プロローグ
プロスフォラ。
それは身近に存在するもの。だれでも持っているもの。
それはあまりにも当たり前で、けれど忘れている人もいる。
子供の頃から分かっている人もいれば、一生分からない人もいる。
それにいつ気が付くか、それはその人次第だ。
それは一体何なのか俺はまだ知らない。
世の中は人と魔に分かれ、争い、殺し合い、蹂躙し、そして憎みあっていた。それは当たり前な事で誰の日常にも在るものだった。
理由は単純。見た目が違う。ただ、それだけ。
それだけの事で戦いが始まり、戦争で人が死に、憎悪が溜まっていった。今では事の始まりを覚えている者はおらず、常識として定着している。
だが共通の敵がいるからといって人間が一枚岩な訳でわない。戦うには力がいる。力は争いの火種だ。人間同士の争いも又、終わる時を知らない。
そんな世界の中、俺は何を成せるのか。
鍵となるのは「魔法」だ。意思の力で世界を変革する、どんな賢人にとっても不確定な力。
意思で世界を変える。そんな存在だから心で姿を変える。心の有り様は成長する環境で決まる。故に一族毎に使う魔法が異なる。
俺、ゼノに与えられた力は「死」。色々と面倒な条件があるが、強力な魔法だ。俺はいつも考えていることがある。なぜ俺は俺なのか。俺は何者なのか。なぜ俺にこんな力があたえられたのか。その答えはまだ、誰も知らない