神奈川からの攻撃
時は2634年。日本は二度の高度経済成長を受け、
アメリカを上回るほどの好景気を迎えていた。
しかしある日、突如として神奈川が東京に向かって
武力攻撃を開始した。何の前触れもなく…
-8月23日 東京都庁第一本庁舎 7階特別会議室-
会議室は重苦しい空気に包まれている。
「西暦2634年8月22日に始まった武力攻撃。
通称 -神奈川事変-
本日はそれに関する緊急対策会議となります。
それではまずこちらをご覧ください。」
モニターに映し出されたのは、炎上する県境
――町田市の映像だった。
「――昨日15時、神奈川県が独自に組織した
超近代化特殊部隊『ハコネvermilion』を筆頭と
する混成軍が、境川を突破。
現在、町田市全域が占領下に置かれています」
会議室にどよめきが走る。
「ば、馬鹿な……! なぜ神奈川が!? 」
「あそこはアメリカを凌ぐ我が国の経済の要だ!」
「なぜ身内同士で銃を向け合う!?」
「……動機は、彼らが提出してきた
『最後通牒』 にあります」
演壇の男が画面を切り替えると、そこには神奈川県
知事の冷徹な宣戦布告文が踊っていた。
『我々は長年、東京による町田市の不法占拠、
ならびに肥大化するインバウンドの受け入れ拒否
および無策による周辺自治体へのシワ寄せに
耐え忍んできた。本日を以て、我々は実力行使に
よる町田の奪還、および傲慢なる東京の完全なる
経済的・物理的破滅を敢行する』
「インバウンド……だと……?」
出席者の一人が、呆然と呟いた。
経済大国となった日本、その中心である東京に
群がる億単位の外国人観光客。その対策を怠り、
観光公害を神奈川に押し付け続けたツケが、
2634年、最悪の軍事衝突として爆発したのだ。
「い、いくらなんでもこんなの、滅茶苦茶だ…!」
「くそッ!一体どうすれば…」
「こんなの…理不尽だ…。」
『しかし神奈川の言い分も、事実だ。』
会議室の奥から予想外の言葉が飛び出した。
「「や…山下都知事ッ!!」」
『町田の不法占拠もインバウンドの件も…』
『全て…事実だろ…?違うか?』
「し、しかし正当な理由があってでもこれは…」
『やかましい!!』
ざわめいていた会議室が、静まり返った…
『とにかく今は対策を急がねばならん!』
「しかしどうしろと言うのですか…!」
『…徹底抗戦だ。』
静かに、低く恐ろしい声で言った。
「「なっ!戦うというのですか!?」」
「しかしそれでは反戦国としてのなんたるかが…」
『なんたるかと帝都の存続…どっちが重要か…?』
「そ…それは…」
『わかったら今すぐ行動だ!!直ちに防衛省に
連絡を取れ!!町田はもう諦めろ!!多摩川沿い
に防衛線を張れ!なんとかして帝都を守り抜き、
神奈川を制圧するのだ!!!』
「「り…了解しましたッ!!!」」
良ければブックマークなどお願いします!!!!!!!!!!!評価もお願いします!!!!!!!!!!!!!!




