9話 俺とよく舐められる日
前は1月更新でしたが、夏はイベントが沢山あって、アイディアがポンポン浮かんでくるので早めの更新が出来ています。
まぁ、絵師の相棒が出来た事も大きな理由なんですが。
そんなこんなで、夏の青空は絶好調です!。
猫子と別れた俺は、帰り道で溜息をついていた。
「はぁ…」
(なんでこんな事になったんだ…)
トボトボと歩きながら、今日の事を思い返していた。
その中でも、自分があんなに動揺したことが溜息の1番の原因だった。
(動揺しなけりゃ…あんな事言わなかったのに…)
「はぁ…」
その後、数え切れないくらいくらい溜息をつきながら帰宅した。
「ただいま。遅くなってゴメンな」
「キュン!」
近づいてきた文月を撫でようと手を伸ばしたが、文月は1歩手前で止まった。
「どうした?」
「クンクン」
止まったかと思うと、手の匂いを嗅いできた。
「ど…どうした?」
(いつもの人と違う匂いがする…それと…獣の匂い)
手から顔を離すと、今度は服の匂いを嗅いできた。
「な…なんだよ?」
「クンクンクン…アグゥ」
匂いを嗅ぐのを止めると、文月はいきなり服を噛んで引っ張りだした。
「な…何するんだよ!?」
(この匂い…凄く嫌だ!)
「グウゥゥ!!」
文月は不満そうな唸り声を上げながら服を引っ張り、脱がすように左右に首を振った。
「わ…わかった!わかった!脱げばいいんだろ!?」
服が破れそうになり、俺はその場で服を脱いだ。
文月は脱がした服を放置して、今度はズボンを脱がそうと、ズボンに噛み付いてきた。
「ちょ!?文月ぃぃ!?」
いきなりの事に驚いて、俺はそのまま仰向けに転んだ。
そして文月はそのまま引っ張り続けた。
「わかったよ!!脱ぐよ!脱ぐから!!だから引っ張らないでぇぇ!!」
結局俺はパンツと靴下だけになってしまった。
しかもそんな状態で文月は俺の体に乗ってきた。
そして…いきなり体を舐め回してきた。
「ペロペロぺロ」
「ぎゃはははははは!!!や…!やめろ!!文月!あっはっはっはっはっはっはっは!!!」
「ペロペペロ…ペロンペロン…ペーロペーロ」
「ちょ!!…やめ……あぁ!!…文月ぃぃ…」
「ペロペロペロペロペロ」
「脇腹ははんそ…ぎゃはははははははは!!!あははははははは!!!」
この後、俺は30分以上舐められてた。
笑いすぎて死ぬかと思うほど舐められ、体中が文月の唾液だらけになった。
「ゼェ…ゼェ……ゼェ…い…息が……」
「クンクン…きゅ~ん♪」
文月はまた匂いを嗅ぐと、今度は満足そうに鳴いて擦り寄ってきた。
「お…お前は…いったい何がしたかったんだよ…」
(やっと嫌な匂いなくなった。これでいつもの丈だ)
「きゅ~~ん」
「はぁ…なんとも散々な1日だ…」
その頃、帰宅した猫子は
「…えへへ~~、丈君に撫でられちゃった~。えへへへ~~」
自分の部屋で、夢見心地になって今日の事を思い出していた。
そして(盗撮した)丈君の写真を抱きしめてベットで暴れた。
「キャー!!もう大好き大好き大好き大好き~~~!!!」
「姉貴…何してんの?」
「キャァーー!!学!!ノックぐらいしてよ!」
「姉貴の声が僕の部屋まで響いてきてるんだよ」
「それで、何か用?」
「イザナミが姉貴の部屋に入れないで困ってたよ」
「ニャ~~」
学と呼ばれた少年の足元には1匹の黒猫がいた。
「あ…ゴメンねイザナミ」
「それじゃ、僕宿題するから静かにしててね」
そう言うと、学は私の部屋を出た。
学が自分の部屋に戻った事を確認すると、私は隠していた写真を取り出した。
そして、イザナミと呼ばれた猫の頭をなでながらイザナミに話しかけた。
「イザナミ、私…あの人と付き合う事になったんだ」
「ニャ~」
「私、丈君を誰にも渡さない…私が丈君の全てを包み込んであげるの。私の愛で満たして…丈君を幸せにしてあげるの」
「あぁ……好き……大好き…丈…」
夕闇が差し込む部屋で、私は丈君の写真を舐めた。
続く
猫子ちゃんの本性が段々と出てくるようになってきました。
でも勘違いしないでください、猫子ちゃんは本当に一途な女の子なんです。
その人に好きになってもらえるように、歪んだやり方でも頑張っているんです。