プロローグ:学園生一日目
見切り発車です。
もしも、万が一でも評価が高ければ続けるかもしれません。
横恋慕、という言葉の意味をご存知だろうか。
冒頭から御高説を垂れ流すような態度で申し訳ないが、俺はそんなものは知らなかった。
いや、知りたくなかった。
「―――――!」
前世の俺は冴えない陰キャ、教室の隅にいる、良くも悪くも印象に残らない男だった。
漫画にラノベやアニメなど、ヲタク文化が好きではあるけどそれを語り合う仲間もいない、寂しい男子高校生だった。
「――――!?―――――――!」
そんな俺がなんの因果かファンタジー世界に転生したと気付いた時には、それはもう嬉しかった。
そう、嬉しかったんだ。
「ちょっとアンタ!この私を無視とはいい度胸ね!」
「すみませんね。何せ、礼儀のれの字も知らないような平民出なもので」
世界はモブには非情なのだ。
今世でいくら頑張っても、前世が脇役な俺は所詮は脇役。
チートみたいな力で悪役を倒してハーレムつくったり、逆に魔族みたいな側に転生して非道な人間を成敗したりなんてのはやはり創作であって、それ以上でもそれ以下でもなかった。
「私はアルカ・フレーデルよ」
現実とは、ご都合主義とは違う。家の都合を無視したり人の感情があっさり他者に靡くなんてありはしない。
だから、俺はこの世界で、一つの誓いを立てることにしたのだ。
「…私を馬鹿にしているのかしら?」
「申し訳ありません、リュークと申します。家名はありません。お貴族様とお見受けいたしますフレーデル様につきましては、一体どのようなご要件でしょうか?」
恋愛なんてしない。
あんな感情があるから、悲しんだり苦しんだりしなきゃならないんだ。
たとえここが青春イベント盛りだくさんの学園という場所で、俺がその新入生だとしても、その考えは変えるつもりはない。
女子なんて、人間並みの知能を持った猿だと思っておけばいい。
そうすれば余計なことを考えずに済む。
うん、やっぱり俺って天才じゃね?
「…まぁいいわ。まどろっこしいのは嫌いだから単刀直入に言うわ。貴方、私とパーティーを組みなさい」
…何いってんだこの女。あ、間違えた、何いってんだこの猿。
「…なぜでしょうか?」
さあさあ、早速面倒なことになったな…
何はともあれ、本格的な学園が始まる前に、決意表明…の確認でもしてみようか。
「俺、さっきのホームルームでいいましたよね、女子とは関わりたくないって」
ま、そのせいで今世でもボッチが確定したんたけどね!
悲しくなんてないぞ!
…グスン
(ー_ー;):早速女に絡まれるとか、俺ついてねぇ…
(# ゜Д゜):てか作者!俺をいじめて楽しいのかよ!?
た の し い で す
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