ草は採れたわけだし、ぼちぼち帰りながら狼探すか」
「…あの、戦闘時は……」
「まさか、まだ戦うのが怖いとか言わないよな?」
プルプルプル
「マジか…わーったよ、俺がやりますよ、殺ってやりますよ!」
これだから箱入りは…もういいや。コイツのことは諦めよ。
二人で街の方向に前後に並んで歩きながら狼の気配を探るのだが…
「…いねぇ」
「そ、そうなんですか?」
「新しい足跡もなければ視線を感じるわけでもなく、声や音が聞こえるわけでもないからな…」
「で、ではフォレストウルフはどこに行ったんでしょうか…」
「こういう場合、デカい群れが縄張りを移動したばかりか、もしくは現在獲物を追っているか、あとは子どもを守るために息を潜めてるかとかか」
「ウルフの依頼はどうするんです…?」
「…なんでお嬢様はさっきから怯えてんだ。まぁ、最悪は昔に取った素材を渡すわ。それで達成させる。あれは討伐依頼じゃなくて素材として牙を出せば済むやつだしな」
「そ、そうで―――――」
『アオオォォーーーーーーン!!』
「ひゃあっ!?」
お嬢様、今は可愛らしい悲鳴を上げている場合じゃないですよ。
やっと出てきた獲物だ。ここで逃してなるものか――――
「…、た、たすけっ…………!」
おい。
おいおい。
おいおいおい!
狼の野郎共、まさか…!
「チッ!面倒なッ!」
(-_-) 逃げたい
もちろんダメです♪