4、バルドへイム王国(14)
昨日、投稿が上手くできていませんでした。
すみません。
ここからエルサの心が闇に…
14.束の間の幸せとスタンピード(1)
ゴン爺様から「赤い糸」の話を聞いて“うかれぽんち”はエルサです。
翌日、グランツ様より次の休日に家に行きたいと申し入れがありました。
これは期待していいよね?
期待しますよ?
期待します!
休日の朝、グランツ様が正装で来られました。手には真っ赤なバラを持って。
「ようこそお越しくださいました、グランツ様」
「あ、ありがとう、エルサ。今日も、とても、か、かわいい」
「か、かわ!ん“ありがとうございます」
なんとか挨拶の口上を述べ、客間へ案内する。
(えっと……あのバラはいつもらえるのかしら?)
花束が気になり、ちらちらと視線が向かうが、いただけそうな空気でもない。
(ん?これは……もしかして私へのものではないのかしら?期待しすぎはだめね~)
と一人反省会を終えた時、父ゴードンと姉のソフィアが入ってきた。
「グランツ、今日は何の用かな?」
ゴードンは険しい顔に青筋が立っている。後ろのソフィアも眉間に皺が寄っているようだ。
「そ、その!エルサ嬢との婚約を申し込みたく!」
「早い!寝言は寝て言え!」
「お父様。少し落ち着いてください。グランツ様、エルサに申し込みはお済で?順番をお間違えにはなっておりませんよね?」
扇子で花束をさす姉が怖い。
「!!!すまない!エルサ!」
ガバッと花束をもって立ち上がり、エルサに膝まづく。
「俺と!結婚してくれ!」
「はい!」
勢いよくプロポーズされたので、勢いよく返事をすると、ゴードンが待ったをかける。
「……はあ、エルサ、いいのか?こいつはロマンスを理解しとらんぞ」
((お父様もね!))
娘二人に心の中で即ツッコミされているとは思いもしないゴードンはさらに話す。
「エルサ、なにもそんは早くに結婚しなくても……いや、そもそも結婚しなくても……」
「いいえ!私はグランツ様と幸せになりたいのです!」
逆プロポーズにも聞こえる言葉に真っ赤になるグランツ。その姿に少し頼りなさを感じるもゴードンとソフィアは思った。
((エルサが幸せなら、いいか))
とことんエルサに甘い親子である。
その後、あっという間に婚約を交わし、あっという間に結婚式を迎えた。
ドレスは、母サツキのものを手直しして着ることになった。
「エルサー!お嫁に行かなくても―」
(筋肉でむさくる……ん“!親ばかなお父様!号泣にもほどがありますわ。修羅のお名前はどうしましたの?)
ソフィアはゴードンの号泣にドン引きだ。
(それにしても……)
「エルサ、綺麗よ。お母さまのドレスもよく似合っているわ」
「お姉さま。ありがとうございます。でも、ごめんなさい……」
「ん?」
「私が先に着ることになり……」
「……それは、嫌みかしら……?」
((ひっ!!))
辺りが一瞬凍りつく。
「違います!ツツミ様はお忙しいからなかなかお時間取れませんし……本当ならお姉様が……」
「/////」
部屋が一気にサウナ状態になる。
そして、また一気に凍りつく。
「ツツミ……だと?グランツの次は、ツツミか……」
修羅の名前は本当だったようだ。
「まだ、そのようなお話はございませんので……」
蚊の鳴くような声がソフィアから漏れた。
「まだ?」
修羅から般若に変更もあるかもしれない。
ツツミ伯の無事を祈る一同だ。
この騒がしい一行も「時間です!」と叫ばれて静かに式場へ移動する。
王城内のチャペルだ。
通常、王族以外は挙式できないが、国王陛下の取り計らいというごり押しで可能となった。
バージンロードを歩くエルサは幸せそのものだった。
初恋の相手のグランツとの挙式。世界がキラキラと輝いている。
そして、祭壇前のグランツも光り輝いている。
「まるで王子様だわ……。王子……様……」
ぽつりとつぶやいた自分の言葉に疑問を持つ。
(昔、王子様って……言った?)
疑問に思うも、グランツから差し伸べられた手に思考が戻り、司祭様に向き合う。
「今ここに光の神の元、二人の婚儀を執り行う。異議のあるものは……」
「異議は認めん!」
国王様、司祭様の言葉を遮る……。司祭はあきれ顔だ。
「……ということですので、お二人の結婚の口上を賜り、婚姻を結びます。グランツ様、エルサ様」
「はい。私、グランツ・バルディーニは永遠にエルサ・バルデックを愛し、永遠に離れないことを誓います」
「私、エルサ・バルデックは永遠にグランツ・バルディーニ様を愛し、永遠に……永遠にこの手を離さないと誓います」
「ここに二人は夫婦となりました。光の神からの祝福を」
司祭様が持つ鐘が大きく響き渡り、大歓声がおこった。幸せの絶頂を感じた。
「この幸せ、ずっと続くといいな」
心から願ったエルサの言葉は……神に届かなかった。
ここからはさらにエルサが闇に飲み込まれていきます。




