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18 カイの選択

フラムトリア都市の下に、

広大かつ複雑な回廊が

長い期間誰の目に触れる事なく、

崩壊する事も無く現在のその姿を

保っている。


リム王国の歴史はそう古くは無いとはいえ

少なくとも、開国より250年は

過ぎているはずである。


開国前には遺跡に張り付く様に

小さな集落があったのだが、

魔の森と地下鉱脈が生み出すの恵みが村を

発展させて、徐々に人と金が集まり

そして村は街へ、更に交易を通して大都市へ発展する。

リム王国はその様に出来た国であった。



その様な都市の地下に、

誰の目に触れる事も無く

巨大な回廊が存在したのだ。


ーーーーーーーーーーーーーー

まだ奥へとかなりの範囲で広がっていると

思う地下回廊を戻り、僕らは一先ず

宿の部屋へと帰還した。


幸いに大きな怪我人は無く、意識を失っていた客達は目を覚ました様だ。

リダとアリーナがいない事で取り乱したカイ

が落ち着くのを待ってから、内容を説明する事にした。


一通り、内容を聞いた彼は

「そうか…じゃあ死んじまった訳じゃ無いんだな?」

「そうです、彼女達が傷つかない様に幻獣の魔術で保護しています」


それなりに経験を積んできたカイだからこそ

冷静になって理解する事が出来た。

『そう辛気臭い顔をするで無いわ。貴様にはワシの主人様がついておる』


「治す手立てがない訳じゃないんです、

彼女は治癒を得意とする神獣です。ですが今は北西のエルフの森近くに本体が封印されています。」

フランの正体も打ち明ける。


『分体の今では数100分の1も力が出ませんわ』


「ぶ、文体ですか」

己のコピーを意のままに操る魔術など

聞いた事すら無かったが、目の前にいる

桁違いの魔力を持ったフランならそうなのかも知れない。


「俺もついて行きたいと言うところだが、

帰ってきた時に店がなくなってちゃあ、アイツらにドヤされっちまう…それにもう現役を離れて長いしな、足手纏いにはなりたくねえ」


『ワシは分体ではないぞ?安心するが良い。ほれ』


そう言ってアディは凄まじい魔力をギューっと圧縮してその魔力の固まりで器用に龍の形を作ってうねうねさせる。


ドヤ顔のアディ


『それ、器用ですけど適当に霧散させると大爆発しますわ』


『「「えッ?!」」』


みんなでハモってしまった。

アディ…きみ知らなかったんかい…

オロオロするアディはそのうちに魔力の塊をギューっと更に圧縮して手のひらサイズにすると

パクっと食べてしまった。

アディはドンッと鈍い音を立てると

口から煙を吐き出した。


「めちゃくちゃだな…」

カイはそう呟いた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー


結局カイは街に残り僕らの帰還を

待つ事になった。

カイとしては人任せにする事に抵抗が

有るだろうが、

僕らに任せてくれる事になっった。

家族が巻き込まれて、解呪の目処は立たず

自分に出来る事も無くそれでも強く

店を守っていくと言う。


きっと僕らが彼女達を元に戻すために一番

可能性が高いから、

そう思ってくれると思うとスルトは決意を

新たに絶対に方法を見つけて帰ってくると

心に誓った。


明日の早朝には出発する事になった。

メンバーは僕とアリス オリビア アディ 

フランと 黒曜 で、

馬車を用意して出発する事になる。

経路はこのまま北西を目指し

ウルトニアの国境付近を抜け、

魔の森の北方端を渓谷沿いに西へ抜ける

馬車でも2カ月弱はかかる道のりとなるはずだ。

エドガードまでの途中にはミラージュ大氷河の南端を抜けなければならない。

ミラージュ大氷河は数万年は凍ったままの土地で、主要な集落が無い様な険しいルートになる。しかも氷系統の強力なモンスターが、

うろついており、自然環境で言えば吹雪けば数週間は雪で前後左右上下を見失い

100%遭難する危険なルートである。

エドガードが、人族を避けて引きこもっているとされる所以でもある。


実際の所、エルフは長命かつ排他的では

あるものの、

多種族を嫌悪している訳ではない。

ただ見目麗しく漏れなく美形であるために

人攫いに狙われ安く、実際の所奴隷市場では高値で取引されるらしい。

ここリム王国でも目立ってそう言った店など

は無いが、全く無いわけでも無い。


交易国家とされる隣国ウルトニアではエルフの扱いに置いて黒い噂も良く聞く。

しかも今はアロン帝国との戦時であるから捕まったエルフも苛烈な環境である事に疑いは無い。


翌朝早朝の日が出る前に僕たちは出発した。


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