麻雀はいつまでたっても・・・
初めて書きました.拙い文章ですが,読んでいただけると幸いです.
麻雀が好きな方でないと分からないことがあると思います.
小学生からの友達である4人は,社会人になり,離れ離れになった今でも集まって,よく遊んでいた.
今日は,僕がみんなを誘い,麻雀をすることになった.麻雀はみんな大好きで,学生時代にもよく夜を明かすまで4人でやっていた.
雀荘に着き,早速打ち始めていく.
僕は打牌と同時に,
「今日のご飯代は僕が奢るよ.みんなに集まってもらったからね.」
というと,
「お,サンキュー.でも大丈夫か,ウィル.お前いつも負けてるけど.」
「大丈夫.今日こそ勝ってご飯代も浮かせて帰るよ.」
「それは手ごわそうだな.はっはっはっ.」
3人は僕を小ばかにしたように笑う.
その後,数巡したところで,麻雀を打ちながら,ブラウンが
「今日,実は懐かしいもの持ってきたんだよ.小学生の時,みんなで遊んでたゲーム.」
ブラウンが大きめのカバンから取り出そうとする.
「あー,あれ?ニンテンドー何だっけ.」
僕は小学生時代を回顧しながら思い出そうとする.するとボブが,
「ロクヨン」
「あーそれか.」
ニンテンドー64は僕が小学生低学年の時代に発売されたゲームで,マリオやカービィなどのソフトが人気であった.
「違うよ.プレステ2だよ.明日みんな休みだし,これで遊ぼうぜ.」
「プレステ2か.ドラクエとかよくやったなー.」
小学生の頃の思い出が蘇ってくる.僕は,ニンテンドー64は買ってもらえなかったが,プレステ2を親にねだって買ってもらい,深夜まで,ドラクエをやりこんで,怒られたのを思い出した.
小学生時代の思い出話に花を咲かせながらも,麻雀の手は止めずに続いていく.
この雀荘には,僕たち以外にも,数組いるようだった.全自動の雀卓の麻雀牌をかき混ぜる喧々たる音が鳴り響く中,僕は,小学生の頃の話のついでに中学生の頃のことを思い出した.
「そういえば,中学校の時,ブラウンはアマンダのことが好きで告白したんだったろう?その後,みんな気を使って結果聞けなかったけど,何も話してこなかったから振られたと思ってたんだよね.」
僕は,ツモ牌を切り捨てながら,ブラウンに聞く.
「チッチッ.実はその告白成功して付き合ってたんだよ.ただ,アマンダが恥ずかしいからって,みんなには黙ってただけなんだよ.」
「そうなんだ.」
思春期の学生は他人の色恋沙汰には,すぐに首を突っ込むくせに,自分のことになると途端に隠そうとする.僕は,隣のクラスの子が好きだとブラウンに相談して,みんなにバラされたことを思い出した.ただ,それをきっかけにその子と付き合えたことも今となってはいい思い出だ.
ブラウンはアマンダと付き合っていたことを隠していたこともあり,少し照れながら,小手返しを繰り返していた.
「ニック.そういえば,お前も中学生の時付き合ってた人いただろ?」
「俺は,そんな長く続かなかったなあ.」
ブラウンは自分の話題から逸らそうと,質問側に回る.しかし,中学生の頃とは違い,大人になった僕たちは,恋愛話をからかうようなことはなく,この話は,自然と流れていった.
この局も終盤となり,自分の手も進んでいる.
「ウィル,そろそろ本気出さないと,やばいんじゃないのか?」
「確かに,今日は調子悪そうだな.はははっ」
確かにここまで,あまりよくなかったが,この手を見たら,その嘲笑もすぐに消えるだろう.僕は,有効牌を引いてきて,勢いよく牌を曲げた.
「リーチ!」
「8000」
ブラウンは僕の打牌と同時に,自分の手牌を倒し,点数を申告した.
「やっぱりウィルはいつまでたっても麻雀下手だなあ.」
そういうと,ボブは紙を取り出し,みんなの点数を記録し始めた.
気づけば,僕の点数はマイナスになっていた.
トリックの説明
点数申告の俗称がトリックとなっています.
サンキュー→3900
ロクヨン→6400
チッチ→7700
ニック→2900
最後の8000放銃により,マイナス3900点になるというトリックです.
会話の中に点数の申告を紛れさせました.
ロンの発声が無くても許される仲間打ちならではのトリックだと思います.
無理やりな感じではありますが,初めて思いつきで書いた小説なので,大目に見てください.