『100』
『100』
アスカがエルフ国皇女というのは名前は知っていたということは、王女らしかった。
王女と言うのは他国の王女や国王とも会合したりもするのだろうか。
「私はカイザール国王女。各国の国王、王女や王子とも会ったり、話はします。外交的にも重要な仕事です。エルフ国アスカ皇女とは初対面ですが、他の国の王女とは会います」
アスカとも知り合いナミュール王女は笑顔になった。
きっと怖かったと思う。
部屋に魔物に閉じ込められたらば、死ぬのも覚悟したと思う。
想像しても恐怖は俺だって理解できた。
恐怖から解放された感じだろうな。
とにかく王女は救出できたのは良かった。
王女を救出できたのは偶然なのか。
それとも器用富豪スキルが俺をこの古城に導いたのかはわからなくなった。
一度なら偶然もあるが、グールマスターにイフリートスも出会った。
2度も偶然は続かないと思うが。
ナミュール王女を王都に安全に届けるのは重要な仕事になりそうだな。
もしかしたらイフリートスはナミュール王女が古城に来るのを知っていて、狙って古城に来たのか。
ナミュール王女を奪えば、利用価値はある。
カイザール国国王はイフリートスには絶対に逆らえないとなるし、楽に王都を明け渡すのもあり得るな。
イフリートスの考えは今は俺が殺してしまい、もうわからないので定かではない。
生きているうちに聞いておきたいことだったが、あの状況では殺すしかなかった。
そうしていると、ナミュール王女とはまた別の人が来た。
誰かな?
男性と女性だった。
ナミュール王女にも似ている高貴な衣装。
平民ではないのは明らかだった。
王族の人かな。
ナミュール王女の側近とかもあるな。
すると男性が俺に話しかけてきて、
「キミがロメーロかい?」
「はい、ロメーロです」
「私はこの街の古城の領主である、ライラックだ」
「領主ってことは、貴族ですか」
普通に考えてこんな規模の城と街を所有するのは権力者だろう。
この地域の貴族と考えた。
「彼はライラック伯爵です。そして彼女はライラック伯爵姫である、ライネ姫です」
「ライネです。城を守って救ってくれてありがとう。お礼を言います」
「いいえ、守れて良かったです。もしかしてナミュール王女と一緒に閉じ込められたのですか?」
伯爵と伯爵姫だった。
姫なので娘と思われる。
年齢はアスカと同じくらいだろう。
ナミュール王女も近い歳だな。
俺よりも若いと思う。




