表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/27

アメノサ「全員……消す?」

「ズルズル」

「……」

「……」

「カケル、これもう三つ」

「いつまで食べるの?」


 『無頼』さん、なんか〆のさっぱり冷しそうめんを大層気に入られたみたいで。

 さっきからそうめんばっか食べてるんだよな。


「お前に言われたくはねぇ」

「私のはデザート」


 ちなみにそんな『無頼』さんに冷ややかな視線を送るアメノサさんも、デザートを三巡目? 四巡目かも、に突入。

 十分いつまで食べるの? の範囲に入ってると思うよ? うん。

 俺? 俺はつつましく杏仁豆腐の五個目を完食中だよ。


「ふぅ……」

「終わった?」

「ああ。次はうどんだ」


 えぇっと? 〆のそうめんの後にうどんまで食うの?

 この人の胃袋はどうなってんだ?

 さっきまで散々肉と米食ってただろ。


「……化け物」


 そんな『無頼』さんにアメノサさんの容赦ない呟きが。

 いやまぁ、完全に同意ですけれども。


「炭水化物は別腹だろ」

「聞いた事無いですが……」


 そんなものを別腹にするな。

 どう考えてもメインだろうが。

 別に分けるな。


「カケル、チョコバニラソフト」

「はいはい」


 これにはアメノサさんも呆れ顔。

 ちなみにこの後、『無頼』さんは冷やしうどんを五杯平らげました。

 ……ここまで来ると恐怖が勝つよね。



「いやぁ、食った食った」

「これで満足してなかったら国の財政の為に国外追放してる」

「その分稼いでるだろうが」


 ……そういえば、『無頼』さんって『Sランク』の冒険者だったっけ。

 忘れてたなぁ。


「また行きたい」

「だな」

「お気に召したようで何より」


 会計を済ませ、俺の家までの車の中。

 そりゃあもう満足そうな二人の姿に、連れて行って良かったなぁ、と実感。


「今度はスイーツだけの食べ放題の店とかがいい。あればだけど」

「今回肉だったンだから次は魚だろ」


 スイーツ専門店、ありはするんですけれどね。

 ちょっとエルフ達を連れて行った後なので、あまり行きたくは無いというか……。

 帰り際の店員さんの視線とか怖かったもんね。


「まぁ、考えときます」

「期待してる!」

「あンま負担になンねぇとこでいいぞ」


 ありがとう『無頼』さん。

 あなただけだよ、そう言ってくれるのは。


「じゃ」

「今日も美味かったぜ。ごっそさン」


 家に着き、一往復用の魔法陣を起動し、その中へ入っていく『無頼』アメノサペア。

 ……ああは言ったけど、次はどこに連れて行こうかな……。

 食べ放題……近場……検索っと。



「……カケルの世界のご飯の匂いがしますわね」

「『無頼』とアメノサが帰ってきたようだな」

「どんな鼻してるんだお前ら」


 『無頼』とアメノサが焼肉の食べ放題を堪能し、異世界へ戻ってくると。

 すぐにその事を察知した食いしん坊のエルフ二人。

 そんなエルフの反応に、半ば呆れるラベンドラは。


「何を食べたかは気になるな」


 調理士として、二人が食べた物が気になる様子。


「クンクン……あまり酒の匂いはせんのぅ」


 なお、食いしん坊エルフとは別ベクトルで嗅覚が異常な飲兵衛ドワーフは。


「こっちの世界でも飲み放題とやらのシステムが広まらんもんか」

「ドワーフがこぞって利用して店を潰すだろ」


 異世界では……というか、ドワーフという存在のせいで実現不可能なシステムに思いを馳せ。


「失礼な。潰すものか。ちょっと倉庫の酒樽を空にするだけじゃぞ」

「それで店が潰れるのだが?」


 無茶苦茶な事を言っていたりする。

 なお、この四人が今何をしているのかと言うと……。


「魔法陣の準備出来ましたわ」

「アメノサの魔力を探知成功。いつでも跳べる」


 『無頼』とアメノサ、二人が何を食べたのかを問いただすため、二人のもとへと転移をしようとしていた。

 ……そして――、


「キャッ!?」

「肉の匂い!!」


 転移した先は、当然探知したアメノサの魔力の場所。

 そこは……、


「あら……着替え中でしたの」


 アメノサの私室であり……。


「すまない! 悪気は無かったんだ!!」


 焼肉を終え、匂いが染みついた洋服を着替えている最中であり……。


「肉を焼いて食ったのか!?」


 何よりも食欲を優先するマジャリスは、脱ぎたての洋服を手に取って匂いを嗅ぐ。

 ――おおよそ、デリカシーというものが存在しないその行動に、


「…………ッ////」


 顔を真っ赤にしたアメノサは、


「てめぇらの血は!! 何色だ!!!」


 三人に向けて手のひらを向け、九本の尻尾が、真っ赤に染まる。

 なお、ガブロは転移直後に酒の匂いのする『無頼』の方へと走ったため、この場には居なかった。

 ――が、刺客と間違われて『無頼』と応戦。

 ただ、素手での戦闘では流石に『無頼』に軍配が上がり……。


「いや、とっつぁんかよ」

「ぎゅう……」


 のされて無力化された後に、『無頼』によって気付かれたのだが、それはまた別のお話。



「ねぇ、『無頼』?」

「なンだ?」

「カケルを婿にしたいって言ったら、笑う?」

「…………笑いはしねぇが無謀もいいとこだぞ?」

「知ってる」

「俺らの血筋はただでさえ特別だ。そこに、どこの馬の骨とも分からン血が入るのは、確実に反発される」

「分かってる」

「今でさえ婚姻の誘いは山ほど来てるだろうが。それら全部を蹴るとなると、相手側に格ってもンがねぇと……」

「だよね……」

「だがまぁ……」

「……?」

「応援はするさ。久しぶりに聞いた、姉の本音のわがままだからな」

「『無頼』……」

「振られたりして」

「『無頼』!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
コミカライズの2巻発売おめでとうございます! Kindleさんで予約しました! 本編中でも翔とアメノサがなんとなくいい雰囲気?みたいなのがあったので、もう一度行き来できるようになった後に二人がどうな…
神様「エルフのトラックで翔を轢けば、エルフ繋がりでこちらの世界に転生させられるかも」
翔を婿として連れてきても食べ放題は来ないよ( いや単純に本人を気に入ってるんだろうけど。 まあ金関連は宝石を姉に渡せば交換出来るから何とかなるか……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ