21話 俺と猫子の先輩
12月…今年もいろいろありましたね〜
人気が出始めたり、アクセス数が1万人を達成したり、青空は幸せです。
それでは最新話、お楽しみください!!
帰り道、猫子と手を繋いで歩き、文月はカバンから出て頭に乗っている。
「文月ちゃん、落ちないの?」
「大丈夫、しょっちゅう乗ってるから」
頭の上でくつろいでいる文月を撫でながら答えた。
「よっぽど丈君が好きなんだね〜」
「重くて暑いけど、俺も文月のこと大好きだから悪い気はしないな」
「にゃふふ〜、私も丈にくっつく〜」
「ヤメロ、暑い」
「…」
猫子の目がスゥ…と眼鏡の奥であの[危ない目]になった。
「にゃふふ〜…別にいいもん〜…。このまま丈をお家にお持ち帰りして〜、私がいにゃきゃダメな心にしてあげてもいいんだよ〜…」
「手繋いでやるから、それで我慢しろ」
「嫌にゃ〜」
「……はぁ」
俺は繋いでる手を、さらに指を絡ませた。
「にゃ!?」
そして指をもぞもぞと動かし、手をもんだ。
「うにゃぁぁぁ〜〜〜…」
「満足したか?」
「はぁはぁ…うん…はぁ〜…」
トロンとして息も荒くなってる。
(はっきり言って…軽く怖い…)
だが口には出さない。
出したら何されるやら…。
その時、文月が急に頭から降りて、前を歩き出した。
「どうした?文月?」
文月は俺の横をぴったりくっ付いて歩きだした。
「歩きたかったのか」
「じゃぁ今度は私が丈君の上に…」
「肩車しながら歩けってのか!?」
絶対におかしいだろ。肩車をするだけ、ならまだしも、それで歩くのは絶対に変だ。
周りからどんな目で見られるやら…スゲェ嫌だ。
「大丈夫、私軽いから」
「いや!そういう問題じゃねぇよ!?」
「体重じゃなくて、心よ?」
「余計に嫌だぁぁ!!」
最近、俺がツッコミ役になってる気がする…。
「それじゃ頭?」
「確かにお前の頭は一つの事で軽そうだな」
「そんな事ないわよ。コレでも色々考えてて頭いっぱいなのよ」
「そうかい。てっきり俺だけしか無いかと…」
「丈の事考えすぎて、これ以上つめたら溢れちゃいそうなんだもん…」
「…」
嬉しいじゃねぇか。
しばらく歩いてると、曲がり角のところで声を掛けられた。
「あ、猫子ちゃん」
「あ…先輩!」
「先輩?」
ショートヘアにカチューシャを着けて、おでこを出した活発そうな女学生がそこにいた。
制服を見ると、リボンの色が黄色だ。
晴天高校は、学年別にそれぞれの色がある。1年生は青、2年生は赤、3年生は黄色と分かれている。
男子はネクタイに、女子は制服のリボンにその色が使われている。
「猫子ちゃん、今帰るの?」
「ハイ、先輩もですか?」
「ううん、私はこの子のお散歩」
手にはリードが握られ、その先には犬がいた。
ゴールデンレトリバー、とかいう種類の犬だ。
「リアンちゃん…でしたっけ?」
「うん、リアン。可愛いでしょ~?」
リアンと呼ばれた犬は「ワン!」と鳴き、文月に近づいた。
「きゅ…きゅきゅきゅ~ん!!」
文月は驚いて俺の身体をよじ登って肩まで上がった。
「よしよし、大丈夫だよ」
「あっ!ゴメン!コラ、リアン!」
「ワウ!」
リアンは尻尾をパタパタと振ってその場に伏せた。
(猫子の知り合いなら、俺は離れたほうがいいかな。生活態度を変えると決めたが、まだ俺の印象が変わったわけじゃない。猫子に変な噂をつけないように、ここは離れるか)
…もう変な噂ついてるか…?
「あれ?もしかして、その人って猫子ちゃんの彼氏さん?」
「あ…ハァイ、私のぉ、彼氏のぉ、丈君でぇす」
猫子は突然クネクネしだし、変な声色で俺を紹介した。
「気色悪い声出すな、普通に言え普通に!」
「同じクラスで、最近付き合い始めた川野 丈君です。丈君、この人は私の先輩の犬飼 結菜先輩」
「鈴鳴猫子…犬飼結菜……猫に犬って…なんか面白いな」
「結菜先輩は、可憐で清楚で…皆の憧れなんだよ~」
「憧れって、それほどでもないよ~」
でも確かに、凄い美人だ。
髪型はショートに普通のカチューシャを着けておでこを出している。
身長は猫子より少し高く、シャツをスカートから出していて、いかにも活発そうだが、話していると全くそんな事は無かった。
むしろ猫子の言うとおり、とても清楚な感じだ。
「でも先輩、軽音部でドラムをやってて、そのドラムが凄いんだよ」
「え!?ドラム!?」
話した感じだと、そんな想像まったくつかない。
見た目だけなら納得は行くけど。
「先輩、おっとりした性格だから、ドラムやってるって言うと皆に驚かれちゃうんですよね~」
「そうそう~、そうなのよ~。だから、少しでも元気っぽく見せたいからこんなカッコしてるの」
「ふ~ん」
納得した。
俺達はまた歩き出し、話を続けた。
「改めて、犬飼結菜です。よろしく」
「よろしくおねがいします。犬飼先輩」
「私の事は『お姉ちゃん』って呼んでね~」
ガンッ!!(電柱に頭ぶつける音)
「結菜先輩!?何言ってんですか!?」
「えぇ〜、だって何か丈君って可愛いし〜、弟にしたいな〜」
「可愛い言うな!可愛くなんかないわ!!」
ぶつけたおでこをさすりながら叫んだ。
「大丈夫?お姉ちゃんがナデナデしてあげようか?」
「いらん!!」
「結菜先輩、丈を取ったら…メッ…ですにゃ…」
猫子がまた凄く危ない目になってる
なんか黒いオーラまで見えそうだ。
「やっぱり猫子ちゃん可愛いなぁ〜、何かイジメたくなっちゃうよ~」
犬飼先輩はウフフっと微笑んだ。
「大丈夫~、私は可愛がりたいだけだから」
「いや全然大丈夫じゃないからな!俺が嫌だよ!撫でるなぁぁぁ!」
「…丈、そう言いながら嬉しそうだよ」
「うれしかないわーーー!」
そう言いながらも、顔が熱くなってるのは、気温が高いからに違いない…。
(何だ!?何だこの感じ!何か、もう少しして欲しい衝動が…)
「(ゾクッ!)」
「じょぉぉぉうぅぅぅ~~~~…」
見ると猫子は、後ろから俺のシャツに手を突っ込み背中に爪を立てていた。
しかもかなり強く。
「なぁんでそういう事言っちゃう~~」
「え!?俺、今の口に出してたか!?」
「思いっきりだしてたよね、猫子ちゃん」
…ヤベェ、恥かしい。
「きゅん(バシッ)」
その猫子の手を文月が尻尾で叩いた。
「文月ちゃん…やる気?」
「きゅぅん!」
文月が猫子に飛び掛り、猫子と喧嘩が始まってしまった。
「はぁ…全く。騒がしい奴らだ」
「ウフフ、楽しそうね、猫子ちゃん」
犬飼先輩はお淑やかに笑い、俺に向き直った。
「猫子ちゃん、大切にしてあげてね」
「はい?」
「猫子ちゃんね、貴方の事ばっかり話すのよ。本当に今が幸せみたいだから、ね」
「…」
「返事は?」
俺は喧嘩をする文月と猫子を見ながら答えた。
「言われなくても、大切にしますよ。アイツと…文月のおかげで俺は変われましたから」
「あらあら、本当にあの子達の事、好きなのね。ウフフ」
「はい。コレはちゃんと答えられます」
「猫子ちゃんと、キツネちゃんが好きって?」
「はい」
「今が幸せだって?」
「はい」
「私の事お姉ちゃんって呼ぶって?」
「はい…あれ!?イヤイヤイヤ!!!」
「言ったねー!今言ったよねー!」
犬飼先輩はイタズラっぽく笑い、俺の頬に触れた。
「それじゃ、これから私の事は、お姉ちゃんって呼んでね」
「わかりました、結菜先輩」
「え〜」
「え〜、じゃ無いですよ。ホラ猫子、文月、そろそろヤメロ」
話を切り、そろそろ喧嘩を止めることにした。
「ハァ…ハァ…やるわね、文月ちゃん」
「ハッ…ハッ…きゅうん」
猫子の眼鏡は大きくズレて、文月のしっぽは毛が乱れていた。
何だか良くわからないが、お互いにやりきった感があった。
「さてと、それじゃ私はそろそろお散歩にもどうかしら」
「わかりました、先輩。それではまた明日」
「じゃぁね猫子ちゃん。丈君もバイバイ」
「はい。さようなら…姉さん」
「「え?」」
「さて、行くぞ猫子」
「ちょっと丈…どういう事?」
「さて、なんだろうな」
猫子は喧嘩で聞いてなかったから、お仕置きは免れたが、質問攻めに合った。
まぁ、たまになら…呼んでもいいかな?
お姉ちゃんって。
続く
今回は新年になるまえにまた更新しようかな。




