2話(開拓中、未完成)
「ルー………ん!…き……たよ…起………だ……!!」
途切れ途切れに声が聞こえる。起きているのに、起きられない。性格に言えば、起きているのに体が動かない。金縛りだろうか。今度は、話しているような声が聞こえる。例によって、途切れ途切れと。かなり焦ったが、どうしたら体が動くか冷静に考え始めた。すると、
「ス…パ……ール」
という詠唱らしき声と共に体が動くようになった。アテネが回復魔法をかけてくれたみたいだ。随分と体が軽く感じる。
「ありがとな、金縛りを解いてくれて。ここが、グリーネ… ん?」
「ルーザーさん、ここ...グリーネシアでは無いですよね。」
話始めてようやく気付いた。空は藍色で点々と光っていて夜空のようで、地面は目が周りそうな黄色と紫の幾何学模様が占めている。とても噂に聞いていたグリーネシアとは違う。
見渡す限り空と床しか見えな…くはない。黒い薙刀を持った長身の男が、門の前に立っている。
アテネはそれに気づくと同時に、男に向かって走っていく。
「おい!危ないぞ、戻ってこい」と忠告するが、チェレンもそちらに走っていく。人の話を聞く気が無いのだろうか。