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White⇔Red
一、
待ちに待ったバレンタイン。
今日こそは、手作りのチョコレートを渡すのだ。
学校への道は、昨晩降った雪で一面真っ白だった。
転んでチョコレートを割らないように気をつけながら、でも駆け足で学校へと急いだ。
二、
教室は一面、血で真っ赤に染まっていた。
もはや、そこに何人いたかさえ分からないほどに。
まただ。
私は肩を落とすこともなく、再び教室のゴミ箱へチョコレートを思い切り投げ入れる。
三、
目覚ましの音で、私は目が覚めた。
二月十四日。
何度目のバレンタインだろうか。
私はタイムリープを繰り返してしまっていた。
恐らく彼にチョコレートを渡せば、このタイムリープから解放されるに違いない。
今日も、私は忘れ物がないか鞄の中をチェックしてから、家を出た。
四、
バレンタインの日の朝、いつものように僕が教室で本を読んでいると、同じクラスの女子が僕を呼んだ。
チョコを渡され、告白をされた。
正直、僕の好みではない。
丁重に断ると、次の瞬間、彼女は鞄から大きな出刃包丁を取り出した。