プロローグ・中
神が人類を管理し始めてから五十年後。
ドーム状の都市内でレジスタンスが誕生しました。
彼らは神に対し不満をもっていました。
神の人類に対する管理はますます厳しくなっていきました。
法に反するものや、罪を犯すものに対し、容赦がなくなってきたのです。
彼らレジスタンスはメンバーの家族、親友、恋人が神に『処刑』されてしまった人たちの集まりです。
レジスタンスには三人のリーダーがいました。
一人は藍色の瞳が特徴の青年。
一人は赤黒い肌の筋骨隆々の青年。
一人は腰まで長い金髪の女性。
リーダーにしては皆、まだ若い人でした。
それもそのはず、レジスタンスの構成員は十代後半から二十代後半までしかありません。
ドーム状の都市の住民のほとんどは、神に対して逆らおうとは思わないのです。
皆、過去の戦争での神の強さや恐ろしさを知る人ばかりであり、その子供や孫も決して逆らうなと教えられてきたのです。
皆、神には絶対勝てないと思っていました。
しかし、レジスタンスのリーダー三人はあることを考えてました。
神に対抗するためにはどうすればいいか。
その結論は「悪魔を召喚し、力を貸してもらうよう契約する」との事でした。
リーダー三人はリスクを承知でメンバーの一人に頼み、悪魔を召喚しました。
悪魔はとても恐ろしい容姿をしており、全身から黒い「何か」を纏っているようでした。
藍色の青年は言います。「オレたちに力を貸してもらえないか」
悪魔は言います。「なぜ、我の力を欲する?」
赤色の青年は言います。「神を倒すためである」
悪魔は言います。「なぜ、神を倒す必要がある」
黄色の女性は言います。「神は私たち人類を管理させることで争いを起こさないようにしているのでしょうが、もうその必要がないとわからせるために」
悪魔は言います。「何のために神と闘う」
藍色の青年は言います。「これは人類を解放するためである」
赤色の青年は言います。「これは神に対する復讐である」
黄色の女性は言います。「もしあなたが力を貸してくれたら、私たちはあなたのどんな要求にも応えます」
悪魔は言います。「そんな理由のために神と闘うか……
……面白い!」
悪魔は報酬に神の亡骸を要求し、彼らに特殊な力を授けました。
藍色の青年は《音》のちからを、
赤色の青年は《熱》のちからを、
黄色の女性は《重力》のちからを、
それぞれ授かりました。
リーダー以外にもメンバーのほとんどが力を授けられました。
悪魔は神に敗れた場合のリスクを話し、そのまま帰ってしまいました。
悪魔から力を授かった彼らは、ついに神との戦争を始めてしまいました。
神が終わらせた戦争を……。
次でプロローグが終わりますので、異世界はもうしばらくお待ちを。