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24話 俺とテストと結果

しばらく更新してなかったです。ゴメンなさい。



楽しい事とか色々あってなかなか書けなかったもので。


次はできる限り速く更新します。

今日は中間テスト当日だ…。

猫子に勉強教えてもらって、合格平均点を越える今までに無い自信がある……


だが…


一緒に不安も…ある。

もし…クラスの平均点を越えたら…。





―数日前―

図書室で勉強を教えてもらってる時の猫子との会話。



「基礎が出来て無いから…英語の方はいきなり文章読むのは厳しいわね…単語だけで勝負かなぁ」


「うん…中学の時は荒れてたから……スマン」


「まぁ、いくらか単語がわかれば、軽く文章もわかるようになるから、解かりそうな文章問題は頑張ってみて」


「うん、なるべくやってみるよ」


「でも、コレまで教えた事をテストで生かせば平均は越えるはずよ」


「それなら、まぁ安心だな」


「それじゃぁ…もしぃ、平均越えなかったらぁ…」


「(ゾクッ)な…何だ?」


「にゃはぁ〜ん…オシオキしてぇ、私じゃなきゃダメな身体にしてあげるにゃぁ」


「怖え!?今までに無いくらいの恐怖を今感じてるぞ俺は!!」


「まずぅ、生爪剥がしてぇ…」


「女の子が生爪剥がすとか言うな!こうなったらクラス平均だって越えてやる!」


「クラス平均越えたらぁ…ご褒美に溢れる私の愛を注いで…私じゃなきゃ…」


「全力で合格平均取りに行かせてもらいます!だからそのロープをしまえ!!」





(大丈夫…クラス平均越えないくらいに頑張れば良いんだ…大丈夫…赤点じゃなきゃ良いんだ…大丈夫…大丈夫…!!)


暑い夏の日差しを感じながら、寒気と共に冷や汗を流す俺だった…。


晴天高校のテストは、30点以下が赤点になる。

そして、クラス平均は生徒が受けるテストを合計して、その平均をクラスごとに計算する。

猫子に聞いた、前年度の期末テストのクラス平均が70点弱だったらしい。


つまり…少なくとも平均点30点以上、そして70点以下を出さないと…


「俺の人生が死ぬ…」


膝に乗せてるカバンの中で文月がもぞもぞ動くのがわかった。

俺はカバンを少し開けて、文月を撫でた。


「大丈夫だよね…文月…。落ち着けば大丈夫だよね…」

「きゅわぁぁ〜…んふ」


文月は大きなアクビをした…




ついにチャイムが鳴り、テストが開始された。


国語

問、次のことわざの空欄にただしい語句を入れ、正しいことわざを完成させなさい。


意味"小さな力でも根気よく続ければ成功する"

『雨垂れ(   )』


意味"好きな事に関してとても上手であること"

『好きこそ(   )』



(これなら解かる…)



世界史


問、四大悲劇と呼ばれるシェイクスピアの戯曲を全て挙げなさい。


(1   )

(2   )

(3   )

(4   )



(うん、コレも行ける…、大丈夫そうだな)


その時、視界の隅に何かを捕らえた。


(何だ?)


クラスの半分も、そこに目を奪われていた。

試験官を勤める先生は、自分の科目の採点に忙しくて気付いてないみたいだ。


皆が何に気を取られているのか…それは…。



(ね…猫子…)


皆、猫子に目を奪われていた。

確かに、テスト中でもネコミミをつけてる人は珍しいが…猫子なら当たり前につけている…。

いや、そんな事じゃない…なんで皆が猫子に目を奪われているか…それは…






「……(ピコピコ)」


ネコミミがピコピコと動いているからだ…。

あれは確かカチューシャ型のネコミミのはずだ…動く訳が無い…。


だが、猫子のネコミミは確かに動いている…。


「……(ピコ…ピコ…)」


まるで本物みたいに…。

き…気になる…。




(!!)


なるほど…解かったぞ…。コレは猫子の作戦だ!!

どうやってるかわからないが…ネコミミに注意を行かせて、テストに集中出来なくさせる作戦だ。


(甘い…そんなもの、見なければ大丈…)


「…(ピコピコピコピコピコピコ!)」


メッチャ動いてるぅぅぅーーー!!

何かスゲェ喜んでるみたい!


「……(シュン…)」


垂れたぁぁぁぁ!!ネコミミが垂れたぁぁぁぁ!!

どうやってるのアレ!!ってか何で垂れた!?何か落ち込む事でもあったのか…。


(イヤイヤイヤイヤイヤ!!!落ち着け…今はテストに集中だ…視界から外せ…)


「……(ピコンッ!))


(無理だぁぁぁぁぁ…視界から外せるわけがねぇぇぇ…)


俺の席は窓側、最後尾にあり、猫子の席はその列の一番前になる。

だからテスト用紙に目を落としても、かろうじて猫子の姿が視界に入る…。

テスト用紙に目を落とさなきゃテストが出来ない…。


こ…コレは…猫子のやつめ…そうまでして俺に平均以下を取らせたいか…。

負けてたまるかぁぁぁ!!

俺の人生のため!守れ貞操!テストに集中だあああ!!





こうして問題(テスト問題では無く、テスト中に降りかかる猫子の作戦)を次々とクリアして行き、テスト週間はあっという間に終わった。

テスト週間の間も猫子に勉強を教わりながらすごし、万全の体制でテストに集中できた。


でも、どうしてもネコミミが動く仕組みは教えてくれない。


だが、どうやら猫子は勉強の時は本当に真面目なようだ。

根は良い子と言うか、真面目すぎると言うか、遊びと勉強の両立が出来てるってことだな。


遊びってレベル超えるとこはあるけど…


その日の分の勉強が終わると俺に手を出し始めて来るし…。



ともあれ、無事にテスト習慣を終えた俺は、テストが帰って来るまでの数日を有意義にすごした。


放課後になれば文月をカバンから出してやって、先生に見つからないように自由にさせたり遊んだり、本を読んだり、進達とゆっくり話しをしたり。


進や星名とは、まだ多くの話はしていない。

向こうも気遣いから少し間隔をあけてるのだろう。

俺にとってそれはありがたくも有り、申し訳なくもあった。


俺と進の間に出来た傷は、それほどまでに深い…仲がよかったからこそ、出来た傷は大きい。


でも、今は傷も塞がって、俺も前を向けるようになった。


「それも、全部お前のおかげなんだぞ」

「きゅうん?」


机の上で座ってる文月を撫でながら言った。


「フフ、可愛いぞ、文月ぃ」

「きゅ~ん」



ちなみに、教室にはもちろんクラスメイトも全員居る。そんな状態でも文月をカバンから出しても皆騒がないのは、なんと紅巳茶のおかげだった。


どうもアイツは、このクラスの全員と仲が良く、皆に色々説明してくれたみたいだ。

まぁもちろんほとんどが興味本意から文月に近づきたがっているが、あまり自分から近づく人は居なかった。

猫子や巳茶の知り合いの知り合い数人は文月を撫でたりしたが、それだけだった。


何故巳茶が文月の事を知ってるのかは、もちろん猫子から聞いたのだ。

どうやら猫子は、巳茶に対して口が軽いみたいだ。今となっちゃ、別にいいけど。


そういう事もあり、文月もすっかりクラスの一員のようになっていた。



そして運命のテスト返還日。


結果は…


現代国語:52点

数学:43点

英語:41点

世界史:62点

科学:37点

保健体育:92点


平均点:54.5点

クラス平均:57点



見事合格平均を越えた。

各テストのクラス平均も越えてない…


「た…助かった…」


机に突っ伏して安堵してると、猫子がやってきた。


「結果はどうかなぁ?」

「はい、見てみろ」


ニヤニヤしながら俺の点数票を見た猫子は少しつまらなそうに、だけど笑いながら言った。


「……うん、大丈夫だね」

「お前はどうなんだ?」

「はい」


猫子の点数はやっぱり高かった。

現国と数学と英語は100点を取っていた。


「なるほど、さすが猫子って所だな。スゲェ点数だな」

「まぁ~、それは丈の恋人だから~」

「ん?どういう意味だ?」


俺の勉強に付き合わせちゃったんだから、むしろ点数は低くなると思ったけど。


「テスト問題読んでると、丈君と勉強してたところが思い出されてぇ~、凄く興奮しちゃったぁ」

「あぁ、そうですか」


なるほど、さすが猫子って所だな…


「文章問題が、丈の溜息を思い出させてぇ…。数式が、丈の汗の匂い思い出させて…」

「もういい、聞きたくないわ、んなもん」

「一番は英文が、丈の開いたシャツから見えたチク…」

「言わなくていいわ!!」


本当にコイツは暴走すると怖い!!


我が身の貞操の危機!!



「まぁでも、感謝してるぜ。こんな点数取ったの初めてだ」


「勉強ならいつでも言って、私がいつでも教えて あ・げ・る 」


「そん時はよろしくたのむ」


「保健体育も…実技で教えて…」


「いや!ダメだからな!!そういうのは互いの了承を得てだな…!」


「それなら大丈夫!私はいつでも大丈夫だから!!」


「俺がダメなんだよ!?」


「何がダメ…なの…?」


あ…スイッチが入った目になった…。


「もしかしてぇ…私じゃダメでぇ…他の人がいいのぉ…?」


「い…いや…!!違うぞ!!」


「ハァ…もう、丈ったら…オシオキしてあげなきゃわかんにゃいのかにゃぁ…」


「ロープなんか学校に持って…イヤアアアアアアアアアアアア!!!」




数十分後、文月が起きるまで、猫子とのロープデスマッチは続いた。


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