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21 雪の中で

その日私は通い慣れた街道沿いの

共同墓地へ母への花を供える為

日が上り始めて明るくなった

雪の道を歩いていた。


先日降り始めた雪はうっすらと朝の細道を

白くてまっさらな絨毯に変える。


なんだか自分がお姫様になって美しい宮殿を歩いている様で、楽しくなった。


ふと山の方を見上げると

血走った目をした角の生えた巨大な猪が

私を見つめていた。

ふっと目が合った瞬間、

その荷馬車よりも大きな体躯が

恐ろしい速度でこちらへ駆け始めた。


私は逃げ出そうとして踵を返し

その凶悪なモノから離れようとしたが、

なぜかその場から足が一歩も動かない。 


ガタガタと両足は震えるのみで、

焦る心とは反対に身体は言う事を聞かず、

動けないでいた。


その間にもあの化け物が私へ迫る。


口元からは巨大な牙がのぞき、

涎を撒き散らしながら今にも襲い掛からんと

明確な殺意を持った血走った目が、

絶望をもたらすモノだと否応なしに

私をその場に縫い止める。


「おとうさん!助けて!」

掠れた声で叫ぶも、白い雪の世界が

私の声も飲み込んでかき消す。


まさに牙が届くと言う寸前、

青い軍服の中年の剣士がいつのまにか

割って入り、その巨大な猪を横一閃

スローモーションの様に硬い巨体に

スッと剣先が入ると、巨大な猪は真っ二つに

なってすぐに絶命した。


気だるげな表情に半笑いの口元を貼り付けた

その剣士はどこか冷たい赤っぽい目で私を

見ると、

「ああーん?よかったなぁ俺の様な剣士が近くにいてよぉお?」

そう言うと剣に着いた猪の血をその毛皮で拭うと空の鞘に収めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『すぐにでも奴を消してくれる…』

恐ろしい殺気を放つアディと黒曜が

出ていこうとするのを無言のスルトが静止する。


『スルト止めてく……お、お主殿その顔…』

「行ってはいけないよ… まだ人質に取られている住人がいるんだ」


神龍とも言われ、遍く畏れられたアディを

その場に縫い止める、青い澄んだ瞳からは

えもしれぬ力を感じた。


村長とスルトのパーティメンバーで

まずは状況を詳しく整理して

救出の作戦を練る事になった。


「では、捉えられた住人には生き残りがまだいてその剣士が、洞窟に陣取っていると」


無惨にも、生贄として捧げられた村の女は

逃げ出そうとしたのか、数人のうち3人が切り捨てられていて、

それは凄惨な現場だったらしい。

幸いだったのかどうか分からないが、

それらを降り始めた雪が全て覆い隠してくれた。



残りの女性は安否が分からない。


「その通りです、残りの住人はここから更に奥の山の洞窟へ避難しております。」


剣士が構える洞窟は以前は無かったそうだからその男が剣で切り開いたのだ、

だとすると相当に腕の立つ剣士だろう。


スルトは静かに考えているが

皆はいつもと違う空気を感じて押し黙っていた。


「許せないね…」

ビクリと皆一様に肩を跳ねさせる。

「まずは取られた人質の安否確認が先決だと思うんだ。」

『そうですわね』


「うん。そこでオリビアには剣士の様子見を

アリスには避難した住人を護衛して欲しい。」

『わかったわ』

「フランには怪我した住人の治療と村の護衛をお願い」

『わかりましたわ』

「それからー…」



白い窓から見える景色の中で

静寂が耳に重くのしかかり

僕の今の心の様に暗く静まり返る。


僕達はこの村を救う。

やっと更新出来ます。

本業は地獄の真っ只中ですが、頑張ってストーリーを

進めたいです。

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