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プロローグ


 後宮、という言葉を聞いて、どんな場所を思い浮かべるだろう。


 ハーレム。

 男のロマン。

 国中の美人を集めた女の園。

 一人の男を巡って女たちが争う、囲われた小世界。


 それが、それが。



「それが、なんでこんなことになってるんですかーっ!」



 思わず叫ぶ。


 男、男、男。男しかいない。

 しかも全員美形。まるで男だらけの男ハーレムだ。



 ――どうしてこうなった!



 なんてセリフが頭の中をぐるぐる回る。

 そしてわたしは事の顛末を思い返しながら、元凶である父に、頭の中であらん限りの罵声を浴びせるのだった。



中編を予定しています。不定期更新です。よろしくお願いいたします。

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