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もがく(小説)
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息は出来る。
手足をがむしゃらに動かした。あんまり進めない。
暗い暗い水の中。
目が開くから海では無さそうだ。
水草の切れ端や小枝が、次々と過ぎてゆく。
小さな魚が泳ぎ去る。
上へ。水面に出たいのだ。
光は途中で消えている。ここは暗いが冷たくはない。
むしろ爽やかな流れの中で、それでも私は魚ではないから、早く陸に上がりたいと思う。
水流と空気の音だけが聞こえる。水の上では小鳥が歌いカジカガエルが鳴いているのだろうか。
仕事で苦手な作業をしている。つまらなくはない。




