プロローグ
───なんで。なんで俺だけ……。
くそっ、少しでもいいと思ったらこれだ。
このろくでもない世界は。
こんなところなんて、こんな世界なんて、俺は大っ嫌いだ!!
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「川島廉翔さん。貴方様は先程、不幸にもお亡くなりになられました」
「……」
「そう長くない人生でしたが、貴方様はお亡くなりなさったのです」
「…………」
「受け入れられないこともありますでしょうが、貴方様は」
「だぁぁぁぁぁ!!! さっきからうるせぇよぉぉ!
死んだことくらいわかってるわ!!
俺が気にしてるのはそっちじゃねぇ! なんなんだよあれ!
俺が何かしたか?! 気に障ることでもしたってのか!?
クソ野郎! だから俺はあの世の中が大嫌いなんだっ!!」
「そうですか、では話がはやくて助かります」
急に話を遮られて叫びだした目の前の川島と呼んだ男に驚きもせずに受け流す金髪でスラッとした体型のしかし、でるところはしっかりでたメリハリのある体をした女性、いわゆる美人な女性。
しかし、背中には純白の翼が左右に伸びている。
どうやら彼女は人間ではないらしい。
「自己紹介がまだでしたね。私は、この世界、つまり日本の死者の案内をさせて頂いております、女神プリミエル・ドグマと申します」
と、丁寧に自己紹介をする女神。
「あぁぁぁ……あ? 女神だぁ? 本当にそんな奴実在したんだな。そんなことより、俺は俺を殺した奴をぶちのめしてやりたい。泣いて謝って命乞いしても許さねぇくらい痛めつけてやる!
今までの鬱憤くらい晴らしてやらぁ!!」
「貴方様は亡くなられましたので、それは不可能です」
キッパリと告げる女神。
「あぁ、くそっ! それができるなら今頃ぶちのめしに行ってるのに! 毎回毎回なんやかんや巻き込まれて、そろそろまじで死ぬんじゃないかとか思ってたらこれかよ……。
……あぁ、もういいわ。どうせあんなクソつまらんとこにいても楽しくもねぇしな。未練なんてないしむしろ恨みしかねぇ。それにしても……おい、女神とやら。ここはどこだ? 俺は死んだはずだが?」
「はい。ここは白の神殿と呼ばれる場所です。簡単に言えば死者の案内所という感じになります。この世界で亡くなった方、つまり死者を迎え入れ新たな人生を与え送り出しているのです」
「なるほど。あれか、ラノベでよくある展開だな。……で、俺はどこに生まれ変わるんだ? できれば日本はもう嫌なんだが」
「まぁ、そう焦らないでください。貴方様にはお伝えすることがあるのです。その前に、少し状況を整理してみましょう」
女神プリミエル・ドグマはそう言って男に向かって、
微笑んだ───。
初投稿です!
掲載日時はバラバラになると思いますが
何卒よろしくです。