変人な魔法少女達♡
_皆様はゴブリンをご存知だろうか?
色々イメージはあるだろうがまず思い浮かべるのは『モブキャラ』では無いでしょうか。
これは、そんなゴブリンを滅ぼすため奮闘している変人三姉妹のお話。
_日本…父島にあるアパートにて。
朝食が乗った円卓を囲んで正座する三姉妹。
「蒼姉!お野菜は残さず食べなよ!!」
金髪を顎が過ぎた所で切りそろえている緑色の瞳をした三女が怒る。
「黄…!お前は俺に『魔物を沢山倒して勇者になる』のキーキャラ、女戦士エーカちゃんの食生活を真似るのを中止しろと言いたいのか!?」
甲冑を着ている茶髪でクリクリの黒いお目々をしたフィギアに頬ずりをする、青い髪を背中の丁度半分の所まで伸ばした緑色の瞳の次女が鬼をみる目で三女を見る。
「ねぇ〜、そんな喧嘩よりさっさとご飯食べて寝ようよぉ」
桃色の髪が腰まである緑色の瞳の長女が眠たそうに目を擦る。
「桃姉、朝ご飯を食べたら学校に行くんですから寝てはダメ」
「何でぇ〜?分かった授業中に寝る。これなら良いでしょ」
「全然良くないけど、怒られるのは桃姉だからね」
「黄〜、俺の髪留めしらね〜〜!!」
いつの間にか野菜だけ残してご飯を食べ終わった蒼がタンスに顔を突っ込んでいた。
「アタシは知らない」
「私も知らなぁい」
アタシと桃は皿を洗いながら答える。
「じゃあ、結ばなくていっか!」
「いや、ダメだよ。校則で決まってるでしょ。そんな事したら生徒指導までいかなくても、注意は受けるよ?」
「桃姉〜、風紀委員の八神黄様が校則にうるさいで〜す」
「ここが学校だったら先生に蒼姉をシバいてもらうのに…」
「喧嘩はだめぇ」
「「はいはい」」
「因みに蒼姉の髪留めは洗面所に置きっぱだったよ」
「知ってたんなら早く言えよ!!」
バタバタと騒音を立てながら洗面所に向かっていった。
「桃姉、髪結んであげるから座って」
「はぁい」
櫛で髪を梳いてやり綺麗なツインテールにする。
「良いな〜、俺のも結んでくれよ」
「これが終わったらね。桃姉こんな感じてどう?」
「いい感じぃ。やっぱり、黄ちゃんは凄いねぇ。ふぁぁぁあ」
「お待たせ蒼姉、座って」
「あーい」
同じく櫛で髪を梳き高めに結ぶ。所謂ポニーテールだ。
「はい」
「おぉ!あんがとな」
「お礼はいらないから、さっさと準備しなよ」
「「は~い」」
自分の金髪の髪にも櫛を入れ高校の制服に着替える。
「あっ、遅刻するかも…」
時間的にギリギリアウトだ。ここから電車で40分歩いて20分かかるのに1限目の鐘が鳴るまで後50分だ。
「走った方が速いね。なんて言ったって私達は魔法少女なのに魔法が使えないけど身体能力だけは高いもんね」
「そうだねぇ。ホントに何で魔法少女になったんだっけぇ?」
「さぁ?アタシも忘れちゃった。後、走っていくから人にぶつかるのだけは避けてよね」
「黄もな」
「1番人にぶつかってる蒼姉が何言ってるの?」
「うるせぇ」
扉を開け外に出て電柱や屋根を忍者の様に伝い、学校まで人間では出せないスピードで走る黄。
住宅街を人が居ようがお構いなしに学校まで一直線に突き抜けていく蒼。
道路に走っている車に飛び乗り学校付近までずっと上に乗っている桃。
_この異様な三姉妹の正体は突如『魔物を沢山倒して勇者になる』というゲームから出てきた超強ゴブリンを後に滅ぼす最強魔法少女である。
「ギリギリセーフ!!!」
三姉妹の中で1番足が速い黄が学校に到着。
「よーし、2番乗りーー!!」
ガッツポーズをする蒼。
「さっさと教室に行こっ!!」
「そうだな!桃姉はどうせ飛び乗った車の上で寝て警官に職質でも受けてんだろ!」
「そうね!!」
◇◆◇◆◇◆
_昼休憩
「黄ちゃん」
3年生の桃が黄の居る1年生の教室に入ってきた。
「どうしたの?桃姉」
「今、学校に着いたんだけどお昼ご飯のお弁当を忘れちゃって…」
「あっ!購買で買えば?」
「財布の大半のお金が罰金で取られたぁ」
(結局、警察官に職質されたんだ…。捕まらなくて良かった…。いや、逃げたのかな?まぁ良いや)
「分かった。アタシが出したげるから後で返して」
桃の手の平に400円を置く。どうせ桃の事だから水も忘れたんだろうと見かねてのお金だ。
「ありがとぉ!」
お金を握りしめ教室から出ていった。
「あれが、八神さんのお姉ちゃん?」
「え?そうだよ」
「へぇー、以外。もうちょっとしっかりしてると思った」
「あはは…」
前の席の岡元さんに桃の事を言われて苦笑する。
「あんな、ダメ姉じゃ大変でしょ?」
隣の席の名前を知らない女子に言われる。
「ダメ姉じゃ無いよ。桃姉は優しくて素敵なお姉ちゃんだよ」
ムッとしたので言い返す。
「金髪の姉は桃色の髪してんだな!!」
この話を聞いていた男子がからかい混じりで言ってきた。
「っ…!」
相手がからかい混じりだと分かっていながらも、桃を馬鹿にされた怒りと地毛が金髪というコンプレックスを言われた悲しみから歯を食いしばる。
【ウーウー!!ウーウー!!ゴブリンが正門付近から本校に向かって来てます!!生徒は直ちに正門から遠い体育館に逃げて下さい!!ウーウー!!ウーウー!!】
嫌なサイレンの音が鳴る。
「何!?」
「どうしたんだろう?」
「ゴブリンが学校に!!?」
(あ、仕事だ!!)
「ハァハァ、に、逃げて!!皆た、体育館に逃げなさい!!」
職員室に居たはず先生が走ってきたのだろうか息を切らしながらでも伝えた言葉に緊急時と言うのがヒシヒシと伝わったのかギャーギャーワーワーと悲鳴を上げながらクラスメイト達は急いで体育館に逃げ込む。
一方アタシはコソコソと学校から抜け出してゴブリンがいる方向に向かっていた。
筋骨隆々の身長180センチは優に超えている全身深緑色のゴブリンが5体こちらにズシンズシンと音を立ており、その真ん中に一際デカく棍棒を持ったボスらしきゴブリンは胸を張り堂々と歩いてきている。
「黄も来たのか」
「黄ちゃんが来たなら私は寝てるねぇ」
桃は持参しているマイ枕を土の上に置きそこで寝始めた。
「「桃姉…」」
蒼とアタシは絶句を通り越して呆れていた。
「俺は見てる…ん゙ん゙、桃姉をゴブリンから守ってる!!」
「じゃあ、アタシがあのデカいボスゴブリンを倒すね」
「グヴァァァァァ!!!」
「ねぇ、アタシの剣のけんちゃんが何処か知らない?」
「家じゃね?俺は知らん」
ゴブリン達が吠えてるのそっちのけで普通に会話するアタシと蒼。
「ム゙ジズルナァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙」
ボスゴブリンが叫ぶ。
「じゃあ、闘うか」
黄は小柄な体を活かしボスゴブリンの懐に入り、腹を拳で思いっ切り殴る。
(やっぱり、けんちゃんじゃ無きゃ効かないな…)
「俺のメリケンサック使うか?」
蒼がポケットからメリケンサックを取り出す。
「使うから投げて!!!」
ボスゴブリンの棍棒攻撃を黄は軽やかに身を翻して避ける。
「オラッッッ!!」
ブンッッと空気を裂く音がした。
「ありがとう!」
メリケンサックを受取り手に嵌める。
「よし!!行っくぞー!!」
まず、ボスゴブリンの周りに居るゴブリン達を片付けるために1番右に居たゴブリンを力任せに殴る。次にその隣のゴブリン、ボスは抜かして順々に殴っていく。黄が殴るたび悲鳴すらあげられず死んでいくゴブリン達を見てボスゴブリンは悟った。
『自分達は知らぬ間に竜の逆鱗に触れてしまった』と。
「ふぅ、これで粗方片付いた。貴方は強いかな?」
歩いてボスゴブリンの側に行く。
「グ、グガァァァァ!!!」
歩いて来る黄を力一杯棍棒で殴る。
_ゴンッッッッッ
「シ、シンダガ…?」
「全然?」
ボスゴブリンの出せるフルパワーを黄は平然と片手で受け止めていた。
「次は、アタシの番ね」
口に弧を描く様な笑みを貼り付けメリケンサックを着けている拳を強く握る。
「ヤ゙、ヤ゙メロ゙」
_ドンッッッッッ
黄が腹を殴った所だけ綺麗に風穴が空きボスゴブリンは成すすべなく死んでいった。
「やっぱ、俺等ん中で1番強くて狂ってんのは黄だわ」
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リスより




