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それから数日…… 藤崎はあの後から学校に登校してない。 あれだけの事をしたんだから出るとこ出るかって話になったのだが吉原が「そんな事したら周ちゃんもっと目立っちゃうよ? サヤちゃんも!」と言われてしまった。



吉原と一ノ瀬も傷の具合が少し落ち着くまで学校を休む事にした。 篠原と西条には理由を話した。 当然めちゃくちゃ怒っていた。 なんせ吉原を傷モノにされたんだ。



だが大事にはしたくないという吉原の事と元凶の藤崎が不登校になっていたのでしばらく様子見という事なのだが吉原の傷は深い。 吉原の家族は吉原の顔を見てどう思っただろうか?



騒ぎになっていないみたいだから吉原は誤魔化したと思うけど…… 一ノ瀬も一ノ瀬で家族の様子はどうだろうと思い今日は2人の家に行ってみる事にした。



学校が終わり吉原の家に行くと吉原が玄関から顔を出す。



「周ちゃんいらっしゃい!」



やはり吉原は頬と額に包帯とガーゼが……



「大丈夫か?」


「ん〜、どうだろ? まぁとりあえず上がってって?」



吉原の部屋へ行くと吉原はお菓子とジュースを持ってきた。



「学校変わりない?」


「ああ、だけど篠原達めちゃくちゃ心配してたぞ? 俺の後にあいつらもお見舞いに来るってよ」


「そっか…… なんか心配掛けてばっかりだね、えへへ」


「お前親とかになんて言ったんだ?」


「砂利道で転んじゃって切っちゃったって」


「よくそれで誤魔化せたな? ていうか親としては吉原みたいに可愛い娘の顔がそんなになったら気が気じゃないだろ?」


「あはは、可愛い娘だなんて周ちゃんに言われちゃうと少し照れるなぁ」



すると吉原は包帯を解き始めた。



「吉原?」


「周ちゃん気になってるようだから……」



そしてガーゼを取るとまだ痛々しい傷跡が。 今更だが藤崎の奴なんて事してくれたんだと思う。 額の方は消えると思うが頬の部分はわからない……



「ちょっと引かせちゃったかな?」


「ごめんな吉原」


「どうして周ちゃんが謝るの? 周ちゃんのせいじゃないって。 それに髪の毛で誤魔化せるから」


「そうは言っても……」



吉原は髪を傷に被せ隠してみた。 うーん…… 確かに結構隠れるけど。



「私こそごめんね。 こんなになっちゃって周ちゃん嫌だよね……」


「バカ言うなよ。 犬とかは見た目で判断しないって言うだろ?」


「周ちゃん犬だったの?」


「いや、そういう事じゃなくて…… お前に言っても説得力ないかもしれないけど俺は別に…… 吉原が可愛いとかそういうので判断したりしてないっていうかなんていうか」


「ふふ、あはは! そうだよね、周ちゃん最初から私に意地悪だったもんね」


「意地悪って……」



吉原は俺の肩に頭を置いて寄り添った。



「でもさ、無理しなくていいよ? 私と居たら色物な目で見られるかもしれないよ?」


「吉原、お前こそ無理しなくていいんだぞ? お前強がってるけどやせ我慢してるだろ」


「…… やっぱり周ちゃん意地悪」



吉原は俺の腕をギュッと握って顔を埋めた。 ほらな、平気なわけないだろ? 俺はそんな吉原の頭を優しく撫でてやるくらいしか今は出来ない。



しばらくそうしていると吉原は顔を上げた。



「そろそろサヤちゃんの所にも行ってあげて? 周ちゃん来てくれたら絶対嬉しいはずだから」


「いいのか?」


「うん…… 私も嬉しかったから」



そして吉原の家を後にし一ノ瀬宅へと向かう。 あいつも傷だけじゃなくて藤崎の事もあるから大丈夫だろうか……



LINEでは連絡取ってたけど実際会ってみないとよくわからない、一ノ瀬だけに。



一ノ瀬の家へ着きインターホンを鳴らすと一ノ瀬兄が怖い顔をして出てきた。



「よぉ」


「お、お邪魔します…… してもいいですか?」


「うちの沙耶華傷モノにしやがったのどいつだ?」



一ノ瀬兄が物凄い剣幕で迫ってくる…… どいつだって言われてもっていうか俺を疑ってないか? いや、俺が不甲斐ないせいもあるけど…… と困っていると一ノ瀬が横から出てきた。



「しゅ、周君いらっしゃい! わ、私ただ階段から落ちただけだから!」


「あ、おい! こら!」



一ノ瀬は俺を引っ張って部屋へと連れて行くが一ノ瀬兄が追いかけてきた。



「こ、ここから先は男子禁制!」


「そいつも男だろ?」


「…… 周君は妖精だから性別はありません!」



無理があるぞそれ……




そうして一ノ瀬はバタンと部屋のドアを閉めた。



「ふぅ…… 」



一ノ瀬は一息つくと俺にどうぞ座ってと促した。 



「一ノ瀬、怪我大丈夫か?」


「あ…… うん。 飛天御剣流しちゃいそうな気分です」


「お前相変わらずだな……」


「わ、私あの時なんて暴力的な事しちゃったんだろうって…… 今でも信じられない。 綾ちゃんにもいくらなんでもやり過ぎましたって後で謝らないと。 それと周君私の事嫌いになったんじゃないかって不安で……」


「まぁ確かにビックリしちゃったけどさ、嫌いになるわけないだろ?」


「〜〜ッ!? で、では…… ハグしていい?」


「ハグ!? あ、ああ」


「しからば…… 失礼」



一ノ瀬はおずおずと俺に抱きつく。



「ふあ〜、なんだか久し振りの周君の匂いだ。 ふへへ、でも微かに芽依ちゃんの匂いもする。 芽依ちゃん…… 大丈夫だった?」



一ノ瀬は少し不安そうに聞いてきた。 やっぱ心配だよな。



「あいつも一ノ瀬と似たようなもんだよ。 まったくお前ら2人って。 でもまぁ俺も少し安心したよ」


「…… というかですね」


「うん?」


「後先考えなさ過ぎて私自分の顔を傷付けちゃったけど…… ああッ! 大した顔じゃないのはわかってますけど…… 周君…………」


「お前もか。 そんなのって言い方はあれだけど…… 」



一ノ瀬の頬に包帯越しに触れてみた。



「一ノ瀬の良さも吉原の良さも見た目ってわけじゃないだろ?」


「……ッ、周君大好きです」



俺はつくづくズルいぞ、こいつらの事やっぱり両方好きで…… 藤崎の件の時俺は2人のうちどちらかを決めていた、なのに揺らぎそうだ。



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