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吉原達と遊んでから早1週間以上過ぎて8月へと差し掛かる。 とうとうこの日がやって来たのか。 ていうより本当に行くのかな? 俺は珍しい頼み事にせかせかと準備していた。



あの日吉原達と別れて一ノ瀬と帰っている最中……



「今日はいろいろと世俗との関わりが出来て勉強になりました」


「それってどういう風に受け取ればいいんだ? 楽しかったのか?」


「最初はやっぱ無理かもって思ったけど…… えへへ、新鮮だったし楽しかった」



一ノ瀬は少し頬を赤くしてニッコリと微笑んだ。 普段あまり見せない顔なので俺は吸い込まれるように一ノ瀬の笑顔を見つめる。



「な、何か?」


「あ…… えーと…… 可愛いんだなって思って」



ヤバい、流石にキモいぞ俺…… 流石の一ノ瀬もドン引きかと思ってると。 カァーッと赤くなっていた。



「ふわわ…… か、か、か、可愛いなんて…… やはり私を惑わす気では!? だ、騙して乱暴を……」


「なんでそうなるんだよ…… 一ノ瀬はもっと自信持っていいって前から言ってるだろ?」


「………… 。」



すると一ノ瀬は押し黙る、ていうかやっぱりキモかったかな? くそ、俺も何いきなり言ってんだ……



「あの……」


「え?」



不意に黙っていた一ノ瀬が話しだす。




「…………で、では私と夏コミに行ってくれないでしょうか? うええ……」



なんだよ最後の「うええ」って…… そぉいや夏休み前にも夏コミの話題してたよな。 マジかよ、そんなん行ったら今度は俺が今日の一ノ瀬みたいなパターンになりそうだ。



だけどこいつが思い切ってそんな事言ったんだよな? 今までそんな事なかった、断ったらさぞかしガッカリしそうだ。 でも俺だったら…… 普通だったら無理だわって断るはずなのになんでかそれは気が進まない。



「…… いいよ」


「チーン…… や、やっぱり…… ガクッ」


「いや、肯定のいいよだよ」


「ふえッ!? ほ、本当?」



一ノ瀬は俺の両腕を掴んでグッと顔を近付けて迫った。



「ほ、本当だよ! てか近い! 近いっての!」



そう言うと我に帰った一ノ瀬が俺の顔を見つめて泣きそうな目になり紅潮していく。 コロコロ変わるなこいつは。



「ひ、ひえッ、わ、私なんて痴女のような行いを……」



極端な奴……



「はぁ〜、まぁいいけど行くってわかったんだからいいだろ?」


「ハッ、そうだった。 うん…… うん!」



そして家に着くまで一ノ瀬はずっとニコニコしていた。 俺相手でも夏コミに行くのがそんなに嬉しかったのか。




そして当日……



昨日のうちに一ノ瀬と何度かLINEでやり取りして俺は一ノ瀬の家に行く事になった。 あいつの家にまた行く事になるなんてな。



ていうより朝一応LINEで連絡したんだけど既読にならない。 どうなってんだ?



「何やってんだよあいつ……」



仕方なく時間も時間なので俺は一ノ瀬の家に行く事にした。



そして一ノ瀬の家に着きインターホンを押すと一ノ瀬母が出て来た。



「おはようございます。 あのー……」


「あら! おはよう、この間の沙耶華の友達の…… ってあら? あの子まだ寝てるけど」



何!? 誘っておいてまだ寝てるだと!?



「とりあえず上がって? 沙耶華の部屋にそのまま行ってちょうだい」



女の部屋にそのまま行ってとは…… やはり一ノ瀬母だ。 ちょっとおかしい。 だけど寝てるってどういう了見だ? なのでここは一ノ瀬母に従いあいつの部屋へ行く。



階段を上がりノックをして「入るぞ」と言う。 返事がない…… 悪いけどガチャッとドアを開けると。



こちら向きにスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている一ノ瀬の姿があった。



「おい……」


「………… んにゅ〜」


「おい一ノ瀬」


「んんう…… ん? ふぁッ!? しゅ、周君!? どうして私の部屋に!? あれ? え!?」



布団で目だけ出して驚愕する一ノ瀬。 俺もこの状況でこれってマジでビックリなんだが?



「あ…… あ…… ああッ!!! ムゴッ……」



思わず叫びそうになる一ノ瀬の口を手で塞ぐ。



「落ち着け! 今日はなんの日かお前わかってるよな?」


「ふがぁッ」



一ノ瀬はコクコクと首を振った。 思い出したか。 それと同時に一ノ瀬は青褪めたので手を離す。



「どどど、どうしよう!? 寝坊しちゃった。 た、楽しみ過ぎて眠れなくて」


「だから落ち着けよ? 別に開いてる間に行けばいいんだから大丈夫だろ? ていうかまず準備だよな」


「そ、そうでした!」



ところが一ノ瀬は俺の目の前でパジャマを脱ぎ始めズボンを下ろして一気に下着姿になった。



「一ノ瀬! 何考えてるんだ!? 」


「え? 急いでお着替えをと……」


「バカ、 お前の兄貴とか家族ならともかく一応クラスメイトの俺だぞ!?」



そう言ったせいか一ノ瀬は「ああ」と納得がいったような笑顔べるが理解したせいか硬まりその顔のままで真っ赤になる。 マズい…… もうちょっとボカした言い方にするべきだった。



そして案の定一ノ瀬はパニックになりその騒ぎを一ノ瀬兄も聞き付け部屋に入り下着姿の一ノ瀬と唖然としている俺を見て更にカオスになった。


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