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第6話 封印の秘密と激突の予感

朝、村の宿で目を覚ます。ライル――転生した俺、ジョン・ライリーの体は、昨夜の遺跡での戦闘の疲れを微塵も感じさせない。ステータスに突然現れた「封印された力(???)」。女神の転生時、こんなスキルは聞いていない。力の制御が難しいのは、この封印のせいか? シールズ時代、未知の敵に遭遇した時のような緊張感が胸に広がる。

ステータスを確認。

【名前:ライル】

【レベル:4】

【力:106】

【耐久:86】

【敏捷:126】

【スキル:超人的身体強化パッシブ戦闘適応アクティブ、魔法適性(初級)、封印された力(???)】

封印された力。詳細を見ようとすると、視界にぼやけた文字が浮かぶ。「解放条件:不明」。ヤバいな、これ。女神の慈悲が裏目に出てる気がする。村の外で魔物の気配が増えてる今、力の暴走は避けたい。

宿を出ると、村はいつも通り賑やかだ。市場で果物を売るおばさんが俺に手を振る。「ライル坊、遺跡の魔物を倒したんだって? 村の英雄だよ!」英雄か。シールズ時代、表彰された時もこんな感じだったが、仲間を失った後味が悪かった。

ギルドに着くと、リナがカウンターで古い本をめくっている。エルフの耳が、ページを捲る音に合わせて微かに動く。「おはよう、ライル。昨夜の魔法陣、壊せて良かったわ。でも、あの黒ローブの男の言葉…『予言の勇者』って気になるわよね」

「俺もだ。ステータスに変なスキルが出てきた。封印された力、って。リナ、知ってる?」

リナの目が輝く。「封印? エルフの伝説に似た話があるわ。古い神殿に、勇者の力を封じる遺物があるって。村の北に廃神殿があるの。行ってみない? 私も興味あるし」

「廃神殿か。偵察任務みたいだな。21世紀の遺跡探検よりマシだけど」俺は笑う。リナがクスクス。「ライル、いつも変な言葉使うわね。21世紀って何?」

村長に許可をもらい、廃神殿へ出発。森を抜け、石畳の道が崩れた遺跡に到着。苔むした柱、崩れた壁。空気が冷たく、魔力の残滓が漂う。リナが杖を掲げ、青い光で周囲を照らす。「ここ、女神の神殿だったの。魔王戦争で壊されたって」

奥の部屋で、祭壇を見つける。埃まみれの石板に、文字が刻まれている。リナが読み上げる。「『転生の勇者よ、汝の力は世界を救うも、破壊もする。封印を解くは、試練の時』…ライル、これあなたのことかも!」

「試練か。シールズの訓練みたいだな」触れてみる。突然、視界が白く染まり、女神の声が響く。「勇者よ、封印は汝の力を抑えるため。魔王の脅威が増せば、解けるだろう」

意識が戻る。リナが心配そう。「ライル、大丈夫? 顔色悪いわよ」

「女神の声が聞こえた。封印は俺の力の制御装置らしい。でも、解けるとヤバいかも」シールズ時代、制御不能の兵器を扱った時を思い出す。あれで仲間を危険にさらしたくない。

だが、静寂を破る咆哮。神殿の外から魔物の群れ。ゴブリン15匹、魔狼5匹、そして黒ローブの男が再登場。今回は2人、紫の魔力が強烈。「勇者め、封印を解く前に潰す!」

「リナ、援護を!」俺は戦闘適応スキルを発動。体が熱くなり、感覚が研ぎ澄まされる。ゴブリンが槍を突き出す。槍先が風を切り、金属の輝き。俺は左にステップ、槍をかわす。拳を握り、軽くパンチ。バゴッ! ゴブリンの胸が凹み、吹き飛ぶ。力を抑えたのに、死んだ。封印の影響か?

魔狼が牙を剥き、跳びかかる。爪が空気を裂き、唸り声が耳を刺す。シールズの記憶がフラッシュバック――砂漠で、仲間が敵の罠に落ちた瞬間。「守るんだ!」MPを調整。「ファイアボルト!」ゴウッ! 火球が魔狼の毛を焼き、地面に倒れる。焦げ臭いが広がる。

リナが叫ぶ。「私も!」杖を振る。「ウィンドスラッシュ!」緑の風がゴブリンを3匹切り裂く。血が飛び、悲鳴が響く。「ライル、連携よ!」

黒ローブの男たちが魔法陣を展開。紫の光が神殿を包み、地面から影の触手が伸びる。「死ね、勇者!」触手が俺を狙う。鞭のようにしなり、風圧が頬を切る。俺は跳躍し、触手を回避。「ウィンドカッター!」ビュン! 風の刃が触手を切り裂く。だが、男が笑う。「封印が揺らいでいるな。面白い!」

確かに、力が増してる気がする。ステータスを見ると、封印された力が微かに光る。試練の時か? もう一人の男が火の魔法を放つ。「インフェルノ!」赤い炎が渦を巻き、熱風が襲う。リナが盾魔法で防ぐ。「ライル、隙を!」

俺は突進。シールズの格闘術を全開。男の杖を狙い、肘打ちを叩き込む。ガキン! 杖が折れ、男が後退。もう一人の触手を蹴り飛ばし、パンチを腹に。ズドン! 男が血を吐き、倒れる。HPが400/500に減ったが、勝った。

リナが息を切らす。「ライル、すごい…でも、封印が解けかけてる? 力、強くなったわよ」

「そうだな。女神の言葉通り、試練で解けるみたい。でも、制御が…」周囲を見ると、神殿の壁に新たな文字。「魔王の城へ向かえ。予言の勇者が世界を変える」

村に戻る。村長が驚く。「ライル君、神殿で何が?」

「魔王軍の目的は俺らしい。村を守るため、旅立つかも」リナが頷く。「私もついてくわ。エルフの知識、役立つはず」

夜、ステータスを確認。封印された力が少し解放され、力:110に上がってる。だが、暴走の兆し。遠くで魔物の咆哮。魔王軍の本隊が来る予感。次は、もっと大きな戦いだ。

(続く)

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