表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/24

07 お手伝い

僕の名前はスルト=アリステル


西方の大国ウルトニア公国に紛争地帯のアルバート平原と魔界森に挟まれた小国

小国リムの都市フラムトリアの南方ホビ村

そこが僕の生まれ育った所だ。


国内北西端に位置する首都フラムトリアは

王城を擁する。

背後には肥沃な森である魔の森

魔の森は人の街へめぐみをもたらし

同時に危険な魔物が活発であり人に害を為す

凶悪無慈悲なモンスターが大量に跋扈する

魔界でもある。


世界中のどこにでも現れる

魔物のレベルが段違いの

有数な危険度を誇るSSS級の森

それが魔の大森林である。


巨大な赤龍、地龍・ワイバーンにリッチキングに至るまでまだ見ぬ恐ろしい伝説クラスの魔物が跋扈する。


人智未踏の地には伝説では聖なる遺跡が

あるとか、はたまた神が創造した伝説の物があるとかいわく付きな場所だ。


だけどお伽話で読んだそれらは僕らのはまったく関係なく、日銭をもたらしてくれる生命線であったりする。


そんな魔境の奥?謎遺跡で

女の子と出会ったんです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ティアマトが落ち着きを取り戻すまで

膝上で頭を撫でるスルト。


艶々とした黒い髪は滑らかな手触りで

美しかった。


今はほんのりと色づいた肌との対比が

より美しさを際立たせる。


やっと落ち着いたようだ。

無言で見つめ合う2人。


あっ

赤くなった


「結婚した覚えは無いんだけどな?」


『何をゆうておるのじゃ?旦那様よ?』


『古の魔法陣の中心で、魔力を贄に口付けをする…しかも完全解放じゃ』


ドヤ顔の美少女。


『立派な結婚であろ?』


「…」


困り顔のスルト

そんな風習は知らないけど…

とは、口に出しては行けない気がする。


「そもそも僕の名前だって知らない訳じゃ無い?」


『御名はなんと?あるじさまよ?』


「スルト・アリステラ」


『スルト… 儂は

アディアロス・ウル・ティアマットじゃ』


「ティア…マト…」


やはり目の前の美少女は伝説の化身

強大な力を秘めた、幻獣の頂点の一角。

神威の象徴たる虹色の瞳


神とも等しき幻の存在。

お伽話の本に出てくる伝承

曰く、神、魔神、破滅、厄災、希望…


『どうかアディと…呼んでおくれ』

モジモジ…


やばッ!カワイイ!

スルトには伝承とか頂点とか関係無かった。


カワイイ女の子。

チョット強い。

それだけ。


神とか?そう言う形で括ったりして、

決めつけない。

1人の人?として尊重するスタイルは

いっそ清々しい程に通常運転。


目の前にはスルトより少し小柄で触れれば

折れてしまいそうな華奢で

黒髪が綺麗な美少女が1人。

真っ赤な顔でモジモジ。



だから


「ギュウゥゥー」

『グッはぁ!バキューン』

グデェと蕩ける黒髪の美少女


「カワイイ!アディ!」


満面の笑みでギュッと抱きしめた。

千年振りの抱擁に

蕩けてしまうアディだった。


唐突にキィンと高い音が遺跡にこだまする。

赤い魔法陣は千年の時を

経て壊れて完全に消えた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


初の旦那様のお手伝い。


2人で遺跡を出てきたスルトとアディは

彷徨いてたブラックウォールウルフとばったり出会う。


お兄さんお久しぶりですね。

はじめましてお嬢さん。


グオオーー

頂きまーす。


尻尾をフリフリ歓喜で駆けて来る。

地を抉り、草木をなぎ倒し

数10メートルを跳躍する。

1トン以上の巨体が凄まじい加速をして

獲物に迫る。


狩り

ハンティング

食事。


本能のまま凶悪な牙と爪を効率よく使う。

先程の獲物がひとつ増えた事に彼の

口角がニヤリと裂ける。


しかし不思議な事に獲物の一つが

歪んでブレた。


刹那


『失せろ、犬っころ』


耳元で凍てつく様な声音に、警鐘が鳴る。

同時に全身のバネを使って身体を捩る。


ジョリッ!ゴォウ!!


一瞬でも遅れたら首と身体がお別れの所であったが、

自慢のたてがみだけ持っていかれるだけで

すんだ。


掠っただけで、巨体は進行方向を変え

木々をなぎ倒しながら巨石まで

吹き飛ぶ事になった。


轟々と荒れる土煙の中ゆっくりと歩んで来る

黒い悪魔

華奢に見える体躯からは想像を出来ない程に

常軌を逸したプレッシャーと瘴気


ゾー


歩いた所が真っ赤に燃えてる!


『あるじに仇なすなど万死に値す。

控えよ、御前である』


恐ろしい。言葉に魔力が乗るほどの威圧感。

多分今くらったアレはタダの膂力の筈だ。


所々折れてしまった体躯は逃げる為に

まだ動かす事はできる筈だったが、

虹色の相貌に縫い付けられて

身体が動かない。


「やめてあげよ?アディ」


一瞬の静寂

『…あるじ殿は甘いのお?』


押し潰す様な巨大な

殺気とプレッシャーが僅かに霧散する。

ほんとに僅かだ。

あの目殺気がダダ漏れでは無いか

返答を間違えれば首と胴体が

今度こそ、さようならするに違いない



『犬っころ…あるじ殿に感謝することだの』


ドキドキ

最早ブラックウォールウルフの威厳など無く

小型犬の様にヘコヘコ


許されたあー(汗)


森の奥へ逃げ出したのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ