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第1章 4 希望なんです!

2話投稿いけそうな予感…!(嘘ついたらごめんなさい)

 俺は初めてこの真顔女神の表情が大きく変わるのを見たかもしれない。まぁ、会って数十分なんだが。そしてその女神は驚きを隠せないとでも言うような顔をしていた。そう、目ではない、顔だ。

 俺のあの数十分で身につけた謎の能力ではない、

錯覚でもない、目で伝わる表情ではなく、しっかり顔に出る表情だ。わぉ、びっくり! なんつって。

 まぁ、俺は自分の願いを告げただけだ。

 こんなに驚かれる謂れはない気がするのだが……気にしたら負けだな。うん、気にしないでおこう。

 俺の脳内でそんなやり取り(独り言)が行われた後にプリミエルは我に返ったように口を開いた。


「え、えっと。願い事ですよ? なんでもいいんですよ? 最強の力だの、ものすごい魔力保有量だの、未来視だの沢山あるんですよ? 考え直したりはしませんか?」


「幸運を高くしてください」


 俺は即答する。もちろん即答だ。そう、もちのろんだ。

 なんだってわざわざ不幸になると分かっているのに幸運を高くしないことがあろうか。

 俺の体質と中和、もしくは上書きしてくれさえすれば、俺は生きていける気がする。

 何でもできる気がする。そう、運があればなんでもできる! いくぞっ! 1! 2! 3! ……言わないよ?

 それはそうとして、なんであの仏頂面女神は当たり前のことを聞くのだろうか。実は馬鹿なのだろうか。ボケようとか必死に思ってるのだろうか。

 まぁいいか。とりあえず話の続きをして早く転生させて貰おう。


「他になにを望めっていうんだよ?」


「あの世界はいわゆる剣と魔法の異世界というやつですよ? それにもかかわらず、運気をあげてくださいと頼むなんて……」


「馬鹿だってか? もったいないだとか言うのか? それなら馬鹿はあんただ。いいか。俺は、散々この体質に悩まされて、いや、苦労させられて、死ぬほど! 迷惑して! 実際本当に死んだし? 理不尽な殺され方したし? なのに! なのに、この不幸な体質引きずったまま転生しろってか?! いいか、もう一度言う、あんたは馬鹿だ。俺は妥当な、いや、パーフェクトな願いを言ったはずだ。これ以上なにを望めってんだ! 俺はこの体質をどうにかしたいんだよ! これは俺の切実な願いなんだよ! 最後の希望なんだよ! あんたにこの気持ちが分かるか? 分からないだろうな! この切実な願いを考え直せって言ったしな! かつて以上に期待してるんだ! 運気がアップするっていう今度こそ本当にあがるかもしれないってのにわざわざ見過ごすわけにはいかねぇだろ! だから、俺は運気を、あげて欲しい! これは、俺の、譲れない望み!!」


 プリミエルは呆気に取られていた。

 そこまで言ってくるとは思っても無かったからだ。

 凄まじい気迫に押され、プリミエルは動揺していた。傍から見ればすまし顔なのだが。


「そ、そうですか……」


「あぁ。俺は、運気を上昇させて欲しい」


「わ、わかりました。その願い、承りました」


 プリミエルは気圧されつつ了承した。


「では、貴方様の運気を最大レベルから2ランクほど落としたレベルまで引き上げます。最大レベルとなるともう貴方様1人の言動、行動で歴史が変わってしまいますからね。そこまで上げてしまうとまた不自由すると思いますので2ランクほど下げさせていただきます」


「ん。わかった。それでいい」


「他に説明などは要りませんか? 無いようでしたらサクッとふわふわ転生させて頂きますね」


「んー特にないかな。あ、俺って転生したら男の子? 女の子? 男の娘?」


 これは結構重要事項だな。

 転生して男の娘とかだったら生きていける気がしない。

 というか、それだと運以前の問題だと思うし。


「それは貴方様がお決めなさって下さい。

転生の門を潜る時に念じて潜るとその性別になれると思いますので」


「あ、自分で指定するのか。わかった。んじゃ、よろしく頼む」


「はい、かしこまりました」


 そう言ってプリミエルが指をパチン! と鳴らすと俺の目の前に中から眩しい光が差している門が現れた。

 よし、これからあのろくでもない世界とは違う、楽しくて面白い異世界に転生できるのだ!

 俺は意気揚々と門を潜ろうと……


「あ、あれ? ……出す門間違えちゃいました。てへぺろ」


 真顔でプリミエルがそんなこと言って……




 ………俺本当に運気あがってんの?

私はまだ余裕があるらしい。

来月まで持つだろうか…

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