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09 街へ

リム王国 王都市フラムトリアの門番は

遠方から見える黒い体躯の巨獣と

揺らいで見える程の瘴気を放つ存在


門扉を警護する役職の彼は城壁の上で

それらから放たれるプレッシャーに

崩れ落ちそうでガタガタ泣いていた


逃げ出さなかっただけ彼を褒めた方が良いだろう。

周りには瘴気に当てられて訳も分からず意識を刈られた同僚が倒れてピクリとも動かない。


彼はやっと田舎から出て来て警備の

試験に苦労して受かった所だ。

仕事初日数時間もしないうちににソレは

現れた。



ゆっくりと近づいて来る。


オルネアとバーンズは真っ先に西門へ

騎士団長のカーネリアスも向かって来るはずだ。


オルネアは珍しく焦っていた。

今朝がた感じたアレは気のせいでは無かったのだ。


押しつぶされそうな強大な魔力と喉元に

真剣を突きつけられたかの様な強烈なプレッシャーだ

今ははっきりと分かる

城門の櫓に登り切ったオルネアは息を呑んだ。


「おいオルネア!ありゃあ一体!」

「分からんが、ここからでも景色が歪んでみえてやがる!

神か悪魔か、どっちにしろ奴さんに害意があればここはもうダメだろう」


先だっての悪寒の正体はこれだったのだ。


「こ、これは!」

遅れて駆けつけたカーネリアス騎士団長も

絶句した。

「住民の避難を急がねばならんだろうな…半数も逃げられるだろうか…」

「王都は終わりだ。だが救えるだけでも

逃がさねば!人無くして国は成り行かぬ」

「バーンズ、腕の立つ連中はどれ位集まりそうだ?」

「どうだか…集まって10000いや8000が良いとこか?…!まてオルネア!ありゃあアリステルの坊主じゃねえのか?」

「何!どう言う事だ?」


魔の森から歩いてくるのは冒険者のスルトと

変異種だろうか

通常より数段巨大なウォールウルフ

しかも漆黒の立派な奴だ。


コレだけでもヤバいが

隣を歩く華奢な少女だが

纏ったものが尋常じゃねえ。

ゆらゆらと空気が歪む程の強烈な魔力

強大なプレッシャーは今まで出会った

どれも霞む程だ

正直、出鱈目だろう事は

ここからでも分かる。

逃げ出したい衝動が今もある。


瞬間少女がブレた

瞬間背筋も凍る様な冷たい声が背後から


『儂のあるじ殿に敵意とは随分と死に急ぎたいらしいのぉ?』

おそるおそる振り返ると

いつの間にか城門の塀の上に立ち見下ろす

華奢な少女

恐ろしく美しい

そして強大な殺気を放つ虹色の瞳

オルネアとバーンズは焦っていた。

「け、決して敵意など向けておりませぬ!」

「そ、そうだぜ?」


あんな距離を一瞬で詰めて来てその予兆さえ感じさせない程の存在。


全く反応すら出来なかった。


その恐ろしい程に美しい美貌からは、

圧倒的な殺意を孕んだ虹色の瞳が

向けられている。


凄まじいプレッシャーに奥歯が、

カタカタと音を立てる。


それを無表情に見下ろす異形の少女。


「しかし…あ、貴方様は一体…」

先程の衛兵は既に意識を手放して

ビックンビックンしている。


「アリステル殿の意中のお方で?」


しまったー!!

こっちにも予想不可能な脳筋野郎が

いやがった!


「バッ馬鹿おまえッ!」

バーンズはおバカな返しを

してしまいオルネアは蒼白になる


「終わった…」

項垂れるオルネアとカーネリアス。


『何じゃあ〜わかっておるではないか!

そこな坊主』


クネクネ

殺気は霧散して何やらピンク色に

明滅する少女


しかし虹色の相貌

まさか伝承の?!…(汗)


国の存亡の危機はバーンズによって密かに

去ったのだった。


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