29話 俺と朝日と起床
2014年最初の更新です!!
もっと早く更新しようと思ったんですが、新年早々パソコンが壊れ、修理に出し、なんてしてたら編集もできず…気付けば2月…
考えてたのをあっという間に書き上げたので、文章が少し変だったり、あんまり面白くないかもしれません…
次話は早めに更新しようと思います。
時間ができたら今話も少し編集していきます。
「あ…暑い…」
結局あの後、抵抗してるうちに寝てしまい…今は朝だ。
隣を見ると猫子がまだ寝ている。文月もだ。
俺は手探りでベット側の机から鍵を探し、手錠を外した。
時計を見るとすでに10時だ。
「うぅ…とりあえずトイレ…」
起き上がり部屋を出たところで、学美さんと鉢合わせた。
「あら、おはよう。丈君」
「あ、お…おはようございます」
「あらあら、すごい汗ね、シャワー浴びてきたら?」
「それじゃ、お言葉に甘えて」
「あ、これお着替えね」
「あ……はい…」
何で…俺の着替えがあらかじめ用意されてるんだ…?
猫子がそろえたのか?
俺は着替えを受け取り、用をたしてから風呂場に向かった。
「ふぅ…とりあえず、さっぱりしてから…」
ガチャ
「!!」
「あっ」
風呂場のドアを開けると、半裸の男の子がいた。
髪がまだぬれている。
「えっと…学…だっけ?」
「あ…あう…にゃは…」
「?」
「にゃにゃにゃ!?にゃんだよぉ!!見るな!見るな!!」
「お、おう…すまん…。でも男同士なんだからそんなに驚かなくても…」
「お…男……同士…!!」
学は少し小さめの背で、黒いくしゃくしゃの髪に猫子と同じように眼鏡をかけている。
その顔を真っ赤にして体を隠すようにして立っている。
「んじゃ、シャワー借りるぞ」
「にゃはああああ!?《ブシャァァァァァ!!》」
俺がパジャマを脱ぎ始めると、学はさらに顔を赤くして鼻血を噴出した。
「うわ!?どうした!?」
「にゃんでもない!!」
そう言うと学は風呂場から出て行った。
「何だったんだ…?」
シャワーを浴び終えて、着替える。
白いシャツに水色のカッターシャツ、青い短ジーパンという涼しげな服装だ。
軽く着られる服を選ぶ俺としてはありがたいチョイスだ。
「…なんで俺がこういう服好きだって知ってるんだ…」
着替え終えてから猫子の部屋に戻ると、まだ猫子は寝ていた。
鴉の濡れ羽のような黒髪が朝日で輝き、静かな寝息に吹かれ顔の周りで踊っている。
日に背を向けて丸くなる姿は、猫そのものの様だ。
そしてその猫子が着ている…
「すぅ…すぅ…」
ボンテージが朝日にいやらしく輝いている…。
「はぁ…なんで俺コイツと付き合ってるのか…時々わからなくなる…」
「きゅうん」
「あ、文月、おきてたのか」
ベットから降りた文月を抱き上げて、猫子を起こしに行く。
「猫子、朝だぞ~」
「んぅ~…朝ぁ…?」
「そうだ」
「ウフフ…丈君のお寝坊さん…」
「お前だバカ(ぺしっ)」
「にゃん…」
寝ぼける猫子の頭を軽く叩き、目を覚ます。
眼鏡もネコ耳もつけてない状態の猫子だ。
昨日の夜中は途中でネコ耳を装着して襲い掛かってきたが、今そのネコ耳はベットの上に放り投げられている。
「ん~~…、おはよ…丈君」
「あ、うん、おはよう」
さっきの学美さんの時にも感じたが、寝起きの挨拶という、何でも無い会話でも新鮮味を感じる。
ちょっとくすぐったい気分だ。
「コレでその服じゃなければ…」
「んにゃん…?」
「ほら、さっさと着替えろ、俺は部屋の外で待ってるから」
俺は文月を抱っこしたまま立ち上がり、部屋を出た。
「ふぅ、さて、レオも起こしに行くか」
だが、いざ向かうとなると、部屋がわからなかった。
猫子の家は広い上に部屋の数も多い、2階だけで部屋が6つもある。
それに広さもかなりの物だ。
「確か…3階は仕事部屋だとか行ってたから…レオの部屋も2階か?」
しらみつぶしにするしかないと思い、俺は階段に一番近いドアの前に立った。
開けると中は…
「あ」
「!?」
学の部屋だった…
開けた一瞬、俺と学は固まり、その後…
俺の視界が一回転した。
「ぐふぅ!?」
「はぁ…はぁ…」
背中に激痛が走る。
倒れてる俺、のしかかる学
背負い投げされ、組み伏せられたとわかった。
「痛ッ…いきなりなんだよ!?ノックしなかったのは悪かったけど…!!」
「くく…くくくく…」
「?」
「はぁぁぁ、キミが悪いんだよぉ、いきなり入ってくるからぁ」
「(ゾクッ!!)」
学の顔は高揚し、その目は危なくなっている。
猫子の時と一緒だ!これはヤバイ!!
「ムホォ…ちょっと細いけど…悪く無いかもぉ、にゃふうん」
「うわ!?何だよ!!キショ!!」
学は俺の胸に顔をうずめてきた。
「はぁ…はぁ…男の体…漢の体ぁ!!ウエッヘッヘ…ぶおぉぉぉぉ(歓喜)」
「イヤアアアアア!!行け!!文月!!」
「きゅうん!!」
「うわぁぁぁぁぁっあぁぁぁ!!!」
文月の尻尾が学の顔面に直撃!!
その衝撃で眼鏡が吹き飛ぶ。
「目が…目がぁぁぁぁ!!」
「滅びの呪文!?」
とにかく俺は学を押しどけて、這い出し逃げようとする。
「何処に行こうと言うのかね!!待ちたまえ、いい子だから!」
「テメェは何処の大佐だ!!」
学は一瞬で俺の目の前に移動し、俺を部屋から出さないようにしている。
バスケットボールのディフェンスのようだ。
しかもちゃんと眼鏡かけなおしてる。
「もう一回だ文月!」
「きゅん!!」
「あぁ!!空からキツネが!!」
文月はジャンプし、学の顔に着地して、そこからさらにジャンプして俺の方に戻ってきた。
その瞬間、眼鏡をくわえて来た。
「ふゅん」
「よくやった文月!さすが俺の妹!!」
「目が…目がぁぁぁぁ!!」
何とか学の部屋から脱出する事に成功した。
学の眼鏡をドアに引っ掛けてから俺はそこを離れた。
次こそはレオの部屋に行くぞ…。
ちゃんとノックしてから部屋を開けること3回。
他の部屋は学美さんの部屋
お父さんの部屋
2人の寝室
猫子の部屋は飛ばしたから、次が最後の部屋だ。
開けると、猫子のベットと負けないくらいの大きさのベットに、これまた白いレオがグッスリ眠ってる。
さすがに寝るときは外してるみたいで、枕元には白いネコ耳が置いてある。
近寄ると、レオの静かな寝息が聞こえる。
「すぅ…すぅ…んゅ…」
「ヤバ…メチャクチャ可愛いな…」
猫子の髪が鴉の濡れ羽なら、レオの髪は差し詰め、白鳥の濡れ羽と言うべきか。
朝日に輝いて、その髪はまるで銀細工の様に輝いてる。
布団は暑くなって蹴飛ばしたのか床に落ちていて、ベットの真ん中で丸くなって寝ている。
その姿は猫子と同じで、本物の猫みたいだ。
「ほら、レオ、起きろ」
頭を強く撫でて揺する。
「んやぁ…にゅん…(かぷ)」
「……」
レオは寝ぼけて俺の指をくわえた。
「(ちゅうちゅう)」
「起きろレオ」
くわえた指を吸い始めるが、まだ起きない。
無意識なのか?
可愛いな…チクショウ
「ほら、早くおき痛い痛い痛い痛い痛い痛いイタタタタタ!!!!」
「(ガジガジ)」
レオは寝ぼけて俺の指をかじりだした。
よりによって八重歯で。
「離せこのバカ!!(バシッ)」
「うにゃん…」
レオの頭を叩き何とか指を離す。
少しむずがってからレオがようやく起きた。
「んぅ~、じょぉ~…おはぁよぉ~~…」
「うん、おはよう」
大きなあくびをしてからレオは「にゃはは」と笑った。
八重歯が光っている
「さて、猫子は着替え終わったかな?」
レオみたいに普通のパジャマならまだしも…ボンデージのままなわけにいかないからな。
もう一度レオの頭を撫でてから立ち上がり、猫子の部屋まで戻ってきた。
「猫子、着替え終わったか……ん?」
「すぅ…すぅ…」
なんと猫子は二度寝していた。
着替え終わってはいるが、髪がまだ乱れている。
「ほら、猫子起きろ~」
「(かぷっ)」
「……」
あ、今半目開けた…
寝たフリかこいつ…
猫子は俺の指をくわえ、舐め続けている。
「……」
「(ペロペロペロペロ)」
「はぁ…はいはい、お前も可愛いぞ」
「んにゅふぅ〜」
反対の手で猫子を撫で、猫子を満足させる。
どうやらさっきのレオとの会話が聞こえてたみたいだな。
「きゅうん、きゅうん」
「お前もかよ…はいはい…」
ベッドに降りた文月が俺の手に擦り寄ってくる。
猫子に指をくわえさせたまま、反対の手で文月を撫でる。
まったく、朝から可愛いな…
続く