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川辺の通勤路(小説)
200字連載
初回は小説。ぴったり200字でした。
◆この物語はフィクションです。◆
川辺で、死体を見かけた。死体だろうと思ったので、怖くてそのまま通りすぎた。通勤途中の出来事だった。
同じ道を辿って、家に帰った。そこを通らなければ、帰宅出来なかったからである。
死体は、もうなかった。日が暮れきった川岸に人影はなく、何か事件があった様子もない。酔っ払って寝ている人を、見間違えたのかも知れない。
家に入ると、耳元で知らない声がした。
「まだ、生きていたのに」
完
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