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神々の記憶の中で、ただ君の平和を願う 〜戦乱の世で神の【記憶】を宿した少年と、天涯孤独の少女が世界の真実と闇に挑む物語〜  作者: 蒼宙 つむぎ


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1.出会い

はじめまして。初投稿です。

いろいろつたないですが、温かい目で見てもらえると嬉しいです。

今日はあと2話投稿予定にしています。

 ここは魔力が枯れ果て、代わりに**「戦」**が満ちた世界。 森の奥には、戦火から逃れようとする人々の絶望が、霧となって立ち込めている。その嘆きさえ、精霊たちのささやきのように聞こえた。


 足元の枯れ枝が「ぱき」と割れる音は、銃声のように冷たく響き、すぐに静寂に包まれた。この静寂こそが、最も恐ろしい戦いの休息だ。


 天涯孤独の薬師の少女エルサは、村の傷ついた人々のため、チシマイチゴを探して森の奥へと歩みを進める。


「うん。今年のチシマイチゴは、粒が大きめ。これをジュースにして配ってあげよう」


 彼女の小さな手が、収穫期を迎えた赤く張りのある実を摘んでいく。そのささやかな動作だけが、この世界でまだ「平和」を信じているようだった。


 そう言って手を伸ばしたとき。群生地の片隅が、薄い光を放った。

“ん? 何かが光ってる?”


 草を押しのけた先に、まるで神話から抜け出てきたように、薄い光をまとった少年が倒れていた。


「ねえ、大丈夫……?」

 

 震える声で問いかけても、返事はない。

 息を確かめようとそっと手を伸ばしたその瞬間——


「……触るな」


 少年が目を開け、氷のような碧い瞳でエルサをにらみつけた。

 エルサは一瞬だけたじろぐ。それでも、すぐにやわらかい笑みを浮かべる。

「大丈夫。痛いことはしないよ」

 静かに両手を広げたエルサの姿に、少年の緊張がほどけたのか、彼は力を失い再び倒れ込んだ。

「ああ……どうしよう……大変。かわいく笑ってみたつもりなんだけど……どこかおかしかったのかな……?」

 半ば混乱しながらつぶやくエルサは、自分の考えがずれていることにも気付かぬまま、慌てて少年を抱きかかえ、家へと走った。


誤字脱字、文章ルールがおかしいときは教えてくださるとうれしいです。

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