『102』
『102』
王都に帰るのは明日以降だな。
ライラック伯爵は古城を所有する大貴族だった。
その娘のライネ姫は俺達を招待した。
街の人も姫と同じく俺とアスカに好感度があった。
街を救った英雄的な扱いで見られる。
「ロメーロ様を見る視線が熱いです。英雄ですね」
「俺も感じる。すげえな。英雄とかなくていいけど」
最初に案内されたのは古城の街の料理店だった。
俺とアスカとナミュール王女、それにライネ姫で店内に。
見るからに豪華な店の作りだった。
高級感のある店で、いかにも姫や伯爵が利用する店っぽかった。
「どうぞロメーロ、アスカ。座ってください」
「ありがとう」
「ありがとう」
俺とアスカは席に着くと店の店主が来る。
店主は男性であった。
「これはロメーロが店に来てくれて、大変に光栄です。噂は聞いております。古城にはイフリートスがいたと、イフリートスを討伐したのがロメーロだったと。今日はライネ様もご一緒ですし、最高級の料理を出します」
「楽しみです」
店主にも俺がイフリートスを討伐したのが伝わっていたのは驚きだった。
噂が伝わる速度が早いな。
街を救ったから当然かもだが。
料理は最高の料理が用意されているそうだ。
腹は減っていたから、ちょうどいい。
「とても美味しい。素晴らしい料理だわ」
「アスカの口に合うのは良かった。エルフ国皇女と聞いていますから、味には厳しいでしょう」
「エルフ国でも料理は国王専属の料理人が作りますけど、これは一流の料理ですね」
「褒めて頂きありがとうございます」
店主はアスカの話を聞いて、笑顔になる。
「私も肉は好きですよ、店主」
「ナミュール王女に褒められて光栄です」
「俺が場違いな感じするな、アスカはエルフ国皇女、ナミュール王女、ライネ姫と同席して食事。完全に俺だけ一般人だからな。会話についていけない」
王女レベルの会話には俺はまるでついていけない。
レベルが高すぎる。
今では俺も大金を持つようにはなったが、もとは普通の一般的な人だ。
この会話が凄すぎた。
ただ料理が美味しいのはわかった。
オリオンが食べていた料理もこのレベルだったから、俺も経験はあった。
料理は笑顔で進んだ。
ナミュール王女、ライネ姫とは料理を食べながら交流ができた。
特にナミュール王女はカイザール国の国王の娘。
仲良くしていて損はない。
いつか俺が困った時に助けてくれることもあると思う。
アスカとも同じ王女であるから、話が合うようだな。
俺は何を話していいかわからないのとは逆だった。




