34話 俺と旅行計画と散髪
遅れてしまって申し訳ない…
編集してた文章を間違って消してしまい、落ち込んでたり、1から書き直したりしたら1月終わってしまった…
正月には新年一発目の更新したかった…
と、言うわけで、2月ですが2015年最初の更新です。
「え?旅行?」
「うん!家の別荘を皆で使って良いって言ってたから。せっかくの夏休みなんだから、海くらい行こうよ」
鈴鳴家のリビングにて、猫子がそう言った。
夏休みも中盤まで来て、退屈な日々が続くような気分になってきたところの出来事だ。
「うん、悪くない…なぁ、文月、海だぞ!」
「きゅぅん!!」
俺はソファーに寝転がりながら、文月を抱えあげ。文月と海を泳ぐところを想像する。
きっと楽しいだろうなぁ。
文月を床におろすと、そのまま誘波と遊び始めた。
「皆も呼んで、ね!」
「…ん?あれ?お前の事だから、二人っきりとか言うのかと思ったぜ」
「どうせそう言っても…レオは絶対付いてくるだろうし…」
そう言う猫子は若干落ち込み気味だ。
レオはと言うと、宿題をやるために一旦自分の家に戻っているが、数日で戻ってくるという。
「それならいっそ、皆呼ぼうかなって」
「ふぅん」
俺は皆で海に行くことを想像した。
猫子、巳茶、進、星名……後は、結菜先輩に鼠須、それと猫子の弟…かな。
そして、最後に浮かんだのは、光だった。
(光の水着……か…………)
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………光の………………水着………………………………………………………」
ビュウ!!!ボスッ!!
顔の横で何かが掠めたと思ったら…猫子の手だった。
「ねぇ…丈…誰ぇ?光ってぇ…………」
「(声にならない悲鳴)」
「クスクスクスクス……あぁ~そっか…私の邪魔をするいけない害虫ね…」
「ね…猫子…?落ち着け……女の子が他の子を害虫なんて呼んじゃだめだぞ…?」
「アッハハァ!そっかぁ!!その女が私の邪魔をしてたのかぁ!!」
「うおおオオオオオオ!?猫子ォ!?女の子がしちゃダメな表情してるぞ!?」
「じゃぁ私がその女を消さないと…丈の愛を勝ち取れないよねぇ…ニャハァ~…」
ヤバイコイツ…!!どうにかしないと!!
俺はゆっくり猫子のアゴに手を伸ばし…
「ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ」
アゴをゴロゴロした。
「うにゃぁぁぁぁん~~」
「落ち着け、光は、バイトの先輩だ。いつもお世話になってる人なんだ」
「にゃぁぁぁぁぁぁぁ~…わ、わかったぁぁぁぁ~…」
「なら良し」
恍惚とする猫子の顔を見てると、急に猫子の表情が変わった。
「どうした?」
「うわぁ~、丈君…髪長いねぇ」
「ん?あぁ、最近切ってないからな。3ヶ月くらい切ってないかな」
猫子は手ぐしで髪をとかすように俺の髪を触った。
「それに…あぁ、何て……硬くて…太ぉい……」
「変な声を出すな、変な声を。でもこの硬い髪質のせいで、色々と苦労したもんだよ…」
「苦労なんてあるの?私は直毛がうらやましいけど…」
「ワックスつけても立たねぇし、建っても5分で元通りになるし。髪伸びたらヘルメットみたいになるし…」
「確かに今の髪、ヘルメットみたい」
「そろそろ切り時かなぁ…でも金もあんまりないし…来月でも良いかなぁ」
すると猫子は、良い事思いついた!! みたいな顔をした。
「じゃぁ、私が丈君の髪を切ってあげる。これでも、学やレオの髪も切ったことあるんだから」
「断る。餅は餅屋だ」
「それは…専門家に任せたほうが確かだけど…」
猫子はそれでも少し名残惜しそうに髪を触った。
「話は聞かせてもらったわ!!」
そこに、猫子のお母さんである、学美さんが飛び込んできた。
「私に任せなさい、私が丈君の髪を切ってあげるわ!」
「え?学美さんが…?」
「これでも私、美容師免許も取得してるのよ!」
「つまり、プロって事か…」
「ほら、善は急げ!」
「え?ちょ!!学美さん!?」
「さぁさぁ、丈!行きましょう!!」
「猫子も!?」
猫子の暴走気質は、学美さん譲りだったか…
それから、学美さんの運転する車に乗せられ10分ほど、着いたのは美容院だった。
「ここ、お父さんが経営する会社の系列店なの。私の顔もちゃんと利くんだから」
学美さんが入ると、美容院の中は静まり返り、一斉に
「おはようございます!!」
と挨拶が飛んできた。
「台一つ借りるわよ?」
「はい!どうぞお使いください!!」
「丈、こっちいらっしゃい」
「あ…はい」
文月を猫子に預け、学美さんの元に向かう。
ん?
今、呼び捨てにならなかったか?
学美さんは髪を後ろで縛り、ポニーテールにした。
そして、美容師がつけているエプロンを着け、はさみや霧吹きなどが入ってるウェストポーチを腰に巻いた。
眼鏡を変えて、目つきも少し切れ目になった。
その学美さんは…まるで別人だった…前まではポワポワおっとりした感じの見た目だったが、急にキリっとして、カッコいいという言葉がとても似合う女性になった。
「さて…私に任せなさい…」
「は…はい…」
その声に反射的に背筋が伸びた。
まずは髪をシャワーでさっと濡らしてからカットに移る。
ジョキ…ジョキ…チョキチョキチョキ
学美さんは一切の迷い無く、自分の頭の中ですでにイメージが出来てるのか、どんどん俺の髪にクシとハサミを通した。
髪を切られる感覚と音が心地よく響く。
学美さんの目は真剣で、少し怖いくらいだった。
それほどまでの眼差しだ。
「丈、あまり動かないで…」
「は…はい」
何か、母親と接する時間が短かったせいか、学美さんに呼び捨てで呼ばれると…なんだか嬉しくもあり、くすぐったくもあり、恥ずかしくもあった。
「猫子、いらっしゃい」
「はい」
「え?」
振り返ると、学美さんと同じように髪を縛り、ウェストポーチをつけた猫子が立っている。
「やってみなさい、慎重に」
「はい…」
どうやら、猫子がやってみるようだが…大丈夫なんだろうか…
レオや学の髪を切ったことがあると言ってたが。
「丈君、じっとしててね」
「うん」
チョキ…チョキチョキ…チョキ
猫子は遠慮気味にハサミを入れていく。
俺の髪をよく見ながら、触って確かめ、無駄なところは切っていく。
髪を書き上げた猫子の細い指が俺の首筋をくすぐり、むずがゆい。
チョキチョキチョキチョキ…
チョキチョキチョキチョキ…
段々と整えて行き、ずいぶんとさっぱりしてきた。
猫子は軽くため息をつくと、学美さんと交代した。
「ふぅ…」
「良くがんばったわね。上手く出来たじゃない」
「ううん、まだまだ…もっと上手くなって、一人でも出来るようにならないと」
「うふふ…さて、仕上げるわよ」
最後は学美さんが細かいところを切りそろえる
「あ…」
「え?」
何か…ミスしたのか…?
「耳に切った髪が入っちゃった…じっとしてて」
学美さんはそう言うと、耳かきを取り出した。
「ひゃっ!!」
ななななななななな…何だ!?
自分でするのとは全く違う!?
何だか普通にするより、気持ち良い…
「丈の耳って、湿った方なのね…。猫子〜、丈の耳は湿った方だから、買うなら綿棒よ〜」
「買うなら綿棒…っと」
「おい、それは何のメモだ何の…」
その後学美さんはあっと言う間に髪を切り揃え、終わらせた。
「おぉ…ずいぶんさっぱりした……ってか…これ、俺の頭か…?」
自分の変わりように少し驚く。
髪型を変えるだけでこんなに印象が違うのか…
「ほら、文月ちゃんも終わったみたい」
「え!?いつの間に…」
文月は隣のトリマーで毛を短く切りそろえていた。
さっぱりして嬉しいのか、文月は楽しそうに跳ねていた。
「切りたくなったらいつでも言いなさい。私がタダで切ってあげるから」
「あ、ありがとうございます…」
そこで学美さんは、凄い事を言い放った。
「未来の婿のためですもの」
「「ブホッ!!」」
俺と猫子が同時に咽た。
「ちょ!!お母さん!?」
「何言ってるんですか!?まままま、まだそんな歳じゃ…!?」
「あら?じゃぁ結婚しない?」
「え、えぇぇ~、そういう訳じゃぁ、なぁいけどぉ…」
「クネクネすんな!!いや!!結婚したくないわけじゃ無いよ!?むしろ……じゃなくて!まだ結婚なんて歳でもないし!!まだ早いッスよ!!」
「あれあれ〜、顔真っ赤よ〜、それに…まんざらでもなかったみたいだけど?」
「え、いや……お、俺には文月がいますから!!」
「なら文月ちゃんとも結婚しちゃいなさいよ」
「ななななな!!何言ってるんッスか!!ここここんな人前で…!ふっふづ、文月とけけけけ結婚だなんて…!!」
「さっきより顔真っ赤…なぁんか私より動揺してにゃい…?」
「ななっ何言っとるか君は!!」
この後しばらくいじられ続けた…
続く!!




