表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/99

89


「それで? サヤはなんて?」



藤崎に一ノ瀬に謝ってくれと言われたさ次の日にさっそく藤崎に詰め寄られた。 昼休みの美術室での事だ、売店に向かう最中に無理矢理引っ張って来られたのだ。



「お前反省してる?」


「勿論! 反省してるからこそ謝りたいって意思表示示してるでしょ?」


「はぁ〜」



全然反省しているようには見えないしますますこいつが何考えているのかわからなくなるけど……



「一ノ瀬は…… 自分もやり過ぎたからこちらこそごめんなさいだってよ」


「ーーッ! よ、良かったぁ。 じゃあ仲直り出来た!」



顔さえあわせてないのに言伝だけで仲直りとはこれ如何に?



「だ、だったら私サヤの家にやっぱり出向くべきだと思う!」



自分が元凶なのに一ノ瀬の家族がお前のせいだと知ったら確実にこいつは出入り禁止になるのに出向くべきとはこれまた如何に?



「ちょっと待てよ、お前自分がやった事わかってるか? お前のせいで一ノ瀬があんな事したのに一ノ瀬の家族がお前なんか来たらどう思うか考えないか?」


「私がやったって言ったの?」


「…… いや、それは」


「だよね! 優しいサヤならそんな事言うはずないもん!」


「おい、そもそも大事にしたくないからって今回の件伏せているのは吉原なんだぞ? それに対して言う事は?」



そう言うと顎に人差し指を置いて何やら考える仕草をする藤崎……



「じゃあついでに吉原さんの家にも顔出しに行こうかしら? 謝罪の意味を込めて」


「え!? お前どういうメンタルしてるの? 謝るのは構わないけど全然そういう風に見えないんだけど?」


「失礼な! ちゃんと反省してるって言ったでしょ? こんな事思ってなきゃそもそも私何もしないし」



嘘だろ? どうしてこうなった……



そんなこんなで学校が終わり藤崎と一緒に吉原の家へ向かう俺。 こいつ本当に謝ろうなどと思っているのだろうか?



ニコニコと機嫌良さそうに俺の隣を歩く藤崎に違和感を感じざるをえない。



吉原の家の目の前に着くと大事な事を忘れていた事に気付く。 吉原に何も言ってない事だ。



「へぇ、ここが吉原さんのお家かぁ。あーやだやだ、良いとこ育ちのお嬢様じゃん」


「お前そんな態度で謝りに来たのか?」


「あ、いっけなーい! てへへ」



俺に言われ舌を出して笑うこいつにまったく反省の色が感じられず溜め息を吐く。



「で? こんな所に突っ立ってないで早く行きましょうよ?」


「吉原に連絡するの忘れてた」


「そんなのどうでもいいでしょう? サプライズだと思ってさ」



こういう所だけ吉原みたいな事言うなよなと思っているうちに藤崎は吉原の家のインターホンを鳴らした。



このバカ! 何勝手に行ってんだよ……



程なくして玄関が開くと吉原本人が出て来た。 吉原は少し大きめの絆創膏を貼っていた。 少しは良くなったのかな?



「あ、周ちゃん! ってあれ?」



俺の顔を見た瞬間、吉原はニッコリ笑ったがすぐ後ろに居た藤崎を見てあからさまに微妙な表情になる、当然だな。



「元気そうね吉原さん」


「えーと、これはどういう事?」


「それはともかくこんな所に突っ立たせてないでさっさと部屋なりなんなり上げてよ?」



なんて図々しい奴……



「お前なぁ、吉原の家にお前が普通に来れるのって吉原がお前の事伏せておいているお陰だろうが」


「その事についてはありがとね」



そしてスタスタと藤崎は家の中へ入る。



「周ちゃん、一体どういう事?」


「いきなりごめんな? 藤崎がお前にした事謝りたいって言ってさ。 俺も吉原に連絡入れるの忘れててこうなっちゃってさ」


「あ、そういう事か。 私てっきり……」


「てっきり私が渡井君といい感じになったなんて思ってた? 冗談は休み休み言ってよね」



相も変わらずこの態度…… 本当に反省しているのだろうか?



「そうそう吉原さん、それよりこの前の事ごめんね? これお詫びと言っちゃなんだけど」



そう言って藤崎は吉原の手を取り何か渡す。 吉原の手にはウサギの絵が描いてあるなんとも可愛らしい絆創膏が…… これでも貼ってろと言う事だろうか?



「あ、あはは、ありがとう」


「ねぇ、傷見せてよ?」



そう言って吉原の了承も得ずに吉原の顔を押さえて絆創膏を剥がす。



「ふぅん…… 私の刺し方が良かったのかしら? 傷は見えるけどあまり目立たないじゃない」


「お前人の顔を傷付けといて……」


「でも良かったじゃない。 化粧すれば誤魔化せるわよ? 髪でも隠れそうだし。 あー、なんか拍子抜…… おっと、良かったね!」



絶対こいつ拍子抜けでつまんないとか言いそうだっただろう?



「でもまぁ俺も少し安心したよ吉原」



ポンと思わず吉原の頭に手を置くと吉原はえへへと笑った。




「あー、そういうの見せつけなくていいから。 ここは大丈夫そうだしサヤの所に行きましょうよ?」


「あ、サヤちゃんの所行くなら私も行こうかな? 私もサヤちゃんの事心配で」


「うーん…… あ、まぁ吉原さん居ればカップル2組で丁度いいかしら?」



カップル2組とは…… まさかお前と一ノ瀬か? 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ