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吉原達のお見舞いに行って2日経たった。 まだ2人は休んだままだ。



「なぁ周人、吉原と一ノ瀬どうしたんだよ? 2人揃って休んでるなんてさ」



気になっていたのか伸一がそう尋ねてきた。 まぁ気になるのも無理ないよな、2人して休んでるんだから。



だけどこいつには吉原と一ノ瀬、藤崎との間にあんな事があったなんて伝えてない。 それはこいつの事だから……



「お前なんか知らないの? 知らないわけないよな?」


「…… 吉原と一ノ瀬は怪我しちゃってさ」


「え? なんで?」


「川で遊んでたら一ノ瀬が盛大に砂利道に顔から突っ込んでさ、驚いた吉原もそれにつられて砂利道に顔から突っ込んだ」



我ながらなんとも適当な事言ってやったぜ。 



「ええ? じゃあ2人とも顔怪我したのかよ? それでこんなに休んでんの?」



どうやら顔を怪我したって事が大きいのか俺のいい加減な説明が通ってしまった。 でも怪我したのは本当だし。



「そういう事になるな」


「マジかよ!? それは一大事じゃねぇか!」


「なーかーむーらッ! あんた余計な事言うんじゃないわよ? 芽依は繊細で傷付きやすいんだから」



俺と伸一の会話が聞こえたのか篠原達が伸一に釘を刺す。



「わ、わかってるって! うちのクラスの2人の美少女が顔怪我するなんて心配だなって思っただけだよ」


「まぁそれならいいけどさ、あんたが思うほど大した事じゃないんだから大袈裟にしないでよね」



そう言って篠原達は戻って行った。 あんだけ怒ってたくせに大した事ないってのは吉原の意を汲んだんだろう。



「おー、こわッ。 吉原と一緒にいるんだからあいつらも少しは吉原くらいお淑やかになって欲しいぜ」



言うほど吉原はお淑やかではないけど凄く優しいんだよな吉原って。 こんな伸一みたいな奴にも。



そして学校が終わり教室から出た時意外な人物が俺を待ち伏せていた。



「…… やっほ」


「藤崎…… 来てたのか」


「さっき来たばかりよ。 いつまでも休んでられないし…… サヤは?」


「怪我したから休んでる」


「そう……」



元気がない。 あの時からそうだけどあまりに落ち込んでいたのでこれ以上はと吉原と一ノ瀬も放っておいたけど。



「お前よく俺に会う気になったな? 自分のした事わかってるか?」


「…… そう言う渡井君こそ私のサヤを奪った。 吉原さんは?」


「あいつも休んでるに決まってるだろ? お前のせいでな」


「ふぅん」



そう言った時後ろの方から声が聞こえた。 何やら吉原と一ノ瀬の話題が……



俺と藤崎は耳を傾けた。



「吉原の奴しばらく学校来てなくて清々するわ。 なんでか一ノ瀬も休んでるけどあいつらもてはやされ過ぎてムカついてたし」


「ていうか綾も最近来てないじゃん? 綾も目の上のタンコブみたいな存在だったし尚更ね! だったら一ノ瀬来たらシメちゃわない!?」



西岡と及川だった。 あいつら性懲りもないな。 てか俺の目の前からとてつもない殺気がするんだが……



そう思った瞬間、藤崎は西岡達の所へ向かっていた。



「残念だったわねぇ。 目の上のタンコブが来ちゃったわよ?」


「げ!? あ、綾…… な、なんで?」


「マジ!? い、今のはさ」


「うん、わかってるよ? 冗談に決まってるよねぇ? ね? ね?」



後ろ姿しか見えないが物凄い威圧を感じる。 その証拠に西岡達がビビってる…… 藤崎って西岡達にとってそんな怖いのか? 確かにめちゃくちゃな奴だけど。



「言っとくけどさぁ、吉原さんとサヤをいじめていいのは私だけなんだからね? まぁ吉原さんは今まで西岡さん達の好きなようにさせてたけど勝手な事したら沈めるよ?」


「あ、あはは。 綾、落ち着きなって、冗談だしさ! ほ、ほら行こう?」



西岡は及川を連れて足早にその場から去って行き藤崎がこっちへ戻ってきた。



「藤崎お前……」


「ふん、別に他意はないよ。 サヤにこれ以上嫌われたくないし」


「でもお前がやった事は」


「わかってるわよ。 やり過ぎって言いたいんでしょ? ごめんなさいで済まないのもわかってるけどやっちゃった事は消せないしサヤの傷も吉原さんの傷も消えるかわかんないしせめてこれくらいって思っただけだもん」



俺にそんな事を言うのは嫌だったのかめちゃくちゃまくし立てるようにそう言われた。



「でもとりあえず…… 行動に移さないとサヤにも会わせる顔ないし」


「一ノ瀬の事そんなに好きなんだな」


「あ、当たり前でしょ! でもサヤがあんな事するなんて思ってもみなかった、私のサヤが……」



藤崎はシュンと落ち込んだ。 でもお前の自業自得が大半なんだが……



「渡井君」


「なんだよ?」


「許してもらえるかわからないけどサヤに謝っておいてくれない? お願い!」



縋るような目で俺にそう訴えかける藤崎だけど……



「一ノ瀬だけか?」


「………… ついでに吉原さんにも」


「ついでって……」


「西岡さん達にも吉原さんに手を出すなって言っておいたでしょ? だから…… お願いします」


「はぁ〜、わかったよ。 でもあんな事もう2度とごめんだからな?」


「じゃあ伝えてくれるのね?! ありがとう! あ、だったらやっぱり直接サヤに会って言った方がいいかな!?」



ケロッとして藤崎は喜んでいる。 さっき会わせる顔ないとか言ってなかったか?



「調子に乗んなよ。 それに一ノ瀬だってまだ本調子じゃないんだからゆっくりさせとけよ?」


「ケチ! ただ会わせたくないだけだったりするでしょ!?」



まぁぶっちゃけそうなんだけど。 こいつの開き直り見てると違う意味で不安になってくるしな。



「でもまぁ我慢するわ。 じゃあちゃんと伝えといてよね! それと私に事後報告絶対してね?」



藤崎は少し元気になって帰って行った。 なんでお前がそうなるんだよ? とつっこみたかったけど一ノ瀬も藤崎の事を気にしてはいたのでこの事はちゃんと一ノ瀬に伝えておいた。





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