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11 アディアロス

グロテスクなシーンがあります

苦手な方はスキップして下さい。

騎士団の詰所がある場所は

西門からクエストに出かける冒険者が多く

昔から問題が起きるのも

西街が多かったせいで、

貴族街の外周西側にできると言う

実に合理的な理由での成り立ちがある。


ギルドも騎士団詰所と隣接しているが、

冒険者・騎士団・ギルドの関係性を考えると

最も理にかなった場所にできていると言える。


広場と言える場所が尖塔を中心として広がり

現在はその下が待ち合わせ場所の様になっており、

その広場を囲う様に店舗が軒を連ねる。


冒険者が求める需要があって

その儲け話の話に商機を見出し露店を

構える地方出身者。


王都フリステルは活気に溢れていた。


雑多な街を足早に歩くフードを目深にかぶる

その者は夕刻の迫る表通りから、細い路地の

入り組んだ裏道へ入る。


フードの者は右へ左へと曲がって進み、

そのうち壁に引っ掻き傷の様な、

3本線が刻まれた扉に、

吸い込まれる様に消える。


ーーーーーーーーーーーーー


やはりと言うかなるべくしてと言うか兎に角、

厄介事同士と言うのは仲良しらしい。


ギルドで登録をした所までは良かったのだ

圧倒的な威圧を振り撒くアディと黒曜は、


恐れ多く、触らぬ神の何とやら

逆鱗に触れたくない。


どこから聞きつけたのか

コレを金儲けのダシにしてやろうと言う魂胆で

実力も怖さも知らぬ子悪党と言う名の

少数の組合関係者は面会を求めてやってきた。


そんな者を相手にしていたせいか

ぐったりと疲れを感じる。


ギルドを後にして、宿屋であるコンラッド亭へ向かう途中に騎士団長のカーネリアスと会う


「アリステル殿、貴族連中はあの調子ですまんな」


「いいえ!騎士団長からその様に気遣って頂いてすみません」

「…所でいつもの幻獣はどうした?」

「アディを怖がっている様でして…」


「…そうか…」


カーネリアスは無表情で呟く


扉の一つからフードの見慣れない人物が出て

来るのを見つめていると

突然ぐらりと視界が揺れる。


その刹那スルトは両腕が激しい熱さを感じ

背中に激しい衝撃。


真っ赤に染まった視界の端に、

空を舞い腕が落ちていったのが見える。


恐る恐る自分の腕を見ると切り落とされて、

先のなくなった左腕。

右腕はひじの先あたりで皮一枚で、

ぶらりと繋がった状態。


スローモーションの様に

赤いものが吹き出している。


「うわぁあああああアぁぁ!!」

どくどくと激しく脈打つ腕と吐き出す血の中でスルトは倒れる。


妙に冷静な意識のなか

背中と両腕を斬られた

斬られた?!なぜ騎士団長が!


「な、な゛んでッ…!」


カーネリアス騎士団長が剣の血を振い

感情のない瞳でこちらを見つめる。

殺気だ、コレは


「アリステル殿には悪いがな、死んでいただく…」


ガタガタと奥歯がなる

逃げなければ…

そう思うが、

熱く燃える様な腕の先。

なす術も無く転がるだけだった。


視界の端でアディが駆け寄って来るのが見える


『スルト!スルト!』

アディがとても悲しそうな顔で必死に僕に

しがみついて叫んでいる。


「ゴフッ!!」


綺麗なアディの白い肌を赤く汚してしまった

若干の申し訳なく思っていたら、

顔に出てたらしく。


『その様な事気にするでない!スルト!

ああああ命が、生命力が失われてゆく!』


涙でくしゃくしゃになった顔をして子供の様にイヤイヤしているアディは、

突然静かになると、空が震えるような

恐ろしい程の殺気を撒き散らし始めた。


『おおおおああああ!!!!』


メリメリとアディの華奢な身体が膨れ上がり、

と同時に凄まじい魔力を放出し始め、

大気は歪み広場の地面が裂ける。


『お前は必ず殺す!』


血の底から聞こえる様な先程までの

アディとは似ても似つかぬ声。


カーネリアスをその視界で縫い止める。


虹色の瞳から発せられる殺気と

全てを無に返さんとする様な言葉に

アディアロス・ウル・ティアマット

は巨竜の本性を表す。


アディアロスの口から魔法陣が浮かんだ。

瞬間眼前の景色が消失。


遅れて凄まじい轟音と共に、

遥か彼方まで黒い炎が揺らめく焦土と化した。


しかし驚くべきことに、半身を失ったカーネリアスがそこに立っていた。


アディアロスは巨大な爪を持った手でカーネリアスを掴むと、腕ごと消し飛ばす様に

再度更に大きな魔法陣が出現


「ッ…」

声にならぬカーネリアスの声を掻き消して


次の瞬間にはアディアロス自身の腕ごと

カーネリアスを消し飛ばし、同時に

西門の一部と魔の森の一部の広大な土地を焦土と化した。


人の姿に戻ったアディは、スルトの側に駆け寄って、ぐしゃぐしゃに泣きながら

治癒の魔法を発動させる。

しかし無情にも急速に生命力が失われて行くのを感じ、アディの瞳には強い動揺が浮かぶ。


妙に視界の景色がゆっくりとなっていく中

アディの悲しそうな声が聞こえる…

泣かないでほしいなとスルトは思って。


意識は途絶えた。


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