40/105
雨の町(小説)
212字
絶え間なく雨の降る町があった。何時からそうなったのかは、解らない。降らなかった日の事など、もう誰も覚えていない。
不思議なことに、雨のなかでも蝶が飛んでいた。特別な種類の蝶ではない。どこの町にでもいる、ごく普通の蝶達だ。
雨ばかりで、植物が育たないのに、蝶は弱った様子もないのだ。
たまに開く花の蜜を求めて、ひらひらと集まってくる。辛うじて生き残っている木々の葉をめくると、裏側にはびっしりと、不思議な蝶の卵が産み付けられていた。
212字
絶え間なく雨の降る町があった。何時からそうなったのかは、解らない。降らなかった日の事など、もう誰も覚えていない。
不思議なことに、雨のなかでも蝶が飛んでいた。特別な種類の蝶ではない。どこの町にでもいる、ごく普通の蝶達だ。
雨ばかりで、植物が育たないのに、蝶は弱った様子もないのだ。
たまに開く花の蜜を求めて、ひらひらと集まってくる。辛うじて生き残っている木々の葉をめくると、裏側にはびっしりと、不思議な蝶の卵が産み付けられていた。