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「あ〜ん、全然ダメ……」


「あはは、由紀ガーターばっか」


「芽依だって似たようなもんじゃん」



ボウリングを始めてやっぱりあまりやってないせいか全然ピンを倒せてない吉原達。



「こう見るとなんか篠原とか西条もなかなか可愛いんじゃないか?」


「お前ってコロコロ変わるな。 てかそこ?」


「当たり前だろ! 他に何があんだよ?」


「はぁ、ていうかお前ってボウリング意外と上手いな? だからボウリングにしたのか?」


「その通り! お、一ノ瀬の番じゃん」



その言葉にチラッと一ノ瀬を見るとなんかレーンに立ってブツブツ言ってる。



「目標をセンターに入れて……」



ああ、いつもの一ノ瀬だわ。 そして変なフォームでボールを放り見事にガーター。



「あはは! 一ノ瀬ウケる! 何あれ」


「まりえ、サヤちゃん一生懸命なんだから笑っちゃダメでしょ! まったく」


「うへぇ…… 笑い者……」


「サヤちゃん! 私らも下手だから気にしなくていいの」


「オホン! 吉原、一ノ瀬、なんだったら俺が教えてやろうか?」


「え? ああ、うん。 とりあえず伸ちゃんの投げる姿でも見て勉強しようよ? ね? サヤちゃん」


「うん……」



その言葉に気を良くした伸一は華麗なフォームでボールを放ちストライクを取る。 本当に上手いなあいつ。 そしてガッツポーズを2人に見せる。



「えー、中村の奴上手いじゃん」


「ははーん。 いいとこ見せようって魂胆ね」


「でもどうだろね? 芽依はさておき一ノ瀬は…… 」


「もう気になっちゃってる人でも居たりしてね? なぁんて」



篠原と西条はそんな伸一の策はお見通しでなんか一ノ瀬の事で盛り上がってる。



「おい、次はお前だぞ周人。 まぁお前は俺より下手だからハードル上げちゃったかな?」


「いや、そんなに俺のなんて特に気にしねぇだろ?」


「ま、頑張れや!」



俺はボールを構えてピンに向かって放った。 そして真ん中から逸れてしまい6ピンしか倒れなかった。



「あー、周ちゃん惜しい! 頑張って」


「が、頑張って周君」


「え? お、おう……」


「は!? なんで周人に!?」



吉原、一ノ瀬やめてくれ…… 伸一から敵意を感じてしまう。



「ほうら中村、渡井の邪魔すんじゃないの」


「そうそう、度が過ぎると芽依に嫌われちゃうよ?」


「え? 篠原に西条? あれ?」



なんか知らないが篠原と西条が伸一に構ってやってる。 どうなってんだ?



「周ちゃん早く投げちゃいなよ? ドーンッ!」


「うわッ!」



吉原が俺のボールを持っている手に自分の手を添えて押し出した。 そんなんだから見事にガーター……



「あー…… 残念! 周ちゃん」


「………… 残念にしたのはお前だろ」


「うん、なんかよくわかんないけど残念だったね……」


「え?」



気が付くと吉原に添えられた手の方に何やら感触が…… と思って見ると一ノ瀬が俺の手を握っていた。



「一ノ瀬…… 何これ?」


「あッ!! えっとこれは…… 空道! た、達人になっちゃったのかな? 手が勝手に吸い付くように……」



適当な事言って困ったようにこちらを見上げる一ノ瀬……



いやいや、困った顔したいのは俺なんだけど!? てかいつまで手を握ってるんだ?



「周ちゃん!」



吉原が何かムッとした顔でもう片方の俺の手を握った。 しかも吉原が握った瞬間一ノ瀬の握る手に更に力が入る。な、なんだよ、なんなんだよ……



「おーい! 芽依! そんなとこで3人で突っ立ってると邪魔よ、邪魔!」



そんな声を背中に受けた吉原はハッとして手を離す。 それと同時に一ノ瀬も手を離した。



「あ…… ええと…… ご、ごめんなさい! 周君、芽依ちゃん」


「サヤちゃん…… あ! ほら、邪魔にされるから戻ろう?」



吉原は俺と一ノ瀬の背中をグイグイ押して戻った。



なんか一瞬ピリッとした空気になったのは気のせいか? 気のせいだよな……





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