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「ってご馳走って弁当かよ」


「うん? 何を期待してたのかな周ちゃんは? 言っとくけどこのお弁当しっかり私の手作りよ」



俺と一緒にお昼を食べる事になり俺は売店に寄り、とりあえず誰も居なそうな美術室に俺と吉原は来た。



吉原は自分の弁当を俺に差し出した。 そして意地悪そうに吉原はニヤッと笑う。 まぁ別にこれはこれでご馳走してもらってるけどな。



てっきり親が出張中だから俺の家に押し掛けて来ると思った。



「別に何も…… ていうよりお前は俺に弁当あげちゃって何食べるんだよ?」


「周ちゃんが買ってきたパンでも頂くよ。 ちょうだい?」


「まぁそれでいいなら」



吉原の弁当を開けてみると結構野菜が多い。 こいつベジタリアンだったの?



「あちゃ〜! やっぱりそんな反応。 予想してました」



俺の顔を見て吉原が言う。



「衝動的に周ちゃんとお弁当食べようって思ったから作った時点では私が食べようって思ってたからさ。 野菜は結構好きなの、健康にいいし」


「まぁ野菜は大事だよな。 俺だと結構偏り過ぎてたから今は助かる」


「え? なんか予想外のフォローされた。 あははッ! あ、それ野菜の春巻きね、結構美味しいと思うから食べてみて」



勧められたので食べてみる。 本当だ、シャキシャキしてて美味しい。



「美味しい?」


「うん、美味しい」


「私って可愛い?」


「はぁ?」



全然何の脈略もない言葉が吉原から出てきた。



「ちぇッ、引っかからなかったかぁ。 つまんないの」


「引っかかるも何もいきなりなんだよ? てか可愛いから吉原ってモテてんだろ?」


「むー…… なんかその言い方だと他の人は可愛いと思ってても周ちゃんは別にそんな事思ってませんよ的に感じるんですけど?」



吉原は口を尖らせ少しムッとした感じになる。



まぁ吉原は可愛いって思ってるけどな。 素直に言うのは俺が恥ずかしいだけだ。



「てか私周ちゃんに何ムキになってんだろね? おかしいや」


「それ本人に聞くか? 確かにおかしいな。 ほら、吉原とかサッカー部の先輩あたりとお似合いじゃん?」


「もう〜! 周ちゃんまでやめてよね? 東堂先輩は確かにかっこいいと思うけど別に好きとかじゃないし」


「ふぅん。 吉原の好みねぇ」


「気になるの? 私の好み」


「いーや、別に。 俺に恋バナとかしてもつまんないぞ?」


「本当だ、1番盛り上がりそうな所でぶった切られた…… それに吉原になってるし」



いや、芽依って呼ぶのはあの時だけって言ってたろうに。



「俺が吉原を学校で名前呼んだらみんな変に思うだろうが」


「最初はそうだったとしてもそのうち慣れるでしょ? ほら、最近は私と周ちゃんとサヤちゃんって馴染んできてない? もう誰も気に留めないよ」


「まぁそのうちな」


「そのうちかぁ。 そのうちってのは呼びたくないって事なんだよ?」


「はいはい、とにかくそのうちな」


「むー……」



そんな話をしているうちに吉原の弁当を食べ終わった。 吉原の弁当箱は小さくて女ってよくこれで腹一杯になるよなと思う。



「ご馳走様。 ええっとありがとう」


「お粗末様でした。 今度は周ちゃん用に作ってあげようか?」



するとガラッと美術室のドアが開く。 ドアを見ると一ノ瀬が立っている。



「こ、これはお邪魔な所に…… し、失礼しました!」


「あ、待ってサヤちゃん!」



吉原は一ノ瀬を呼び止める。 相変わらずだな一ノ瀬。 ここに来たんなら何か取りに来たんだろ?



「サヤちゃん何か用事あってここに来たんでしょ?」


「んーとえーと…… な、なんでもないよ」



そう言って一ノ瀬は走り去っていった。 何しに来たんだあいつ……



「サヤちゃんどうしたんだろ?」


「いつもの意味不明な行動だろ? 」


「そうかなぁ? ひょっとして…… まぁいっか。 教室戻ろう?」



教室に戻ると一ノ瀬も戻っていた。 俺の顔を見ると珍しくエヘッと笑った。 なんだよ?




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