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次の日学校へ行くと吉原は前のように見るから明るくなっていた。
それを見た西岡達は大層気に入らな顔をしている。 そして昼休みになり吉原が俺の席へ行こうとしている時……
「おい吉原、昨日バックれやがって。 随分楽しそうじゃん?」
西岡が吉原に絡む。 だが吉原は気にする事なく俺の方へ向かおうとする。
「聞いてんのかよ!?」
もう吉原に本当の事話されたんだ。 俺も西岡達に言ってやるって言ったもんな、だから……
「西岡、及川、いい加減にしろよ? お前ら恥ずかしくないのか?」
まさかの俺に言われた事で西岡達はポカンとする。 そしてクラスの視線が俺に集まる。
うわぁ、俺って今、今学期始まって以来のハイライトを浴びてるような気がする。
そして西岡は俺に向けてこの野郎と言わんばかりにガンを飛ばす。
「は!? キモッ! 陰険ウジ虫が何言ってんの? 吉原と一ノ瀬にモテたからって調子乗っちゃった?」
陰険ウジ虫。 お前本当口が悪いな。 俺が言い返そうとした時……
「確かにそうだよな」
端っこの席に居た男子が言った。 え? やっぱ俺が言うとキモい?
「渡井の言う通りそろそろいい加減にしろよ? お前らクラスの雰囲気悪くしてんのわからないのか?」
すると更にもう1人加わる。
「だよな、もうお前らの僻みにしか見えないぞ?」
「はぁ? 僻みって何!? あんたらだって吉原と渡井は釣り合わないとかほざいてたじゃない!」
「まぁ最初はそう思ったけどさ、渡井が無理矢理吉原に迫ったとかじゃねぇし。 なら仕方ねぇかで済んでんだけど? お前が渡井の事好きなら吉原の事叩くのはまだ理解出来るけどな」
「なんで私がこんなパッとしない奴を好きになんなきゃいけないわけ!?」
だんだんと俺へシフトしていってないか? と思ったらガタッと椅子が動く音が聞こえた。
「しゅ、周君は…… キモくないよ」
「え?」
「は?」
「あ?」
いきなり一ノ瀬がそんな事言うもんだから今度は一ノ瀬が注目を浴びる。
「あ! ええっと…… 周君は普通です」
急に恥ずかしくなったのか一ノ瀬は真っ赤になり席に座った。
「西岡、及川、あんたらまだわかんないの? もうみんなうんざりしてんのよ?」
「芽依の事叩きたいからって芽依の悪口ばっかり言い過ぎたね。 まぁ面白がってそんなのに乗る奴らも今更手の平返す奴もムカつくとこはあるけどあんたらもっと最低よ」
「ああ!?」
西岡達は相変わらずだが篠原と西条の言う事に他の奴らは図星だったのか少し気不味そうな顔になる。
「あの…… 吉原さんごめんなさい。 西岡さん達ってほら、怖くて今まで……」
「ええと、私もごめんね」
「あー、俺もあの吉原が?ってつい…… ごめん」
篠原達が西岡に言った後そんな声がチラホラ吉原に。 西条の言う通り今更感がハンパないけどこれで吉原への嫌がらせも大分やり辛くなるはずだ。
「そうだぜ西岡、及川。 みんなが言ってるようにお前らのやってる事悪趣味だぜ? 俺見てらんなかったし。な? 周人」
これまで状況を観察していた伸一がさらりと言った。
な? 周人とよく言えたもんだ。 お前こそ手の平返しの権化みたいな奴が。 本当調子いい奴だ。
「吉原はそんな奴じゃないって思ってたよ」
伸一は馴れ馴れしく吉原の肩にポンと手を置きそう言った。 どさくさに紛れてさり気なくお触りもする伸一には呆れるしかない……
「ありがとう伸ちゃん。 伸ちゃんはやっぱりそう思っててくれたんだね。 周ちゃんのLINEに書いてた事は伸ちゃんの事だからみんなを欺く為のカモフラージュだったんだね? 私も騙されちゃって見た時泣きそうになっちゃった」
「はうッ! み、見たの?」
伸一がサーッと青ざめる。 俺も伸一と同じ反応をついしてしまう。
「あ、あはは…… 流石吉原。 そ、その通り」
やっぱあの時俺が寝てる間に吉原の奴俺の携帯見やがったなと思いチラッと吉原を見る。
「ごめんね周ちゃん。 怒った?」
「はぁ…… まぁいいよ。 お調子者の伸一にはいい薬になったんじゃないか?」
「えへへ。 お詫びに私の携帯も見たかったらいつでも見ていいから」
「準備万端にしとくって意味に聞こえるぞ?」
「んもう! 捻くれてるんだから。 周ちゃん、久し振りにお昼一緒に食べよう?」
「ん? ああ、そんな久し振りって程でもないような気もするけどな」
西岡達はこれで収まるかわからないけどクラスの奴らからも言われ前ほどあからさまには仕掛けてこれないだろう。
だがこんな事を起こすキッカケになった藤崎は今一体何を考えてるのだろう?




