恋わずらい
音が多い小さな箱に
全く染まらない君がいる
ひとりでも 誰かがそばにいなくても
前を向く君の横顔に
いつも心奪われる
周りに囲まれ 話を合わせ
愛想笑いで 乗り越える
そんな毎日に疲れた あの日
初めて視界に 君の横顔が入った
まっすぐまっすぐ前を見て
髪をかきあげ 耳を出す君
ひとつひとつのその仕草
見惚れてしまうのも 無理は無い
いつも見惚れる君がいる
肩が触れるくらい近い隣に
話しかけたら困るかな
時間を確認するけれど
なんだか今日は時間が遅い
もしかして君といるからなのかな
話したこともない君は
やっぱり前を向いている
見慣れた横顔に 飽きることはまだない
ある日あの子に話しかけられた
「これ、きみのでしょ?」
渡してくれたシャーペン一本
君が触れただけで
今日から宝物になってしまった
ありがとう
小さな声なのに 君は笑ってくれた
笑顔を見せてくれた
横顔ではなくて 真正面から
私を 見てくれた
音が多い小さな箱に
全く染まらない君がいる
前とひとつ違うのは
私の視線に気がついて
笑顔を見せるかわいいあなた
横顔だけでも綺麗なのに
笑顔がとても可愛くて
心臓がとってもうるさいの