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02 冒険者の街

フラムトリアの冒険者ギルドの受付に、

見知った顔の青年がやってくる。


彼は何時も時間通りだ。


「おはよう ウリン」

カウンターの向こうの女性に声をかけるのは背丈は160cm中ほどの水色の瞳が人懐っこそうな青年だ。


「おはようございます。アリステルさん」

そう言うとアリステルと呼ばれた青年は鞄から小さい包みを取り出す。


「素材ですね。待ってください今鑑定に回しますので」

少しはにかんだ尖った耳を持つ華奢な女性は頬を染めて包みを抱えて奥の部屋へ。

アリステルはぐるりとギルドを見渡し

「ありがとうウリン。待ってるよ」と告げると

掲示板に向かう。


朝早くと言うのだがギルド内はすでに

冒険者でいっぱいだ。


「採取依頼は粗方片づいちゃったね…」

c級クエストに手を伸ばそうとすると、

大きな影がクエストの紙を奪っていく。


見上げると

「どけよ!弱っちい奴がよ!」

怒鳴り散らす奴はレンド

大男でいかにも粗野な雰囲気の冒険者。


ザワリと青年の影が揺れた様な気がするが、

青年は苦笑いしながら別のクエスト依頼書を

取る。

「ああレンド…」


ウリンはとても渋い顔をする。


「鑑定が終わりましたよ。アリステルさん」

銀貨数枚と銅貨をトレーに乗せる。

「ありがとうウリン。??怒ってる?」

「いいえ!アリステルさんにはなにもなんですよ…」

ウリンはとても優しい青年が、我が者顔の

人達に小馬鹿にされているのが許せなかった。

受付嬢のみんなだって同じだ。


だけど本人は飄々としている。

いつだって彼は優しいのだ。


「ちッ」

忌々しそうな顔を浮かべてレンドは

去っていく

「ギルドのねーちゃんたちに愛想まいて鼻の下伸ばしやがってよぉ!生意気だぜ!」ぶつぶつ呟いて去っていく


ーーーーーーーーーー


『スルトよどうして反撃しないのさ?アタシは怒ってるんだよ?』

突如青年の影から顔を覗かせた美しい水色の髪の美少女が怒気をはらんだ声で話しかけてくる。

ギルドをでたスルトは苦笑いしながら答える。

「誰にだって怒ってたら、アリスの笑顔より怒ってる顔が増えちゃうでしょ?僕は笑ってるアリスの顔が好きだな」

真っ赤な顔になるアリス

『もう!』

「?」


水色の髪に赤い瞳の召喚獣

美しい少女の外観に似合わぬ膂力と魔力

それがアリスだ。


アリスと呼ばれた水色の髪の美しい少女はスルトの言葉に真っ赤な顔だった。


この世界では、召喚術師と呼ばれる職業と

召喚幻獣と呼ばれるモノ

そしてそれらに対するモンスターや魔物と

呼ばれるモノがいる。

召喚術師とは戦士や魔術師や聖騎士などの職業の一つだ。


スルト=アリステラは低クラスの召喚術師だった。


対して召喚幻獣であるアリスと呼ばれた少女は水の幻獣ヴィーラの化身である。

中級召喚獣であり気まぐれなヴィーラは術者にとっては強力だが厄介なものだった。


『アリス…スルトを困らせるような事許しませんよ』

『くッ』

影の中からスッと底冷えする様な声がする。

幻獣バンシーの少女オリビアである。


「オリビアありがと、でも困ってないから大丈夫だよ。」

スルトは影から出てきたオリビアの白く日焼けひとつない顔を見つけるとニッコリ微笑んだ。


白い肌にサッと朱が差す。

バンシーの少女に朱なんて学者が見たら卒倒ものだろう。


この世界では召喚術師と召喚幻獣はもっと

ドライな関係だ。


術師は自身の魔力や供物を元に召喚幻獣に命令を下し、世界の理をほんの少し書き換える。

幻獣は供物や命を交換条件に能力の一端を貸し与え、術師の望みを叶える。


そこに感情は無いのが常である。


しかしそこはスルトと言う青年の性格だ

昔から召喚幻獣に思い入れがあったし、

してもらった事には感謝を忘れないと言う様に、


人間関係と変わらず接したのだ。







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