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終わりは近い

「薄いのに肉汁が溢れて!!」

「卵に絡めて食うとコクが追加されてかなりうめぇ。白米止まらん」

「焼きすき風です。美味いですよね」


 肉が薄いからサッと焼いて、卵に絡めて食べる。

 難しい説明も、特殊な食べ方も必要ない。

 頬張って、白米を掻っ込む。

 それだけで、自然と口角が上がる美味しさなのだ。


「マジでうめぇ。飲み込んだ後でも口に残った旨味で白米が食えるぜ」

「……あー。コーラ、美味しい」

「やっぱ肉には白米ですよ」


 食べ放題の時はちょっと勿体なくてご飯を食べない事の方が多いけれども。

 もう、昔ほど、お肉だけを食べられなくなってきてるからなぁ……。

 お肉だけじゃなく、油もの全般を、ですけれども。


「カケル! 次は!!?」

「このぶっとい肉を焼きますよ~」


 というわけでお次はお待たせしました、カルビの登場です。

 しかも、クィーンカルビですわよ。

 こちらを、焼いていくぅ!


「……じゅるり」

「……じゅるり」


 二人して涎垂らしてるじゃん。

 まぁ、分からんでもないけど。


「焼けたらハサミで大きさを丁度良くして完成です」

「俺のは大きめでいいぞ! その肉は口一杯に頬張りてぇ!」

「わ、私も! 大きめで!!」

「はいはい」


 という事で大きめにカルビをカット。

 ……ちょっと中が赤いな。

 もうしばらくお待ちを……。


「……嫌がらせか?」

「違います。まだ焼きが足りなかったんですよ」

「いじわる……」


 違うっての。

 あんたらの世界じゃあ解呪さえされていれば生でも大丈夫なのかもしれないが、この世界じゃあ生だと大変なことになる可能性があるんだからな?

 何なら一度味わってみるか?

 ……やめとこ。

 俺が暗殺しようとしてる、みたいな事を思われかねない。


「はい、お待たせしました」

「待ちまくったぜ!」


 焼き上がるまでほんの数分だろうに。

 大げさなんだから、まったく。


「噛み締めるほどに脂が! 肉汁が! 溢れてきやがる!!」

「美味しい!! ……でもちょっと重い……」

「わかりみが深い……」


 カルビ、もうそんなに食べられないよね、うん。

 アメノサさん、ナカーマ。

 とはいえ、美味いもんは美味いわけで。

 まだまだ、白米というクッションは残っているわけで。

 白米にクィーンカルビをバウンドさせて、バクリ。

 これよこれ。

 噛むとジュワッと溢れる肉汁と脂。

 甘じょっぱいタレが肉の旨味を引き立て、ご飯を掻っ込む速度を加速させる……っ!

 ふぅ、流石はクィーンカルビ。

 名に恥じない美味しさだったぜ……。


「カケル、ハラミ頼んで!」

「俺もハラミ。あれうめぇよ」

「じゃあ、またしてもおっきいハラミ注文しますか」


 極厚ハラミ~ガリバタを添えて~。

 こんなの、一人じゃ絶対に頼まないからね。

 この人らも巻き込んでる今こそ頼まないと。

 ――そもそも一人じゃ焼肉に来ないけど。

 一人焼肉するなら、ホットプレートで家焼肉するわ。

 

「あと、飲むデザート。イチゴミルク」

「うめぇのか? そんなに頼むなんざ」

「美味しい」


 飲むデザートね。

 結構頼むな? 本当に気に入ったんだろうね、アメノサさん。


「お、来た来た」


 というわけで届きました極厚ハラミ。

 この分厚さを見よ! 


「美味しそう……」

「焼けるのに時間掛かりそうだな……」

「そう思って普通のカルビも頼んであります」

「流石すぎる……」


 名に恥じない極厚っぷりなのでね。

 焼けるのにもそりゃあ相応の時間が掛かるってもんで。

 そんな時間を、ただ指をくわえて箸の先を舐めさせながら待たせるわけにはいかないよなぁっ!?

 いや、普通に行儀悪いからやめな? それ。


「ちなみに焼けたらここに付けて食べます」

「それは?」

「ガーリックバターですね」

「美味しいの確定! 最強!!」


 知ってる。

 ガリバタさえあればコンクリだって食べられるってどっかの食いしん坊な主人公が言ってた。

 ……あれ? バター醤油だったっけ?


「カルビうめぇ……。普通に肉のアベレージがたけぇ……」

「分かる。本当に美味しい」


 まぁ、うん。

 美味しいよね、肉。

 というか日本で食べられる食材のほとんどが美味しい。

 肉だけに限らず、野菜や魚なんかも、本当に平均が高いと思うわ。

 米とか世界トップだろ、もう。


「そろそろですかね」


 極厚ハラミも焼けてきましたよっと。

 というわけでハサミで適度な大きさに切りまして……。

 断面チェックの時間だオラァッ!!

 

「……ごくり」

「……ごくり」


 アメノサさんと『無頼』さんも、固唾……というか涎を飲んで見守っていますわ。


「…………ゴー」

「いただき!」


 あまりにも早い反応。

 俺は見逃しちゃったね。

 という事で、焼けたハラミをガリバタに浸し―の……頬張る!!


「うっま!」

「脳天に電流走る!」

「それは流石に言い過ぎかと」


 ただ、一口噛んだ瞬間三人とも仰け反ったよね。 

 やはりガリバタは暴力。

 そして肉の旨味も暴力。

 これにはガンジーも抵抗せずに受け入れるレベル。


「カケル、米お代わり」

「私はそろそろデザートに入る」

「了解です。肉は俺にお任せでいいです?」

「いや、壺漬けのやつとカルビ、あとロースがいい」

「分かりました」

「私は杏仁豆腐……を一番最初にしてデザート全部一周する」

「了解です」


 某エルフならいきなり全部と言う所を、アメノサさんはしっかり? してるな。

 多分、本当は全部って言いたいんだと思う。

 デザートが来るのを体揺らしてソワソワしながら待ってるし。

 でも、そこを我慢出来るのがアメノサさんのいい所よ。

 某エルフも見習って、どうぞ。

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― 新着の感想 ―
メニュー外デザートと言う奥義でアメノサさんの価値観を更に揺さぶりたくなる。 食後に網を変えてもらってから、カステラを少し焦げ目がつくまで焼いた後にバニラアイスを乗せて食べるのです…… 飛ぶぞ(アメノサ…
丞相アメノサさんはかわいい策士。某エルフは、考える前に欲望が走り出すタイプ。三つ子の魂百まで?子供時代からではなく異世界で甘味を食べてから、百歳よりめっちゃ長寿になっても、ですが(笑)
横隔膜ぅ
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