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義理の兄妹になっても僕らは両想いなので、学園でも家でも隠れて付き合うことにしました。  作者: まさな
■第三章 紫陽花の季節

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●第三話 買い出し

 嫌な行事が待ち構えていると、カレンダーの進みはやけに早いようだ。あっという間に二週間が過ぎ、いよいよ明日は林間学校の日になってしまった。


「あー、風邪を引いてサボろうかな。でも、体育の単位になると聞いたしなぁ」


 勉強机の椅子にもたれかかりながら僕が考え込んでいると、窓が突然開いて、そこから真夜が入ってきた。


「よう、悠真、何してるんだ?」


 家が隣同士で屋根を渡れるとはいえ、実際にやるヤツはほとんどいないと思う。落ちたら危ないってのに。


「何もしてない。それより真夜、せめてノックくらいしろ。つーか玄関から入って来いよ」

「いいだろ、こっちのほうが近道だし。それより明日の林間学校の食い物はもうそろえたのか?」

「ああ、僕の担当はタマネギだからな。もうリュックに入れてあるぞ」


 ついでに隠し味にハチミツとビターチョコレート、それに香り付けのスパイスも持っていくつもり。


「おやつは?」

「おやつ? ああ、五百円分までお菓子を持ってっていいんだっけか。スポーツドリンクと歯磨きガムだな」

「ああ? そんなのバスで食べられないだろ」

「食べなきゃいいだろ」

「わかってねえなあ、悠真は。いいか? バスの時間の楽しみは、食べ物の交換だぞ? それを友達同士でやるから楽しいんだろうが」

「むむ、なるほど、そうだったか。いやぁ、僕は昔から友達ってあんまりいなかったからな……」

「それ、悠真が他人との壁を作るからだぞ」

「別に作ってる覚えはないが」

「作ってるっての。ま、アタシがいるから安心しろ。クラスが一緒で良かったぜ」

「そうだな」


 そこは素直に同意だ。ちょっとうっとうしいときもあるけど、真夜が側にいないと落ち着かないことがある。真夜とは幼稚園の頃からずっと一緒だったし、こういうイベントのときにはとても心強い。


「じゃ、アタシもまだだから、今からおやつを買いに行くぞ」

「ああ。じゃ、出かけるか。コンビニかな?」

「うーん、コンビニも流行のいいのが置いてあるけどな、友達と同じのを持っていっても面白くないし、ちゃんとスーパーのお菓子コーナーまで行くぞ。品ぞろえ優先だ!」

「わかった」

「じゃ、財布財布っと」

「おい、真夜、それは自分でやるから」

「いいから悠真、お前はさっさと着替えろよ。その格好で行くのか?」


 今は楽な部屋着のスウェットだ。ま、着替えた方が良いな。


「へえ、悠真も筋肉がついてきたな」

「こっち見るな」


 着替えていると、ノックがあった。


「おう、今、開けるぞ」

「あっ」


 真夜を止める間もなく、ドアが開かれてしまう。しかも困ったことに、向こうには葵がいた。彼女が着替え中の僕と、真夜が部屋にいるのを見て、ぎょっとしたように硬直する。


「なんだ、葵か。なんか悠真に用か?」

「ご、誤解だよ、葵さん。僕は出かけるから着替えてただけなんだ。何もしてないから」


 慌てて服を着込んで説明する僕。


「そ、そうですか。そうと知らず、お邪魔してすみません」

「いいっての、気にすんなよ」


 真夜のヤツ、お前が謝るところじゃないんだが。ったく。


「アタシら、今から明日のおやつを買いに行くんだが、葵も一緒に行くか?」

「あっ、私もそれで来たところです。一緒に行きましょう」

「おお、いいぜ。じゃ、行くぞ」


 僕らは三人でスーパーに向かった。


「やっぱ、こういうときはチロルチョコとウイスキーボンボンとたけのこの里だよな。あとカールとポテチも食いてえ!」


 真夜があれこれと食べたいお菓子を言う。確かに僕も食べたいしおいしそうだけれど。


「待って、真夜さん、ウイスキーボンボンって結構、高かったと思いますよ。一個や二個だけじゃすぐ無くなっちゃうし」


 葵が言う。


「ああ、そうだな。じゃあ、今日は他のにするか」


 僕は値段を見つつ、安い板チョコを選ぶ。


「おい、悠真、板チョコだと、みんなで分けて食べにくいだろ」

「ああ、それもそうか」


 みんなで種類が同じにならないようにお菓子を買い込んだ。


「お、懐かしいなあ。見ろよ、悠真。これ」


 真夜が子供向けのお菓子を指さしたが。


「ん? それがどうかしたのか」


 パッケージにはおどろおどろしいお化けと、実験という文字があるので、僕はちょっと心配になった。

 それに、なんだろう、この背中のムズムズ感。


「あ、これ混ぜると色が変わるヤツですね」「そうそう、パッケは違うけど、一時期、悠真が思いきりこれ系にハマっててさぁ」

「へえ、悠真くんが」


 葵が興味を示してしまった。


「大魔導師ユーマの錬金術を見よーとか、わけわかんねえこと言ってただろ」

「や、やめろ、真夜、そんな昔の話はいいだろ」


「フフ、霊薬とか封印とか言ったり、段ボールでスゲえ本格的な剣作ってたりして夜中に振り回してたぞ、こいつ。しかも小学校じゃなくて中学のときだぞ?」


 思い出してしまった。やめろ、やめてくれぇ……。


「そ、そうなんですか」

「もういいだろ、レジに行くぞ」


 僕はやるせない気持ちのまま早足でレジへと向かった。ああもう、あとで真夜に昔の話を葵に絶対言わないよう、言い聞かせておかないと!

ちょっとドリコムメディア賞の締め切りに間に合わない気がするので、

投稿ペースを上げます(;´Д`)

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