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第八章 静子、バレーダンス教室で指導する

私を襲った不良グループも黒幕も逮捕されて両親共々安心していた。

やっと平和な日常が戻った。

私は日を改めてレスリングジムに両親とお礼に行った。

スケジュールを確認した時に、お礼は何か希望があるのか確認していた。

プロレスラー達は、妖精を一目見てみたい。物よりも、ここでバレーダンスを踊ってもらいたいとの事でした。

私と両親は納得した。

当日、バレーダンスやバックミュージックなどの準備をして、両親とレスリングジムを訪れた。

しばらく雑談して最後にバレーダンスを踊った。

何か不安な事があった時も護衛して頂けるか帰る前に確認した。

伊吹千代子が、「ちょっとした事では護衛料など色々とあり、すぐに護衛も依頼しにくいでしょう。その時のために定期的、例えば毎月一回、ここでバレーダンス教室を開いていただければ、その時に色々と相談に乗ります。授業料は、ちょっとした事でも護衛する事でどうですか?」と提案した。

どうやら、バランス感覚を養うために、バレーダンスを覚えようとしているようでした。

私の両親が、「すぐにそんな事を提案するのは、以前から考えていたのですか?」と疑問に感じて確認した。

千代子が、「実は、私たちが超一流バレーダンサーの護衛をしていると知った総理大臣直属の第四秘書の熊川泉さんから、男っぽい第三秘書の陽子さんに、バレーダンスを教えて頂けないか聞いてと頼まれたので、この際、レスラーのバランス感覚を養うためにお願いしたのです。ですから生徒は、レスラーと陽子さんでお願いします。」と依頼した。

私も両親も納得して了承した。

    **********

早速来月からレスリングジムでバレーダンス教室を開催する事になった。

バレーダンスなんて嫌だと拒否する陽子は、泉に無理やりプロレスジムにつれてこられた。

バレーダンスの衣装を着用した陽子は、「なんで、こんな衣装を着なければいけないんだ?お前バカにしているだろう。」と泉を睨んだ。

泉は笑いながら、「ほら、もっと女性らしくして。陽子も昔はブリッコしていたでしょう?」などと説得されて、陽子も諦めた様子でした。

秋山総理大臣の娘、陽子が赤黒レスリングジムのプロレスラー・レッドデビルとバイクでツーリングする仲で、プロレスジムで、いっしょにバレーダンスを教わっている関係から、栗垣知子に、総理大臣の自宅でバレーダンスを披露して頂きたいと依頼した。

陽子の姉が婚約したので、知り合いを自宅に呼んで婚約の報告をするとの事でした。

要は、婚約披露パーティーを開催するので、そこでバレーダンスを踊って頂きたいとの事でした。

陽子は、以前から姉を尾行している人物に気付いていた。

いろいろと調査して、姉が狙われている事に気付いた。

姉に気付かれないように極秘で護衛していた。

婚約披露パーティーに暴漢が紛れ込む可能性があり、何かあれば他の招待客も大勢いるので陽子一人では姉を守り切れない可能性があり危険だと判断した。

陽子は警視庁の高木刑事に電話した。

「陽子です。高木刑事、姉が結婚する事になった。」

「ああ、その話なら婚約者である軽井沢警察署の西井刑事から聞いたよ。おめでとう。ところで陽子さんはまだ結婚しないのですか?その性格では無理か・・・」と笑われた。

「俺の事はどうでもいい。」

「もっと、女性らしくしないと、じゃじゃ馬娘には・・・」

「そんな事は、どうでもいい!問題は姉が狙われている可能性があるから連絡したんだ。そんな話をするためじゃない!」と切れた。

「それは本当ですか?総理大臣のお嬢様を襲えば大きな社会問題になりますよ。」と信じられない様子でした。

「社会問題なんて犯罪者には関係ない。実は以前、姉を騙そうとしていた結婚詐欺師が姉に見破られてふられた。別のメンバーが騙そうと計画を練っていたが、結婚する事になったので、その腹いせに仲間と姉を襲う可能性がある。確認すると姉が尾行されていた。婚約披露パーティーに高木刑事も呼ぶから、部下と出席して姉の護衛と犯人逮捕をお願いしたい。父にも報告して出席者リストに名前を加えてもらった。あとは人数だけだ。何人でくるのか後日連絡頂きたい。」と要件を伝えた。

「了解した。上司と相談して後日連絡します。」と電話を切った。

    **********

高木刑事は上司に報告した。

「それは本当か!総理大臣のお嬢様からの依頼で総理大臣もご存じだ。世界的なテロリストを壊滅させたお嬢様の情報だから間違いないだろう。高木班五人で対応しろ。」と上司から指示された。

高木刑事は陽子に、「当日、部下四名を連れて五人態勢で護衛します。念のため、自宅の外側を他の刑事に警備させます。」と連絡して部下と作戦会議を開いていた。

「高木班長。恐らく、主役の近くは人が多く襲いにくいと思われます。栗垣知子さんは超一流のバレーダンサーです。人質にして招待客が人質事件に気を取られている間に襲われる可能性があります。」と意見を述べた。

「栗垣知子さんがバレーダンスを踊っている時も危険ではないか?妖精のようだと噂されている超一流バレーダンサーの踊りを劇場ではなく間近で鑑賞できるチャンスはめったにないから。」

最後に高木刑事が、「要は、パーティー開催中は常時危険だ。パーティー終了後、招待客が順次帰る時もごたごたして危険だ。妖精に気を取られないように最初から最後まで気を抜くな。万が一、お嬢様に何かあれば役立たずと総理大臣を怒らせて、解雇か左遷させられる可能性があるぞ。今回の件は総理大臣もご存じで、警察を信頼して私たちに護衛を依頼したのだからその期待に応えろ。」と指示した。

    **********

高木刑事は陽子と打ち合わせて、当日、栗垣知子がバレーダンスを踊る時間などの詳細スケジュールを入手した。

高木班では、そのスケジュールをもとに陽子の姉と栗垣知子に重点を置いて警備計画を練っていた。

やがて、婚約披露パーティー当日、高木班はパーティー開始の二時間前に緊張した面持ちで総理大臣の自宅に集合した。

爆弾などの危険物がないか、狙撃されやすい場所はないかなどの確認をした。

狙撃の可能性がある窓のカーテンは閉めるように依頼した。

総理大臣の要望で、招待客を不安にさせるとしてボディーチェックは拒否された。

「高木班長、空港などで実施している金属探知機を使えませんか?」

「金属は、鍵など色々とあるでしょう。空港ではそれらを預けたうえで再検査するでしょう。そんな事をすれば、招待客を不安にさせるので、ボディーチェック同様無理です。」と検査は諦めるように答えた。

やがて、招待客が順次訪れた。

その招待客である、渋谷国会議員の家族全員が犯人グループに監禁されて、結婚詐欺師の仲間を次女としてパーティーに出席させるように脅迫されていたとは誰も知りませんでした。

ボディーチェックをしていなかったために、渋谷国会議員の次女に変装した結婚詐欺師の仲間が刃物を所持している事に誰も気付かなかった。

    **********

陽子付の秘書である良美が陽子の指示で出席者リストに記入されている人物を事前に確認していた。

招待客の体格や性別、顔写真などを確認していた良美は、渋谷国会議員の次女が偽物だと気付いて陽子に報告した。

良美から報告を受けた陽子は直ちに高木刑事に知らせた。

「出席者リストに記入されている人物を事前に確認していた。渋谷国会議員の次女は偽物よ。注意して。」と警告した。

「本当ですか?なぜ国会議員がそんな事をするのですか?」と予想外で焦っていた。

「渋谷国会議員の次女に変装した事を考慮すると、本物は誘拐されて脅迫されている可能性があります。至急捜査してください。本物が無事救出されれば、渋谷国会議員が彼女は偽物だと告げるでしょう。」と依頼した。

高木刑事は陽子に了解と返答して、上司に事情を報告した。

上司は驚いて、「それは本当か!その件はこちらで確認する。高木班は総理大臣のお嬢様の護衛に専念しろ。」と指示した。


次回投稿予定日は、2月20日を予定しています。

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