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猫耳メイドは勇者の夢をみる―Brave Rune Online―  作者: 五月猫
第一章 ようこそBrave Rune Onlineの世界
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集団魔法

 ロリ……いや俺はふと思う。

 この世界はゲームのはずなのに、どこかNPCに自我があるような気がする。

 ここにいるフィールはその例に当てはまる。

 NPCとは普通は運営に決められた言葉を話しかけられた時に話すような存在なはず。

 俺が思っているイメージだが。

 ここにいるフィールはそのイメージとは違い自分から俺に話掛けたりしている。

 これが運営の差金で上手く茶番をされていると思うと腹が立つ。

 ただ今のところそんな雰囲気は感じない。

 もし感じたら魔法をぶっ放していた。


「なぁフィールが行きたい街ってのはどこだ?」

 

 徐ろにマップを表示させる。

 現在地はベールハウンドの森中腹だ。


「えーっとですね、あ、ここですよ!」


 何々、ネロリアの街……よしフィールを見捨てよう!

 俺はフィールの肩に手を掛けニコッっと笑いながら頷く。


「え、え、どうしました?」

 

 驚いている。

 

「あのなその街はやめておいたほうがいいぞ。治安が悪い」


 もちろん嘘だ。

 よく言うだろ嘘も方便ってな。

 

「そうなのですか、ではやめておきましょうか」


 純粋だな。

 俺の言葉を疑おうとしていない。

 これが普通だよな。


 いや待ておかしくないか?

 出会って一日しか立ってなくて一緒に夜を過ごした仲だけどさ、普通は疑うだろ。

 もしかして昨日夜襲ったりしなかったからこの人いい人でも思ってるのか? 

 どうなんだろうか。

 ただフィールは人を信用しやすい気がする。

 これから行動を共にする以上はそこら辺を少しずつ変えていかないといけない気がする。


「ここにしましょうよ! ルーデリアの街!」


 ここか……ん? ここホームタウンじゃないか! 


「ちょうど俺もそこに行く用事があるんだ。丁度いいな」

「そうなのですか。とても丁度いいですね!へへへ」


 何笑ってんだよ!

 若干中年の親父みたいな笑い方で背筋がゾッとする。


「それじゃあ……ヘルプ?」


 目の前にヘルプが表示された。


『02 パーティー募集


 プレイヤーはそれぞれパーティー募集をし、他のプレイヤーとパーティーを組むことが可能です』


 もしかしてフィールを誘えってことか? 

 まぁいいか、一緒のパーティーのほうが安全そうだしな。

 

 メニューを見るとパーティー募集が追加されている。

 募集を選択すると、付近のプレイヤーを検索と表示された。


『フィール・エルーシュア』


 フィールの名前が表示され、触れると参加させますかと出たのではいを選択する。

 それにしてもフィールってエル―シュアて名前だったのか、てっきりフィールだけしかないかと思っていた。


「宗一郎様、これはなんですか?」


 フィールの前に俺の名前のパーティーに参加しますかと表示があった。


「俺の仲間になるかどうか決めれる。参加したくなければいいえを選ぶんだな」

 

 今思い出す。

 前に他のゲームで募集を掛けたとき今と同じ事を言ってフレンドからブロックされたことを。

 しまったつい言ってしまったな。


「参加したくないなんてどこの下衆ですか。信じられませんこんな優し方の仲間になれますのに」

「そ、そうか」


 信頼が厚い。

 陽菜もだが、何故か俺のことを過剰に信頼する奴がいる気がする。

 それも嬉しい事ではあるが知っておいて欲しいのは裏切るかもしれないってことだ。

 俺は無いかも知れないが、他の奴にはあるかも知れない、特にフィールみたいに可愛いやつは上手く利用されて捨てられる可能性もある。

 あとで裏切りについて教えておこう。

 

『03 集団魔法について


 集団魔法とはパーティーに参加しているメンバーに自分が使う補助系等の魔法を全員に掛けることが出来ます。

 

 尚、無詠唱の場合は、連魔が使用不可となります』


 突然ヘルプが現れた。

 集団魔法について色々と書かれているが、これは便利だ。

 ただ連魔が使えないのは少し厳しいところではある。


『スキルツリーに新たな解放があります』


 さっきから忙しいな、今度はスキルツリーか。

 メニューを開きスキルツリーを確認すると、


『新たにスキルが解放されました。

 ・ルーンキュア

 ・ルーンエリクス

 ・ルーンテレポC3

 さらに、集団発動の「バイト」が開放されました』


 補助系と転送系の解放かそれに集団発動が解放と中々悪くない。

 だがルーンテレポC3ってなんだよ。

 効果を確認すると、


『転送可能なエリアを二箇所のみ確保出来ます』

 

 使えなっ。

 何これ効果使えなさすぎだろ。

 

「どうしたんですか? さきほどから険しい表情でしたが」

「あぁちょっと合ってな」


 仕方ない今は我慢しよういずれ上位の魔法が解放されるはずだ。

 あと気になるのはルーンエリクスだな。


「効果は状態異常の回復(弱)…………そ、そうだよな最初だからなこれが普通か」


 今回の解放で使えそうなのはルーンキュアと辛うじてルーンエリクスだな。


「フィール行くか」

「はい!」

「そうだ今から魔法を掛けるが、フィールはそういうの大丈夫か?」

「多分問題はありません」


 試しにバイトを使うことにする。


「ルーン・バイト・ファスト!」


 ステータスには問題なく移動速度上昇の効果が表示された。

 問題フィールだが大丈夫だろうか?

 初めて使ったとはいえ成功するとは決まったわけじゃないからな。

 下手に失敗して怪我をしたらこっちとしてはこれからの使用に悩む。

 横目でフィールを見るが特に変化はない。


「フィールどこか痛いか?」

「いえどこも以上はありません。ただ足が早くなった気がします!」


 よし成功か。

 一応これはこれからも使用させてもらおう。


「今日はルーデリアの一つ前の街、コルンまで行くぞ。なんかあったら俺にすぐ言えよ」

「心配症ですね大丈夫ですよ私は!」

「そうか、ならいいが」


 森のなかを駆け抜ける。

 走りながら後ろ確認する。

 フィールは楽しそうに走っている。

 

「フィールはそういえば最初出会ったときなんで俺に抱きついたんだ?」

 

 何となく聞いてみることにした。


「内緒です。宗一郎様が私の事を好きになってくださいましたら教えて差し上げます」

「じゃあ無理だな」

「諦めないでください! もう!」


 頬を膨らましてこっちを見ている。

 悪いが俺はロリは好きじゃない、もうちょっと成長してからなら考えてもいいが。

 他愛もない話をしていると、森の出口が見えた。


「このまま森を出るぞ」

「はい!」


 草原の隅に俺達は出たようだ。

 

「ゲホ、ゲホ……」


 フィールは咳き込んだ。


「大丈夫か? ここからは歩くか」

「すみません、お手を煩わせてしまい」

「気にするな」


 一応状態異常ではないと思うが、ルーンエリクスを掛けておいた。

 突然高速で移動したから呼吸が追いついていないんだろう。


 抜けた先の草原は、風が吹き草がユラユラと揺れている。

 なんとも落ち着く光景だ。

 それに気持ちがいい、眠くなってくる。


「フィールちょっと休むか。歩きっぱなしだと足が疲れるだろ?」

「ご迷惑かけて本当にすみません」

「大丈夫だ。俺はフィールとは違ってこれくらい慣れてるが、フィールはどうか知らんが、まだ子供だろ? なら疲れてるはずだ休むことも大事だぞ」

「子供じゃありません! でも宗一郎さまがそう仰るのであれば休ませて頂きます」

 

 フィールは草原の上に横になった。

 俺もそれに釣られて横のなる。

 日差しが温かくて気持ちがいい。

 たまにはこういうのも悪くない。

 それに俺も少なからず疲れていた、休みは大事だ。

 

 俺は気持ちが良いせいかつい寝てしまった。

 フィールもそれに釣られて寝たようだ。


 それから何時間立ったのだろうか俺は何かが唸る声で目を覚ました。



 


 

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