第5話 厳しさ
「貴方まさか………」
「そう、新しい組織を作る。」
「…………!」
今日何度目かの仰天。今日で一生分驚くのか、ってレベルで驚いているリュース。貴重だな。
「ないなら作る。常識だろ。」
リュースは最早二の句が告げないようだった。
「うむ、面白い、やってみせよ。」
「ボスッ⁈ 」
ヴァレスが動いた。これで大勢は決した。リュースがめちゃくちゃ狼狽しているが。
「新しい組織を作るとなれば相応の規模が必要であろう。幹部が人を出し合うとしよう。それとその組織の管理はドルエン、お前に任せる。」
ここで了承すれば、俺の勢力が一気に拡大するだろう。だが、それではゼノのリクエストに答えられない。
「俺では不適切だ。というより幹部全員が不適切だ。」
「ほう?何故だ?。」
"ゼノの要望だから"とは答えられない。出来るだけ自然に。
「今回の新組織は俺たち黒龍と全く別の組織であり関係ないと、外部の人、特に白虎と政府に思わせないといけない。だから黒龍に長く所属している人や、ある程度の地位にいる人は新組織に関わってはいけない。新組織はまだ黒龍の一員だと認識されていない新人だけで組織すべきだ。」
ドパンッ
銃声が響いた。
「白々しいんだよ、ドルエンよぉ〜。」
「何を…?」
ドルエンの腹が赤く滲んでいる。
「ネタは上がってんだ。出てこい。」
「なっ。ゼノ⁈」
「全部知っているんだよ、テメェがこいつに降ったのも含めて全部な。」
「ゼノお前…」
「すまない、しくじった。」
「はいはいそこまでね。2人とも終了の時間だよ。」
見れば、"処刑"の準備が粛々と進められている。
「でもゼノ、お前についたことは後悔して」
ドパンッ
「おおっと、そこまでだ。」
◇◇◇
結局、俺らに変えられるほど、世の中は甘くなかったようだ。ただの無謀。蛮勇だったってだけだ。
それでも、後悔は、ない。
無理矢理完結させました。駄文ですがご容赦下さい。