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奈落の闇の中でも確かなモノ  作者: 杜若 白花
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 色々な注意事項を聴いてホームルームは終了し、本日は解散となった。

 席順はランダムに決められていて、私は窓側の一番後ろである。

 ちょっと嬉しい。

 一番前も嫌いではないが、目は悪くないから、一番後ろでも黒板は見られるし、後ろに人がいないのは気を使わなくても良いので安心だ。



 前の席が藤河さんだったのも嬉しい。


「あの、瑠迦ちゃん、って呼んで大丈夫?」


 藤河さんは何やら緊張している様子で、私の席の方を向いて言っている。


「別に大丈夫だよ。どうしたの?」


 不思議で訊いてみたら


「もしかして、偉い人なんじゃないかなと……」


 心配そうに答えてくれた。


「ああ、私はそんなに偉くないから、気にしないで」


 うん、家での私の立場なんて低いからね。


「ええ、そんなに、って偉いの、やっぱり!」


 何やら驚かせたらしい。

 伽儀理一族を知らない人と学校で会った事がないから、どう言ったら良いのか分からない。

 私の事も繰り上がりばかりだから、色々説明しなくても遠巻きにされるだけだったから、どうしたものか……



 そんな時、元気な声がした。


「瑠迦、一緒に寮まで行こう!」


 ポニーテールにした髪を揺らしながら幼馴染の砂羽が現れた。別のクラスのはずだが、ずかずかと元気よく入って来る。

 彼女はボーイッシュで背も高い、モデル体型の美人さんだ。正直羨ましい。


「あれ、お話し中?」


 藤河さんはビックリと固まっている。


「うん、あ、藤河さんも一緒に寮に行く?」


 停止状態から解凍されたらしく


「私も行って大丈夫?」


 朝の勇気はどこえやら、不安そうに訊いてきた。


「大丈夫だよ。砂羽、良いかな」


 安心出来るように微笑んでから、砂羽に事後承諾になって申し訳ないが訊いてみた。


「うん、平気。あれ、確かこのクラスの子って外部からの一般枠だったよね。それじゃ道すがら色々教えたげる。私も元は外部の人間だからさ」


 そう言って、笑って彼女に手を差し出す。


「私は城崎 砂羽(しろさき さわ)。よろしく!」


 慌てて立ち上がった藤河さんは


「あの、私は藤河 陽奈です。こちらこそよろしくお願いします」


 うん、どうやらまだ緊張中らしい。カチカチだ。



 そんな時、また新たに私を呼ぶ声がした。

 そちらを見ると、教室のドアから覗き込む様に、別のクラスである双子の弟の静と幼馴染の烈と悠真が立っていた。


「あ、砂羽か、なら一緒に送っていくよ。そちらは友達?」


 砂羽と藤河さんが握手しているのを見ながらそう言うのは、弟の(せい)

 我が弟ながら優美で大層な美少年である。身内の欲目を抜いても相当に容姿は整っていると思う。



 双子なのに身長格差がずるいと思っている。

 男だからだけでは絶対にない。男子の平均身長より結構高いのだ、この弟は。

 姉の私は女子の平均身長よりもかなり低いというのに、羨ましいのである。



 無言で首を傾げているのは、弟の静よりかなり背が高い上にエキゾチックな容貌の美形な、幼馴染の敷島 烈(しきしま れつ)

 この幼馴染も容姿がすこぶる整っている。そして無口な方だと思う。

 話をする時は随分顔を上に軌道修正しなければならないけれど、苦痛ではないし、大事な幼馴染だ。



 微笑んでいるのは弟の静と同じくらいの身長で、中性的な容姿の美少年の幼馴染で箕神 悠真(みのかみ ゆうま)

 常に笑顔を浮かべた穏和な幼馴染だ。



 三人が来た事で辺りは騒然となってしまった。

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