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『101』

『101』


「はい、王女と一緒に城にいた時に魔物が襲ってきて、部屋に閉じ込められたのです」


「伯爵として感謝したい。キミには感謝してもしきれない。ただロメーロという名前は聞いたことなかった。それだけの力があるなら、もっと有名でもおかしくないが」


「俺は元はエピック国の勇者パーティーにいました。今は違います」


「なるほど、エピック国勇者パーティーだから魔物を討伐できたのか。私も護衛としてAランク級の冒険者を側近として大金を出して雇っていたのだ。しかし魔物は雇った冒険者をあっさりと殺してしまったのだ。もう絶望しかなかった」


「魔物はイフリートスでしたから、Aランク級の冒険者では即死しても不思議はない」


 伯爵は金でAランク級の冒険者を護衛で雇っていたらしい。

 貴族ならそれは良くある話だ。

 いつ誰に命を狙われるかわからないのが権力者。

 魔物だけではなくて、盗賊に狙われるのも日常だ。

 例えば盗賊に捕らわれてしまい、金を要求なんてよく聞く。

 事実アスカも狙われたのだしな。


「そこでロメーロには私からお礼をしたいと思う。私とナミュール王女と父を救ってくれたお礼です」


「お金なら別に要らないけど」


 ライネ姫からだった。

 お礼と言われると別に要らないかな。

 貴族だしお金は余るくらい持っている。

 きっぱりと断る。


「お金ではないです。この街に滞在してください。父が所有しているのは城だけでなく他にも施設があります。飲食店、高級宿、天然温泉がある。ロメーロとエルフの方に使用してもらいたい。せめてもの私からのお礼です」


「施設の利用か。アスカはどう?」


 施設の利用を求めてきた。

 普段なら利用するのに料金は高額で取る。

 それを無料で使っていいよということだった。

 俺はどちらでも良かったので、アスカに聞いてみた。

 もしアスカが嫌なら断るし、望んだなら受けるとしたい。

 アスカはというと、


「伯爵の施設なら使ってみたい。特にロメーロ様と宿泊できるなら大賛成」


「大賛成か」


「それではロバートとアスカの2人には利用して楽しんでください。城は破壊されて使えませんが、城以外は被害が少ない施設がありますので」


「じゃあ利用させてもらおうかな」


「楽しみです」


 利用が決まり、俺とアスカは街の中に案内された。

 当初は瞬間移動で王都に移動予定だったのを予定変更としておいた。

 移動は明日以降に延期となった。

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