黄と黄の邂逅
なぜか突然起こった状況、それは…
それでは、どうぞ
Side:黄
「はあ……」
これで何度目の溜息かな。
一体なんだってこんなことに……
「それじゃ。ちゃんとこの世界について説明してよね」
今でも信じられない気持ちだった。
「なんでぇその態度は。まだ怒っとるんかい」
「別に。ただあんたは天使で敵だからよ」
「んだよ。俺様を信じろってんだ」
なんせ今、私の隣にいるのは……
「わかったわよ。ジョヌ」
四輝天使の一翼。〈樺地〉のジョヌだからよ。
ここにシアンとマゼンタはいない。
なぜこうなったかと言うと……
―――――――――――――遡ること三十分前―――――――――――――
「よし! これであとは……」
「ああ、あの鉄の箱だ」
あの後、大量に円盤がやってきたので倒すのに苦労した。
連射の銃は脅威だったが、シアンの【広範囲音源感知】で、見えなくても位置は解るし、マゼンタの【熱線】で遠くても攻撃できる。
それにあたしの重力で落とすことも可能であり、着々と数を減らしていった。
そして本命の鉄の箱である。
「にしてもでっかいわね…」
それはとてもでかかった。
円盤の優に十数倍は大きく、鉄の箱にも何やらたくさんの武装があった。
とにかく落とそうと構えたのだが……
「キケン。キケン。警戒レベルヲオレンジ、カラ、レッドニ設定。特殊弾、発動」
「な、なんだ?」
「なにをする気だ……?」
すると、鉄の箱から、あたしたちに向かって何やら大きな球が発射された。
そして、その球がひとりでに割れると……
ビッカ――――――――――――!
「きゃ!」
「まぶしっ!」
「なんだ!?」
急に目の前が眩しく……
ガッ! ガッ!
「うお、掴まれた!」
「なにをこんなの!」
え?ちょっと、何が起こっているの!?
ビリリリリリリリリリッ!
「「ぎゃあああああああ!?」」
え!? シアン! マゼンタ!!
あたしはそろそろ大丈夫かと目を開けたらそこには…
「ニンゲンホカク。ニンゲンホカク」
「……………」
いつの間にか箱から生えた手が気絶したシアンとマゼンタを捕まえていた。
「なんで!?」
え、なんであいつら簡単に捕まっているの!? いったいさっきの眩しかった間に何があったの!?
あたしが混乱している隙に箱が、
「シュウヨウ、シュウヨウ」
「あっ!」
そう言って箱の上の部分を開き、二人をそこに入れた。
そして上昇しどこかへ行こうとした。
「……って! まだあたしがいるんだけど!?」
「ヨク、ハラナイ。ヨク、ハラナイ」
こいつ……意外と賢い!?
「キカン、キカン」
「ちょ、待てってば―――――――――っ!!」
《重力》で落とそうかと考えたが、だめ。二人を巻き込んでしまう。
ならば……
「はっはっは! 見つけたぜぇ!」
「へ……?」
あたしが突然の声に呆然していると、
ビュ――――――――――ン………!
「あ…………」
鉄の箱はどこかへと行ってしまったのだった。
「あぁ――――――――――!?」
ちょっと! なんなのよ! 今の声のせいで行っちゃったじゃない! 何であたしだけ一人ぼっちなのよ!
誰よ今の声は!
「神に挑みし挑戦者ぁ、ここで会ったが百年目ぇ!」
別に百年は経ってないわよ、と思っていると。
グオオオオオオォォォォォォォォォォ!!
「!?」
……………突如目の前に開かれた次元の穴
そこから出てきたのは……
「ヴェールを退けたその力ぁ、俺様にもどうか示して見せろぉ!」
黄を基調とした魔術師のようなゆったりとした服
透けるほどに白い髪
そして、背中には半透明の淡い翼
え……まさか……
「俺様の名はジョヌ! 四輝天使が一人、〈樺地〉のジョヌである!」
「えー………」
なんでこんなタイミングで……
しかも独特すぎる……
「さぁさぁ、挑戦者よ! 神を倒すならぁまずは俺様にぃ………ん?」
変な天使は気づいたようだ。
あたししかいないことに。
「あれ、お前ぇ誰だ?」
「ってわからないんかい!」
「お! お前ぇ挑戦者の一人だなぁ」
なによ挑戦者って…
「そうよ、その一人よ」
「あれ? 三人と訊いたが他の二人はいってぇどこに?」
「他の二人は連れていかれたわよ。変な空飛ぶ鉄の箱に」
「へ? なんと?」
聞き返すな! 腹が立つ!
「だから連れていかれたのよ! 変な空飛ぶ鉄の箱に!」
「な、なんだってぇー!?」
ちょ、声がでかい!
「お前ぇ折角、俺様が命かけてぇここまで来たのになんだってぇそんな間抜けなことに!?」
「間抜け……」
たしかにあたしは呆然としたところを突かれたことは多かったし、
捕まった二人も二人だけど……
「あんたには言われたくないわぁ―――――――――――!!!」
「おい!?」
「あんたがあそこで登場しなければまだいけてたのに――――――――――――!!!」
「なんだってんでぇ。こいつは」
八つ当たりとはわかっていながらも叫ばずにはいられないあたしであった。
――――――――――――そして現在に至る―――――――――――――
「とりあえざぁおめぇらと戦いたいんでぇ、取り戻すまでぁ協力するぜえ」
「わかったわ。それまでは休戦ね」
どうやらジョヌはあたしたちと闘いたいため、二人と再会するまで協力することになった。
「それじゃぁこの世界の説明をする」
そして今、この世界の事を聞いてるのだ。
「この世界はいわば科学技術が発達した世界でぇな。俺様やお前ぇのような不思議な力が全くない世界だ。」
「科学技術………?」
「そう、純粋な技術でできてるんだよ。この世界は」
「ちょ、ちょっと待って!」
それって……
「あの空飛ぶ鉄の箱も宙に浮いている円盤もみんなただの技術なの!?」
「ああ。お前ぇの言うそれはロボットの事だな」
「ロボット?」
聞いたことがないわね。
「なによそれ」
「ロボットってなあいわば人間が作った……天使のようなものだ」
「天使!?」
「そうだ。〈輪あり〉、つまり下位天使と同じようなものだ」
この世界の人間ってそんなことができたの!?
「人間の命令に忠実でなおかつ一定の自立した行動がとれる鋼でできた人形さ」
技術のみでできるなんて……
……ん?
「ちょっとまって、その人間はどこへ行ったの?それに何でこんなにも世界は荒廃しているの?」
「ああ、それはな………
……ロボットが反逆し、人間を……、世界を滅ぼしたからだ」
「え…………?」
滅んだ………?
人間が……世界が……?
「それっていったいどういう……」
「言ったまんまでぇ。ロボットが人間を殺しつくしたんでぇ」
「でも! 命令には忠実なんじゃ……!」
「そうだ。あれができるまでは、だがな」
「あれ?」
なによあれって。
「そうだなぁ。俺様が説明するよりもわかりやすぃとこがある。ついてこい」
「ついてこいってどこに?」
「なぁに、そりゃぁなぁ」
ジョヌは町の向こう側に指差して言った。
「あっちに研究所がある。そこに行きゃあわかるってもんよ」
ジョヌはそう言ったのであった。
いったいどうなることか、




