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義理の兄妹になっても僕らは両想いなので、学園でも家でも隠れて付き合うことにしました。  作者: まさな
■第一章 そして僕らは家族になっていた

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●第二話 僕が恋に落ちた少女(2)

「他のヤツから聞いたんだけど、この子、オレらと同級でこの学校の子だっていうじゃないか。どの子かお前、知ってるかと思ってさ」


「……いいや、僕が知るわけないだろ」


 目と鼻のすぐそこに鈴崎がいるというのに、斉藤は気付かない様子だ。ま、髪型も違うし、なんというか……こんなふうに明るく笑っている表情だと、お喋り好きの性格な子に思えてしまう。実際の本人はどちらかというと無口で控えめな子なのだけれど。


「そうか。まあ、そうだろうとは思ったんだけどさ。でも、こういう同級生が彼女だったら、人生バラ色だろうなぁ」

「そうだろうな」


 そこだけは完全に同意だ。僕も大きくうなずく。


「ま、オレらみたいなオタクが告白したところで絶対OKはもらえないし、こういう子はとっくにお手つきされて、彼氏もいるんだろうけどな」

「なっ、何を言うんだ。まったくわけのわからないことを」

「ああ? いや、普通そうだろ」

「いいや、お前の科学的根拠に欠ける偏見だ」


 絶対に偏見。鈴崎は男子が苦手だと話しているのを聞いたことがあるし、そんな恋人らしき男の存在は見かけていない。まぁ、僕もよくは知らないんだけども。いたらどうしよう。そうなら、立ち直れない気がしてきた。はぁ……。


「偏見って、そうかなあ?」

「それより斉藤、学校でこんなものを開くな。持って帰れ」

「わかったよ。ま、やっぱオレらは二次元だよな」


 何の疑いも無く自分で納得したようにポンと肩を叩いてくる斉藤だが……すまん、斉藤。僕は二次元が嫌いになったわけじゃないけれど、本物の美少女に遭遇し、もう新たなステージに進んでしまったのだ。許せ友よ。


 あれは去年の夏休みの直前だったか――。

 たまたま目覚まし時計が進んでいてやたら学校に早くやってきてしまった日があったが、それが僕の運命を決定的に変えてくれた。

 教室の後ろに飾ってある花瓶の水を取り替えている少女。


 それが鈴崎だった。

 別に彼女は係でも日直でもなく、誰に頼まれたわけでもないようだったが、教室の雰囲気作りに気を配っていた。

 それから鈴崎を意識し始めた僕は、彼女が友達と話している会話を時々盗み聞きしたが、いつも控えめで、勉強熱心で、他人の悪口を言わない子だとわかった。

 今までそんな心まで綺麗な美少女など二次元にしかいない!と信じていた僕には世界観が変わるほどの衝撃だった。


 それからほぼ一年。

 相変わらず僕は彼女をずっと密かに観察している。告白するとか、声をかけるなんて絶対に無理。僕は遠くから彼女を眺めているだけでも幸せなのだ。それを壊すなんてとんでもないし、変化も望まない。僕は静かなる観察者であり続けたかった。


 放課後、僕は斉藤からの格ゲー対戦の誘いを断って、すぐにコンビニへと急いだ。

 今日見たファッション雑誌を買うためだ。コンビニにその雑誌が売っているのは見かけたことがあった。

 だが。


「キャハハ、それいいかもー」「だろ?」


 校則違反の赤パーカーを下に着込んだり、リボンを外したりしている派手なグループがそのファッション雑誌の売り場コーナーを占領して駄弁っていた。

 邪魔だなぁ。

 早くどっかに行けば良いのに。

 黙って雑誌だけ抜いていくか? でも、同じ学校のヤツに僕がそのファッション雑誌を買っているところを目撃されたくはないんだよな。友達の斉藤にも気付かれないよう、あえて興味の無いフリをして押し返した工作が無駄になってしまう。

 もしも鈴崎に、写真目当てでその女子高生向けファッション雑誌を買っていると知られてしまったなら――。


 そんなクラスメイトの男子なんて、確実に気持ち悪いと思われるだろう。それどころか嫌われてしまうかもしれない。それはヤバイ、耐えられない。

 第一、そんな邪な目で鈴崎を見るのは僕自身も何だか許せなかった。まぁでも……うん、これは買うつもり。

 とにかく、彼女に知られなければいいのだ。

 早くどいてくれないかな。


「あ、そういえば知ってる? うちの学校の子が、この雑誌で読モやってるんだって」

「マジで?」

「あ、オレも聞いたことあるぜ! 名前は忘れたけど、結構可愛い子だった」

「2Aの鈴崎だよ」


 まずい。こんなチャラチャラしているグループに鈴崎が知られているとは。


「ふうん、どれよ?」

「確か、今月号にも載ってたっしょ。ええと、あった、これこれ」


 髪を染めている感じの女子がチャラ男にページを見せた。

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